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June 15, 2009

◇NHKBSで「トヨタ過労死事件」毎日放送を見る

▼昨日NHKBS2で午後から「ザ・ベストテレビ」第一部(2部は来週、3部は再来週)が放映されていた。録画設定をするのを忘れて映画を見に出掛けていたので、わたしが見たのは午後3時頃からだった。それは「夫はなぜ死んだのか?」というトヨタに働いていた30代の男性が過労で死亡し、会社の態度に疑問を持った妻の博子さんが一人で闘う話だった。その男性とは内野健一さんでトヨタで夜勤をしていて最終日に倒れてしまう。自宅の留守番電話には午前4時頃会社から入っ「トヨタ記念病院に入院したからすぐ来て欲しい」という連絡がそのまま残っていた。
▼博子さんがまず疑問を思ったのは会社の残業時間と彼女が調べた時間が違うという事だった。夫の携帯の着歴やガソリンスタンドで給油した事件を調べていくと、直近の1ヶ月で144時間という驚くべき数字となっている。一方会社の夫の元上司と話しあいをすると114時間だ。なぜ誤差がでたかというと「改善運動」に参加したのは自由時間で会社が拘束したのではないというのだ。会社は健一さんがその時間は仕事をせずにお茶を飲んだりブラブラしていたという。
▼博子さんは子どもを二人抱えて今は派遣社員として13万円の収入でどうやらやりくりしているが、泣き寝入りするわけにはいかない。労働基準監督署に会社と自分の誤差を認めるように交渉を繰り返す。その運動をしている最中、卑劣にもトヨタは博子さんを「トヨタに入社しないか?」と誘いを掛けてくる。しかし彼女はトヨタに入ったら夫の無念を晴らすことはできない、とそれを拒否する。労基署は会社側の45時間だとする言い分しか認めないが、全国から3万人の署名が集まり労働保険審査会で再審査されることになる。
▼しかしその後豊田労基署の署長がトヨタからゴルフクラブの贈賄事件で逮捕され、会社に情報を流していた事が明らかになる。厚労省の過労死認定は100時間なのでそれで口裏を合わせていたに違いないのだ。結局裁判所の判決が出るまでに6年もかかっている。判決では健一さんの検査業務での不具合処理等はストレスの高い業務と認定する。弁護士はなぜ内野さんの弁護を引き受ける気持ちになったかという話にも触れる。それは博子さんがひたむきに一生懸命夫の無念を晴らそうと一生懸命だったのでうたれたという。
▼裁判の結果「改善活動」はトヨタも勤務と認めざるを得なくなり、現在では残業代がつけられるようになった。夫の墓参りをする博子さんにカメラは「何を話しましたか?」と聞く。子どもたちが一緒なので裁判の詳しい話はできない。子どもの成長ですよ、と花束を墓前に捧げる優しい顔がとても印象に残った。しかしこれが愛知県の放送局ではなく、毎日放送で作られたというのが、どうも情けないマスメディアの現状を表している。そのことはスタジオにゲストで来ていた森達也監督も「どうしてNHKで作れないのか?」と言う言葉にも出ている。表現の数字などは寝転がって書いたメモなのだ正しくは以下のサイトを参考にしていただきたい。法学館憲法研究所
全トヨタ労働組合

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