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December 26, 2008

無年金だという友人の話

▼出掛けようとしたとき、電話がなって「宅配業者で荷物を持ってきました。どちらにいらっしゃいますか?」という。慌てて玄関をあけると業者はドアの前に立っていた。そう言えばここ数日ドアフォンが鳴らないことに気づいた。さっそく分解してみたが結線に問題はない。困ってその道のプロである親友A君に電話すると、夕方来てくれることになった。彼はわたしの家から4kmくらい離れた所に住んでいるが、夜自転車で来てくれた。テスターであれこれ調べて見たが、結線には問題なく、接点復活剤を吹き付けて「こんど故障したら買い替えた方が良い」という結論を下した。それが終わって友人達の健康問題や年金の話になった。A君は今年60歳になったはずだ。それで現在は自営業として家電の修理などをしている。
▼若い頃は某大手音響機器メーカーに勤務していて、とても良い腕を持っていた。それで社会保険事務所に行って自分の年金を調べて貰ったら45ヶ月しか納めていないと言われた。それは変だと昔の勤務先に証明してもらったら、正しい155ヶ月勤務していることが分かった。しかしその書類をもって社会保険事務所に行ったが、中々書類を書き換えてくれない。その書き換えに半年くらいかかったという。しかも300ヶ月の積み立てがなければ年金は一切支給されないという風に法律が変えられてしまった。あれこれ社会保険労務士の無料相談などに行ったが、救済されるには70歳まで別途積み立てなければ無年金のまま終わってしまう。あまりにも悔しいので保険事務所の前で灯油でもかぶってライターを持って「何とかしろ」と叫ぼうかと思っていると言っていた。しかも企業年金も法律が変わってしまい。年間6万円支給のはずが5万円に減額されてしまったという。
▼昨日の読売1面トップの記事に「なぜ使い捨てられるのか」…バッグ一つで寮追われ
大揺れ雇用とうものがあった。これは埼玉県にある日産ディーゼル工業上尾工場の派遣社員だった佐藤猛さん(仮名)が、1週間前に雇い止めになったという話だった。そして寮の玄関ドアのカードキーを派遣会社の男性社員に、無言でカードキーを手渡すと、その社員の、営業スマイルが待っていた。「お疲れさま!」と。
▼この記事を読んでキャノンのCMを思い浮かべた。定年を迎えた初老のサラリーマンが、コピー機の前で時間をかけてコピーを取っている。すると若い社員がしばらく待っていたあとで、下の階にコピーを取りに行くからゆっくりやってくれと言ったあと、上の記事と同じ「長い間お疲れさまでした!」というセリフを言うのだ。キャノンは大分工場の雇い止めが大きな社会問題になっているが、「お疲れ様」の一頃で寮を追い出され、仕事を失った人は明日からどうやって生きていけばよいのだろう。
▼同じようなテーマが朝日の25日夕刊に出ていた。千葉で失職した男性が、地元ではどこにも相談するところがなく、東尋坊で自殺しようと考えて各駅停車の電車にのっていく。最後は電車に乗るお金もなくなって断崖までとぼととぼ歩く。そのとき見た朝焼けの美しい光景に息を呑んで自殺を躊躇する。そして地元の人に「何か助けることができますよ」と声を掛けられて、自殺を思いとどまる。千葉で仕事をしている人が、なぜ福井県東尋坊まで死に場所を求めて行かなければならないのか。地元千葉に相談に乗って貰える人や団体が彼の目につかなかったことがとても情けないと思った。

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