◇「バーダー・マインホフ」を見る
▼2日前のNHK朝の健康番組を見ていたら、イケメンの医者が次のように言っていた。健康を保つには、体温よりも低い飲食物を摂らないこと。それと寝る4時間前に食事を終えること、この2点だった。賢明な読者のことだから説明はいらないと思う。つまり抗体が少なくなり、抵抗力が弱り病気にかかりやすくなるのだ。みなさんがこれから何をしたら良いかは云わない。ご自分で考えてこれからの季節とくにご自愛いただきたい。暑中見舞いを数人の方からいただいているので、その方々にはご返事を書かなければと思っている。
▼マニフェストという言葉が数年前の総選挙から流行り始めた。ついに今度の選挙では自民党までが「マニフェスト」を発表するという。「ちょっと待って、プレイバック」だ。自民党はいやしくも政権政党であったのだから、まず自らがやってきた政策がどのように実行されたが検証するのが先だ。いくら流行っている言葉でも、意味を取り違えてもらっては困る。
▼◇「バーダー・マインホフ 理想の果てに」1967年の西ドイツ、イランのパーレビ国王が王妃を伴ってベルリンを訪れる。沿道にはパーレビの独裁支配体制に反対するデモが溢れている。同時に歓迎というプラカードを持った黒ずくめの服を着た集団がいた。抗議活動をしているといきなり、その黒服集団がプラカードの支柱を棍棒にしていきなりデモ隊を襲う。若き女性ジャーナリストのウルリケ・マインホフは、彼女はそのデモを取材している最中に、警官によってひとりの学生が射殺されるという国家権力の弾圧を目撃する。そして彼女はその事実を積極的に記事として書く。
▼同時期にアンドレアス・バーダーとグドルン・エンスリンというカップルが、ベトナム戦争に抗議するため、デパートに放火し逮捕さる。記者のマインホフは身をもって正義を実現させようとする2人の行動にひかれる。そして自分は記事を書いて報道ことによって社会変革をすることはできないのかと考えるようになる。
▼マインホフは逮捕されたバーダーを刑務所に面会に行き、脱走させる手助けをしてしまう。当然彼女も一味と見られて使命手配されてしまうので、これまでの築き上げたキャリアをすべてを投げ捨てることになる。そして彼女はバーダー、エンスリンと一緒に「バーダー・マインホフ」グループ、後のドイツ赤軍(RAF)を立ち上げる。しかし、当初の思い描いた理想の実現とは反対の行動に走るようになる。それは組織の拡大、攻撃すべき目標を次々と変更してゆく。当然それは国家権力との直接対決をすることになり、弾圧も射殺することもいとわなくなる。そしてRAFは目的のためには手段は選ばないと銀行強盗、爆破、誘拐、要人暗殺、ハイジャックとありとあらゆる犯罪を行う。
▼あるときシリアにゲリラ訓練を頼むために出掛ける。そこでも夫婦は同じ宿舎に入れろ、とか、俺たちは銀行強盗の手法を学べば沢山だと現地の指導者対立してしまう。そして人類の解放どころか、対立するものを殺害すれば良いというだけの、人間らしい気持ちを失ってしまう。そして主だったメンバーは逮捕される。逮捕される瞬間マインホフは、いきなり泣き出すという情けなさだ。そして法定闘争を推し進める。この刑務所とか法定闘争とかは実に驚くべきことがある。それは独房は4畳半くらいで本棚1本とラジオやテレビの持ち込みの可能だ。さらにメンバーが会って話しあう事も許されている。さらに法定の傍聴には入るだけの人が入る事ができきる。ここは国民性の違いを感じる。
▼逮捕された元指導者たちは、いまなお町で暴動が起きているのは、自分たちとは関係ない若い世代が行っている。もし釈放すれば抑えることができると、裁判長に司法取引の交換条件を持ちかける。しかし権力はそれを許さず、悲惨な運命が待っていた。同じようなテーマでも「連合赤軍」は内ゲバだけに終始した。しかしこの映画はあくまでもドキュメンタリー風に冷静な眼で、どちら側に肩入れすることもなく事実経過だけを淡々と描いている。渋谷シネマライズで。




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