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August 15, 2009

NHKの「働きたいんや」を見て考える

▼12日夜NHKで夜10時から「働きたいんや」という番組が放映された。大阪の巨大団地の片隅で仕事を失ったが必死に這い上がろうと努力している話だった。登場するのはフォークリフトの免許を持っている41歳の男性と、何の資格もない40歳の男性だ。彼らは派遣社員として働いていたが、いずれも派遣切りにあって路頭に迷っていた。一人はコンビニなどの廃棄された食料を食べる事に抵抗はあったが、食べないと死んでしまうので、そうするしかなかったという。一人の青年の有り金は数百円だった。彼らはこの団地の一角にある、家のないひと人向けに自治体が解放している団地の空き室に入ることが出来た。
▼二人ともハローワークに正社員の仕事を求めて通うが、年齢で面接までこぎ着ける事は不可能だ。それに二人とも自動車の運転免許すらない。仕方なく正社員ではない、月給13万円の会社に応募するが、経験がないため不採用になる。どうやら緊急の生活保護の給付を受けるまでこぎ着ける。しかしいつまでも生活保護を受けられる訳ではないので、必死に職業訓練を受けようとするが、それも試験を受けなければならないし、定員オーバーだ。
▼この番組を見て先週わたしはある人を介して、失業中で生活保護を受けていわゆる貧困ビジネスと言われる宿舎で生活している人と会った事を思い出した。彼の事は仮にNさんとする。D県のV市駅前で待ち合わせたが、携帯番号だけ知らされていた。総合するとNさんは某家電販売店でデジカメの派遣販売員として仕事をしていたが、いきなり首を切られてしまう。その取材に立ち会って下さった方に後ほどお聞きすると、家賃が払えなくて追い出されて路頭に迷っている親御さんから面倒を見てくれと頼まれたのだという。インタビューは午後1時だったがN氏は既に酒臭かった。N氏は立ち会って下さった方の助力でV市の生活保護を受けることが出来た。当初D市M町にあるNPO法人が運営する施設に入った。とにかく就職活動をするにの家がないと出来ないので、そのM町の施設にはいったが、通帳を作らされ手元に残るのは経費を差し引かれてたった2万円だけだった。
▼ケースワーカーも1人で100人の面倒を見なければならないので、実際はその役割を果たしているとは言えない。M町の施設も画一なことしかしていない。今は法の目も厳しいのでそれほど違法状態がまかり通っているわけではない。しかしかつては6畳くらいの部屋をベニア板で間仕切りしてあるだけで、新聞を広げて読んだりしていると「うるさい」という声が隣の仕切から飛んできた。しかしM町の施設は快適ではなかったが、「必要悪」ではないかと思っている。
▼生活保護を受けていると自分の場合医療費はタダなので助かる。しかし保護も7月1日で切られてしまう。10万円の中で部屋代と朝と夕食は出るが、昼は出ない。しかし残った2万円でどうやって生活してよいのか。というより生かされていると言った方が正しいのかも知れない。生活は朝5時に起きて6時間に朝ご飯、その他の時間はまったくやることがない。自分は病気を抱えているので一日一回インシュリンを打っている。M町の施設にいたときは5時が夕ご飯で、午後9時が門限だった。しかし罰則があるわけではなかった。同居している仲間どうしが連絡しあって時間を過ぎても施設に戻る事はできた。部屋でお酒を飲む事はできなかった。新聞とTVは自分の部屋で見聞きする事が出来た。しかし夜9時には電源が切られてしまった。とにかく郵便物が来ても下駄箱の上に置かれるだけでプライバシーもないのがイヤだった。
▼M町の施設はどうも居づらかったのでこちらV市のF町にある施設に移ってきた。しかし現状に満足し、真っ昼間から酒を飲んで話まくるN氏には違和感を覚えた。NHKTVに登場したN氏とほぼ同年のお二人は、この逆境かた這い上がり、技術を身につけ仕事が見つからなくてもハローワークに足を運ぶ。この二人とN氏は真剣の度合いが違いすぎるのだ。

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