« イヴだからと言って酒を飲んでいる場合か | Main | 無年金だという友人の話 »

December 25, 2008

「汽車しゅっぽ」の元歌は「兵隊さんの汽車」だった

▼毎年24日頃になると部屋流す音楽はバッハの「クリスマス・オラトリオ」(CD3枚組)とヘンデルの「メサイア」(CD2枚組)を選ぶ。別にドイツ語は数個の単語しか分からないが、それでもそれらしい雰囲気に包まれる。本当はジングルベルとかそういう曲の方が気分は盛り上がるのだが、あいにくそれらの曲は持っていない。むかしレコード盤しかなかった頃、こういう長い曲を聴くのは至難の業だった。アルヒーフの「マタイ受難曲」なんてレコード5枚組だった。それも録音がオートチェンジャー用に作られているからそれを聞くために、専用のレコードプレイヤーをわざわざ買った。
▼分かりやすく言うとレコード5枚組があったとすると、1枚目のA面が終わると2枚目のA面という順番でレコードがターンテーブルに落ちていく。それが5枚目まで終わると、プレイヤーを一度止めて、5枚のレコード盤を全部一気に裏返す。そして1枚目のB面、2枚目のB面という具合に演奏するのだ。CDになってからその苦労も軽減されたが、それでも入れ替えが必要だ。やがてメモリーオーディオが登場してから、音楽をCDから取り込んでしまえば何時間でも聞きっぱなしにする事ができるようになった。
▼パソコンの不調などがあって前振りが長くなってしまった。火曜日の祭日に午前10時から2時間NHKラジオ「アキラさんの音楽ドレミ塾」を聞いていたら、公開放送をしていて宮川彬良が童謡と唱歌の実例で解説をしていた。その話を聞いていると鉄道唱歌など新橋から神戸まで、土地土地の名物や産業などを紹介しながら鉄道の大切さを国民に知らせようという、当時のトップの考えが如実に反映されていると思った。
▼わたしが旅行中のブログなどで時々紹介している歌に♪「スピードスピード窓の外、畑も飛ぶ飛ぶ、家も飛ぶ」という唱歌がある。この正式名称は「汽車しゅっぽ」というらしい。しかも最初はこの歌は出征兵士を送る歌という曲だった。それが戦後歌詞を書き換えられたのだということを知ってひじょうに驚いた。正式名称は「兵隊さんの汽車」というので歌詞を対比してお読み頂きたい。
▼出征兵士がどんなものだったか?例えば何度かご紹介している若尾文子と田村高宏の「清作の妻」を見ても分かるが村の代表として大々的に最寄りの駅まで村人総出で兵士を元気づけるために送り出す。この場合出征兵士には片道切符であることを要求される。つまりお国のために立派に死んでこい、というのだ。映画の場合何度も死ねなかったので苦悩し、妻は夫を盲目にしてしまえば兵士として戦争に兵士として取られないだろうとハサミで夫の目を傷つける。だから育ての親である両親や妻、恋人にあって「出征」は楽しかろう筈はない。ある評論家が「わたしは貝になりたい」の最新作の「出征シーン」を見て何か楽しそうに作ってあって、監督は勘違いしているのではないか、といっているがわたしもそう思う。この映画を見ないでベタ褒めしている人がいるが、1958年のフランキー堺の作品を想像していくと飛んでもないことになる。ウィキペディアでも「わたしは貝になりたい」の「歴史認識」の表現方法を巡って論議がされているが、一読されることをお勧めする。

|

« イヴだからと言って酒を飲んでいる場合か | Main | 無年金だという友人の話 »