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March 13, 2009

東金事件とその報道姿勢を考える

▼今朝の朝日に昨年9月末に起きた東金事件のTBSの報道姿勢を巡った検証がでている。とくに「K容疑者」が軽い知的障害を持っているにもかかわらず、テレビ局が彼をカラオケに誘って松坂慶子の「愛の水中花」を唄わせ、それを録画してTVに流し「殺害しておいてこの図々しさ」とコメントしたことなどを、副島主任弁護人が注意を喚起していることだ。さらに今月発売になった雑誌『世界』4月号をご覧になるとジャーナリストの佐藤幹夫(朝日の記事でも最後にコメントしている)が「千葉・東金事件――ほんとうに女児「殺人」事件だったのか 」とする連載を始めた。副島弁護士の場合何も物的証拠がないのに実名報道している事も含めて、マスメディアと報道のあり方に問題提起をしている。副島は容疑者の依頼を受けたものではなく、一貫して知的障害者が関わる事件を自主的に引き受けている人である。
▼佐藤が雑誌『世界』に書いた問題提起はさらに具体的で、警察がK容疑者の指紋を非合法的な手段によって採取して照合していること。「予見」を持って捜査している実体が少しずつ明らかにされている。佐藤のルポは随時連載だが、マスメディアや警察の「予見」と「視覚化」という先入観にいかに人間が左右されるかという危険性についてもふれている。
▼11日深夜WOWOWで「この道は母へと続く」という05年のロシア映画を録画して見た。これは昨年ルシネマでも公開されて予告だけは見たが、暗そうだったのと子どもをダシにする映画は嫌いなので映画館には行かなかった。極寒のロシアの僻地にある孤児院が舞台である。主人公はイタリアの夫婦に引き取られることが決まった6歳のワーニャだ。彼は施設にやってくる別の孤児を見ていると、実の母にあった嬉しそうな顔を見ているうちに自分の貰われるのではなく、本当の母に会いたいと願うようになる。施設の子どもたちはグループを作って外に稼ぎに行っており、それを取り仕切っているボスの少年もいる。ワーニャは、まず言葉ができなければならない、と考えそのグループの少女からお金を払って習おうとする。しかしお金をくすねているとボスからリンチされる。なぜ言葉を習うのかと言えば自分の出生を書いた保管してある書類を見る必要があるからだ。それさえ見れば本当の母に会えると思う。
▼孤児院のめぼしい少年少女をデジカメで撮ってはイタリア人に売る組織としたたかな女ボス。少年は場所を確かめ少女とともに列車に乗ろうとするが、直前に少女は盗んだ時計をつけていた事から逮捕され、一人で目的地に行くことになる。彼女からは窓越しに「終点まで行きなさい」と教えられる。そして追っ手は鉄道警察まで買収してワーニャを捕まえようとする。飢えた孤児院の少年たちを売買することや、賄賂の横行が今のロシアのかなりモラルが乱れた様子が描かれているのは、ロシア版「12人の怒れる男」にも共通している。そして機転を利かせて様々なピンチを切り抜ける少年。そして時折ワーニャを助けてくれる老齢の大人達はすさんだロシアもまだ捨てたものではないことも感じされる。そして母にあう直前追っ手の男に捕まってしまうワーニャ、落ちていたワインの瓶を叩き割って、捕まえようとした男に必死の形相で立ち向かっていく。
▼前日の夜12chでの1948年に、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の孫娘である沢田美喜が開いた「エリザベスサンダースホーム」の第一期生たちの生き様を紹介するルポがあったばかりで、つい引き込まれて見てしまった。

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