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September 28, 2009

◇「正義のゆくえ」を見る

▼今週は月末で何かと多忙なとろこに来て、水曜日と日曜日に取材が入っているので、目が回りそうである。その上朝からマスメディアの報道姿勢にカッカとなっている。わたしが通院している外科医には「週刊新潮」と「週刊文春」と二つの週刊誌がおいてある。待ち時間で退屈なとき手にとってみるが、その現政権批判は目に余るほど酷い。朝刊を見ると「現代」も「ポスト」も大同小異である。誰か仕掛け人がいるはずである。これはまったくの憶測だがあの小泉の時のI秘書官はマスメディアを自分の人脈でコントロールしていたのだから、この男の可能性だってなくはない。NHKを筆頭にマスメディア上げての新政権批判は最早謀略に等しいと感じる。
▼朝のTBS森本毅郎スタンバイではのっけから、「亀井の中小企業支援」批判だった。トップで取り上げられるべきはJR西日本の尼崎事故の隠蔽工作であると思うが、それはほとんど取り上げない。そして景気が上向いているときに、亀井のような発言をするから銀行株は下落一方で困っていると、まるで国民の方向は向いていない。コンビニもデパートも売り上げは下がり、失業率は増える一方なのに、どこを見てそういうセリフがでてくるの?とわたしは午前7時前にメールをスタジオに送った。家族はNHKの最近の報道姿勢に疑問を持っており。毎日抗議のハガキを書いている。メールよりもハガキの方が効き目があるに違いないというのが、本人の主張である。どうか読者のみなさんも「おかしい」と思ったらすぐ抗議するなり、行動に立ち上がって欲しい。各報道機関や週刊誌の連絡先は「村野瀬玲奈」さんのサイトに出ているので参考にされたい。
▼◇「正義のゆくえ」この映画では夢を実現できるアメリカの国籍を得ようとする6組くらいの人びとが登場する。昔は「アメリカン・ドリームの実現」と言われていたが、それはまやかしでしかないと思う。なぜならドリームを享受出来たのはほんの一握りの大金持ちだけだったからだ。最初メキシコ国境を越えてアメリカに出稼ぎに来ている女性だ。出入国管理の仕事をしているハリソン・フォード。彼はいつも同じパターンの映画に出ていて,家族をギャングに人質に取られ、奪回するために必死になるというクサイ演技ばかりだった。今回もそのパターンかと思っていったが、自分がアメリカの法律を守ってやっている仕事が、果たして「正義なのか」という事で疑問を感じるようになる。
▼メキシコの違法移民は昨年も一度映画になったが、今回のは縫製工場に大量動員されている。手入れが始まると、一人の女性は衣服の陰に隠れているがフォードが引っ張り出す。すると彼女は「息子を託児所に預けているから見逃して」とお金を見せる。彼はそれを拒否して彼女を逮捕引っ立てる。フォードは警備隊の仲間からは「移民に甘い」となじられている。しかしそれを気にしないで移民の女性が指定した託児所を探し出して、少年をメキシコの実家まで送り届ける。
▼もう一つはグリーカードの審査をする男(レイ・リオッタ)は駐車場でオーストラリアから来ていた女に車をぶつけられる。彼女がグリーカードを欲しがっている事を知ると、「カードの審査を甘くするから週に二回俺の言う事を聞け」と彼女の身体を要求する。彼女はイヤイヤそれに応じるのだが、正常に考えればイヤイヤの気持ちは男に伝わって来る。リオッタは数回後に「俺は妻と別れるからもう一度、最初出会った店でコーヒーを飲むところからやり直そう」と提案するが、彼女は「最初の契約と違う、わたしは我慢して相手をするから約束を守って」とそれを拒否する。だが彼はカードの審査を甘くしている事が発覚して、逮捕されてしまう。彼の妻である弁護士(アシュレイ・ジャッド、老けたな!)はそれをあっけに取られてみている。
▼これからが問題なのだ。秋のシルバーウィーク中にNHKハイビジョンである特別番組が再放送されたので録画して見た。ピースフルトモロウ/911戦争反対を訴えた遺族たち」という2時間のドキュメントだ。911で家族を失った人たちが、夫や弟の死は辛いけどだからと言ってアフガンやイラクに戦争をしかけるのは間違いだ。という地道な運動を紹介している。ピースフルトモロウは全米でたった200人くらいの組織で講演とウエブで自分たちの意見を広めている。その運動に関わっていることで、報復攻撃に反対する彼ら彼女たちは圧倒的多くのアメリカ市民から嫌がらせを受けるのだ。そして古里に住んでいることができなくなったり、夫を失って子供と二人で暮らしている主婦は、身の危険を感じて運動から脱落せざるを得なくなる。「戦争に反対する勇気」がどれだけ大変な事なのかこのドキュメントは教えてくれた。
▼さて映画に戻る。家族とアメリカに住んでいるサウジアラビア出身の13歳くらいのイスラムのスカーフを被って投稿している。少女は、学校で教師の求めに応じて911等に対する自分の意見を授業で述べる。「彼らの爆破は目的ではなく発言する場を求めているのだからそれを聞いて欲しい」と率直に語る。ところが教室は「テロリスト」「爆弾を持っていないか」などブーイングの嵐となる。教師は生徒を規制しようとするがみんな言う事を聞かない。そしてその夜少女の家はFBIに包囲され家宅捜索が行われる。つまり少女の発言は反米的で不穏当であるという校長の密告があったのだ。先の女性弁護士の保釈の申し入れに対して地方検事は一切言う事を聞かない。「少女を国外退去にするか、両親だけを帰国させるかのいずれかの道しかない」と判決を出す。恐ろしい自由の国アメリカなのだ。
▼話は沢山ありすぎて書ききれないが、移民の資格を取った韓国系住民の歓迎式典が行われている一方。最初に出てきたメキシコ不法移民の女性の殺害された変死体と家族の写真が見つかり、フォードはそれを届けにふたたびメキシコに向かう。

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