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August 02, 2009

佐久総合病院の今、「週刊金曜日」7月31日号から

▼「週刊金曜日」の最新号にもう一つ重要な記事が掲載されていた。それはわたしの古里にある佐久総合病院についてである。この病院はご存知のように若月俊一氏によって農村医学という分野を切りひらいた。若月は数年前に亡くなり、現在その影響力はなくなっている。この地域は長野県で東信(東信濃という意味で、東は浅間山の麓の軽井沢から西は上田、南は八ヶ岳のある佐久を含む)人口は42万人くらいだ。そこの中核を担うのがこの佐久総合病院なのだ。
▼しかし821床あまりのこの老朽化した病院を地元に建設したかった。しかし用地の買収がままならなかった。前の佐久市長は厚生官僚だった人で、直系の病院を建設したいと用地の手当をしようとしていたが、選挙に不出馬してしまった。佐久病院は地元に建設ができないため他に取得をしようとしていたが、適当な物件はなかった。ところが数年前の新潟地震で小海線の北中込の近くにあったT(原文には名前が出ている)という戦前の軍需産業は、新潟の工場が壊れ、急にカネが必要になる。佐久総合病院に「3万坪ならすぐに売る」という連絡があって急転直下売却が決まり24億円で取得が決まる。
▼佐久総合病院は長野県厚生連という名前が冠されて、農協の関連事業という事に形式上はなっている。しかし実体は独立採算である。だから地域にある関連の病院は全部収支を言わば本店の総合病院であげなければならない。わたしの実家のある小さな診療所の閉鎖問題もこれと関連してくる。この診療所は毎日半日だけ診療をしていて、小諸厚生病院のさらに出先機関である。しかし小諸といってもそこには常勤の麻酔医は一人しかいない。さらに上田の旧国立病院には麻酔医はゼロだ。
▼総合病院はドクターヘリの先がけでもあるが、その運行費用は補助金で運用されている。たしかに救急車で1時間かかるところを10分程度で行くことができるから、地元の人にとっては命綱だ。しかし実際の運用はいつまで続くかかなり心細い。新しい病院はできても、古くからのしがらみがあるので、今の場所には一定の施設は残さざるを得ない。2つに分かれると総合病院が総合でなくなってしまう懸念がある。
▼この特集は若月氏の思い入れとは逆に、経営の問題で苦しみながら、本来の姿勢を続けていくことができるかどうか?というのが今回の(上)は終わり、(下)では農村医療の実体に医師らと同行しながら現状を把握するとしている。数字は記憶だけで書いているので若干の間違いはあるかも知れません。詳しくは「週刊金曜日」7月31日号を買って読んで下さい。本稿は筆者の知りうる情報をプラスして書きました。

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