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December 11, 2008

契約解除とは企業による実質的な殺人ではないか

Kawabeeki(奥羽線、川辺駅で)
▼6日の夜に放映された「ニュースにだまされるな」を録画セットしていかなかったので、昨晩の再放送でようやく見ることができた。今回もアメリカ経済破綻の原因とその対策、などを中心に語り合っていた。今回は後半に「日本経済再生のための提言とは?」というテーマだった。しかしわたしは睡魔の襲われて前半だけで見るのを止めてしまった。今回面白かったのは小森陽一東大教授が出席していたことだ。彼は文系の学者なので、破綻させた原因、そしてアメリカ国民の税金を使って三大自動車メーカーを使うのは倫理的におかしいでしょう。そんなの許されないでしょう、と金子など他経済学者に食い下がっていたことだ。
▼「経済犯罪ではないか?」という小森に対して、野下保利国士舘大学教授は「日本の経済犯罪と違って帳簿を操作していたわけではないから、犯罪とは云えない。しかしデリバティブ等の債権を売買できる仕組みを作って、それに付加価値をつけて自分たちだけ儲けようしたのは倫理的な責任はある。しかしその面だけを追求しても、現在の問題は解決できない。新しいブレトンウッズ体制もできるまでには時間がかかる。G20にしてもまったく拘束力はなくて、自分の国だけ良ければという範疇をでない。とにかく今まではIMFというアメリカのドルを中心に回っていた世界がくるってしまった。だからG20がアメリカに対する規制をどうやってうまく作っていくかが、今後の課題であろうという話しになった。本日も午後2時から「朝日ニュースレター」で放映されるので、興味のある方はご覧いただきたい。
▼NHK夜9時のニュースを見ていたら、かなりまともなテーマを扱っていた。大分のキャノンの工場だったと思うが、派遣の労働者が契約解除となってすぐ寮を出て行けと宣告された。それはお金もでなければ住むところもないという、まさにプレカリアートの最終段階に来てしまっている。お金も出さない寮もすぐ出ていけでは、もう死と直結だ。当該の労働者はマイクの前で絶句して涙がこぼれそうになり、カメラはスタジオに反転するが男性アナウンサーさえも涙ぐんでいた。さらにソニーのスペイン工場では派遣の労働者が「契約はあと2年残っているのに、どう責任をとってくれるのか、という。そして当地の労幹部は「正式な通告は受けていないからコメントできない」と語っていた。それが日本のソニーの労働者を通用門で話を聞くと、まだ我が身の事と考えていない、「新しい分野を開拓して頑張ればなんとか切り開ける」というのは女性労働者の意見だ。他の男性労働者は「まだ正式に聞いていないので何も云えないが驚きの一言」というのがほとんどだった。あと福祉作業所の収入が激減しているという話しには胸が痛んだ。作業所の収入は1ヶ月1万円だったのが、先月末から9千円になった。収入は障害者年金などとあわせて10万円で、グループホームの支出が8万1千円。彼のコンビニで買った食事はお握り2個とジュースで525円だった。これで昼食と夕食だというのだ。
▼個人が他の人間を殺せば「殺人罪」となる。しかし考えて見れば企業がいきなり労働者の糧秣と住居を断つというのも、同じ殺人と同様の犯罪ではないか、とふと思った。ビッグ3もソニーの経営者も、自社の株の配当を安定的に確保して、自分たち経営者が株主か追放されないたまめ、逃げ道を作っているのではないだろうか。

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