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January 28, 2010

寺島実郎「日米同盟の再構築に向けて」雑誌『世界』2月号を読む

◇「ミレニアム/ドラゴンタトゥーの女」(27日の続き)戦前の古い新聞だが姪の顔は何かを見て怯えている様子だ。目線の先に何があるのか?ミカエルはリスベットと新聞社のフィルムを見せてくれと頼み込む。古いネガを見ていると掲載された前後の情景が飽きたかになってくる。しかしそこにはぼけた青い毛糸のベスト姿しか分からない。さらにあちらこちらを探していくうちの姿がハッキリしたフィルムが見つかる。
▼そこに写っていたのは兄だったのだ。彼は父親と一緒に妹に暴力を振るっていた。ここで見つかると再び虐待されるのではないかと怯えていた。調査員とミカエルが調べていくと、大企業の一部の経営者はナチスと一緒になってノルウェイのユダヤ人を抹殺することに手を貸していたおぞましい実態が明らかになっていく。さらに姪は自分を死んだことにして、実は長い間オーストラリアに逃れていたことが分かってくる。戦争中ナチスに協力していた大企業は経営者の兄弟をも狂気の渦に巻き込んでいた。
▼起訴された編集者と、保護観察下にある鼻にピアスをした今風の若い女性、この奇妙な取り合わせは新聞社に蓄積された紙とフィルムのデータを解析して、容疑者を追いつめていく。それにラストは重苦しい気持ちにさせられないのも、ハリウッドのクライムミステリーとはちょっと違った味に仕上がっている。エンディング・ロールが終わって「THE END」が出てから「ミレニアム2」の予告が放映されるので、最後まで席を立たないことだ。
▼さて先日あるブログを読んでいたら雑誌『世界』2月号の寺島実郎氏の「脳力レッスン/日米同盟の再構築に向けて」(P118)はぜひ読むべき論文だというので、夕方図書館に行って必要部分をコピーして読んだ。寺島は否定しているが民主党の影のブレーンとか言われている人物である。平野官房長官が「必ずしも斟酌しなくても良い」と暴言している普天間問題だ。「斟酌」などという言葉は学校では習わなかったなあ。官房長官は弁護士の出身だから、法律用語かと考えたがそうでもない。
▼寺島論文て指摘する問題点は次の通りである。寺島はアメリカ定点ウォッチとして年に4回アメリカに行って色々な人物と会うのだという。彼が言っている事は冷戦が終わってしまったあと日本の基地等は必要なくなっている。海外にあるアメリカ軍基地のうち4つまでが日本に配置されており、これは極めて異常な事である。何を隠そうカネを出して基地を維持してくれる日本という存在は、在日米軍基地に既得権をもつ人びとの利権の対象になっている。
▼寺島の論文によれば「米軍を配備するうえで、最も安上がりの場所」という認識が米軍関係者にまで浸透し、日米双方に「日米安保で飯を食う利害関係者」に増幅させてしまった、と指摘している。あとどういう日米同盟を築くかについて触れているが、それは読者各位が雑誌『世界』2月号を購入してお読み頂きたい。
▼わたしのブログを読んで下さるのは嬉しいが、みなさん本屋さんに行くとか、図書館に行って原典をあたって欲しい。わたしも注意して書いてはいるが、論文の引用では見逃している部分もある。ここ数日朝日新聞の特集で地方の書店が次々閉店して、しかも本売れない状況が続いていると報道されている。わたしは少なくとも図書館まで10分かけて足を運び、本を探してコピーしてアンダーラインを引いて読んでまとめているわけだ。本の売上げを伸ばす意味でも結論は書かないのは、そういう意味がある。

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