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November 04, 2009

◇「沈まぬ太陽」を見る

▼今朝は寒さが一段と身にしみます。アフガニスタンのカルザイが大統領選挙で「勝利宣言した」というニュースは噴飯ものです。彼が最初に「大統領」になったとき、「格好が良い」と言った人がいましたが、これもお笑いです。格好良くて大統領になれるのだったら、ハリウッドの二枚目俳優を大統領に据えるという選択肢もありますな。カルザイ政権の腐敗汚職はひろがる一方でつい最近の報道では「カルザイの弟にCIAからカネがでていたとでていました。今朝の報道では「過激でないタリバンとの交渉をする」と言っているのです。この記事を書いた記者は現地を見たり、自分の足で取材をしていないのでしょうね。穏健派タリバンなんてありません。アメリカの紐付き政権に反対する農民たちが作った抵抗組織をカルザイらは「タリバン」とひとくくりにして色分けしているだけ。カルザイはアフガニスタンの大統領ではなく、「カプール市長」だと言われていることを今朝のラジオのコメンテーターは言っていました。まさにその通りでカルザイの支配しているのは大統領府を中心に2キロ程度しかないのです。しかもカルザイの護衛は常にアメリカ兵です。自分の国の警察や軍隊すら信頼できない男に政治を任せられると信じているなら、これはアメリカもかなりお人好しです。
▼◇「沈まぬ太陽」山崎豊子の原作を生かした脚本はかなり良くできていた。主人公の恩地は国民航空労働組合の委員長として会社と団体交渉に当たっている。「安全な運行を守るためには安定した一時金が必要だ」という要求を掲げている。年末一時金要求は4・5ヶ月なのに会社は2・5でかなりの差がある。しかし首相が帰国する日にぶつけてストライキを決行すると決めて闘う姿勢を見せると会社側は折れる。しかし報復人事がまっていて恩地はカプールに飛ばされる。そして会社側は第二組合を作らせ、副委員長はその論功行賞でNY支店に「栄転」となる。そして書記長は仕事を与えられない丸の内支店へ飛ばされる。小道具で凝っているのは労働組合事務所の一角に謄写版がおいてあってことだ。
▼カプールへは取りあえず単身赴任で出掛けるが、何もなくテレックスと電話だけ。そこも2年くらいで今度はアフリカのナイロビ支店だ。ふつうは海外勤務を一度やったら国内に戻されるのだが、抗議しても「君の人事は特殊」だと言われるだけ。辛いのは子どもたちが、父親が海外各地に飛ばされるのは、「お父さんが悪い事をしているからだろう」と言われることだ。実母が危篤になったときも死に目には会えない。だが妻だけは分かってくれているのが救いである。見合いの席で相手の父親から「あなたは東大出でしょう。結婚式には国民航空の社長さんを呼んでもらえないか」と言われるので、カッとなって席を立つ。そのとき怒りが納まるのを妻はじっと待ち手を繋いで席にもどるシーンはジーンとなる。
▼ナイロビから帰国すると御巣鷹山事故の責任者をすることになる。(原作では大阪の一被害者担当だ)会社は誠意を見せず、いかに値切って補償金交渉を決着させるか、にしか頭はない。値切る事を調べて行くと外国為替の投資をして大穴を空けてその埋め合わせをしようとしていること。海外のホテル買収でも差額を誤魔化して差益でその穴埋めをしようとしている。これらは中曽根と金丸、三塚らと瀬島龍三などの登場と、伊藤新社長の登場で恩地が社長室長になってから明らかにされる。しかしそこまで手をつけた事に危機感をもった旧守派は運輸官僚らを籠絡して巻き返す。伊藤は余儀なく引っ込むことになるが最後の役員会で緊急動議を提出しホテル部門の責任者を解雇する。そして恩地を事故対策の現場に戻してやるのだが…。常務(元副委員長)は冷酷にそれを覆し再びナイロビ行きを命じる。父親は家族を犠牲にして会社の言いなりになる人間だったのか?いや、自分の信念を貫き通し、仲間を守り裏切らない信念に生きる人間だったのだ。圧力に屈せず人間の尊厳をたからかに謳う働く者を讃える映画になっていた。三浦友和は今までの二枚目と違う、憎まれ役の裏切り男を見事に演じていた。
▼明日はメルマガの締め切り日です。先日「メルマガに投稿するにはどうしたらよいか?」というご質問をいただいた。毎月5日と20日の午後7時頃が締めきりになっているので、その時間までに編集長あてメールをお送りくだされば良い。書きたい事がある方、本を読んだ感想などを書きたい方は遠慮なく投稿していただきたい。

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