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June 12, 2009

◇「路上のチェリスト」を見る

▼2週間ほど前に仏像作家の堂本寛博恵さんにインタビューした。その記事が昨日某ローカル新聞に掲載されて配布されたら、数人の読者からメールや電話で感想をお送り下さった。今までそんな事は一度もなかった事なのでとてもうれしい。もしこのブログをお読みになっている読者で、その記事をお読みになりたい方はメールでご連絡いただきたい。新聞読者には有料で購読していただいて、ブログに無料で掲載するのは有料読者に申しわけない。そこで一言でも感想をお送り下さる方にだけ個別にお送りさせていただくので了解いただきたい。送信できるのは本日夕方5時から6時頃になります。締めきり日は12日でそれ以外の日に応募下さっても応じられません。
▼夕方図書館で「キリマンジャロの雪」を借りてきた。原作は短編で1時間もあれば読むことができる。映画は内容をかなり膨らませてあることが分かった。「ER8」の最後の方にあったエリザベスとグリーンの会話に似たセリフがあって思わず微笑んでしまった。NHK教育TV火曜日夜の「歴史は眠らない」の「知恵の結晶/お経巡礼」宗教学者のひろちさやが出演するテキストを買った。昨日電車で移動しているとき読んだが、「不安は自分の心の中にある」という指摘はとても参考になった。
◇「路上のソリスト」ソリストの名前はナサニエルという。彼は映画の中のセリフで「チェロはシュタルケルが一番だ」というが、わたしもそう思う。わたしがシュタルケルを最初に聞いたのはモノラル盤のレコード「ハリー・ヤーノッシュ」で鬼気迫るような音だった。レコードはなくなったがいまCDに録音されたものを時々聴いている。さてロサンゼルス・タイムズの記者スティーブ・ロペスは、ある日自転車に乗って通勤しているとき、車を避け損なって全治1ヶ月の重傷を負う。まるで昨晩の江口洋介みたいだ。診断は1ヶ月だがロペスは一週間で退院して、腕に包帯を巻いて出勤する。そのときロスのベートーベン像の前の路上で2弦しかない壊れたバイオリンを弾くホームレスを見つける。彼の名はナサニエルといい、かつてはジュリアード音楽院に入って将来を嘱望されたチェロ奏者だった。そんな腕の立つ男がなぜ路上にいるのだ?ロペスは週に一本コラムを書くのが仕事だ。何と羨ましい身分ではないか。わたしなど毎日書き続けても収入には一切つながっていない。まぁ駄文か名文かの差があるから仕方ない。
▼そのことをコラムに書くと読者から「良かったら使ってくれ」と古いが立派なチェロが編集部宛送られてくる。路上生活者に立派なチェロを与えても盗難にあってしまうので、福祉施設にチェロを預かってもらい、演奏するときはそこから借りて弾くことをロペスは提案する。その後ロペスは「ナサニエルのため」という口実、実は自分自身を納得させるために福祉施設の契約するアパートに移り住まわせるなどする。ロペスは演奏会まで開くが、ナサニエルは舞台で混乱してそれは失敗する。そして「精神失調症」だから薬物治療をすべきだという結論に達する。施設の責任者に薬物治療をさせると相談するが、拒否され治療はあくまでも個人の許諾と署名が必要だと宣言される。ロペスはその書類をナサニエルに渡すが彼は激しく突っかかり、「今度こんな事をしたら内臓を掴み出す」と怒り狂う。
▼おそらくこの時「気の毒だから、相手のためになるから」とやってきた自分が間違っていた事に気づいたのだろうと思う。押しつけの親切さは相手の自立のためにはならない。相手の自主性を尊重して一定のスタンスをとって見守ることの大切さを知る。ロペスを演じる、ロバート・ダウニー・Jr.は「オンリーユー」や「追跡者」などで見ているが実は嫌いな俳優だった。しかしこの映画を見てこんなに演技派なのかと思って見直した。それにロサンゼルスタイムスの記者なのに、普段のわたしとそっくりな服装(Tシャツに半袖シャツ、チノパンのスニーカー)なので余計親近感を覚えた。日比谷シャンテでうっかりウーマンズ・ディに行ってしまった。大混雑で15分前に着いたのにあと10名で満員だった。危ないところで滑り込みセーフ。

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