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February 28, 2010

NHKHV「兵士たちの戦争/瑞鶴」を見る

▼まず昨日の難問の答から。「躑躅」(つつじ)、「覆盆子」(いちご)、「鴨頭草」(つゆくさ)、「一盞」(いっぱい)、「韃靼海峡」(だったんかいきょう)という事でした。まあ、みんな当て字だと思いますが、これが読めなくても恥ずかしい事ではありません。
▼◇「シリーズ証言記録・兵士たちの戦争/瑞鶴」NHKHV27日朝8時放映。太平洋戦争の火蓋を切った真珠湾攻撃(昭和16年12月8日)に参加した空母「瑞鶴」という当時最新鋭の航空母艦があった。この瑞鶴(2万5千トン、巾85m、長さ285m)はその後も珊瑚海海戦、第二次ソロモン海戦、南太平洋海戦などで活躍したが一発も被弾しなかったことから「幸運艦」ともてはやされた。わたしはこの航空母艦「瑞鶴」の事はまったく知らなかった。5、6年ほど前の事になるがF県にある某読者のお宅にお邪魔したことがある。そのときそのご家族の話を伺っていたところ、そのお宅の長男(読者に取って祖父)がこの瑞鶴に乗っていて命を落としたという話が出て来たので、とでも驚いた。
▼映像では海軍の参謀たちが記者会見でラバウル沖海戦で「アメリカ戦艦○隻を轟沈、爆沈した」と白々しい嘘の発表をしている様子が出てくる。ときどき自信なさげに記者の方向を見ている姿が情けなく感じる。というのはこの発表とは逆で日本海軍はこのラバウルで壊滅的な打撃を受けていたのだ。しかも海軍の発表とは異なり、アメリカの艦船の被害は1隻もなかった。
▼追い込められた日本海軍は1944年10月、北に敵を集中させるために、小沢治三郎中将が指揮する囮部隊の旗艦として瑞鶴を使う事を計画する。フィリピン北東のレイテへ進出した瑞鶴は25日、米第38任務部隊からの空襲により沈没した。この優秀な航空母艦をそのような作戦に使うのはどうも理解できないと乗員たちは口々に語る。沈められた直接の原因は米軍による魚雷攻撃であり、とくに戦闘が始まって10分、初期に受けた1発の魚雷で4つの機械室のうち2つが浸水してしまった。そのため瑞鶴は速力が低下してしまう。これにが瑞鶴の致命傷につながり、その後5、6本の魚雷を受けて沈没する。
▼そのときの様子を兵士たちは爆弾を受けて内臓が飛び出していた。しかし手当をする方法は何もなく布を巻いてやることしかできなかった。そのとき彼らは一様に「お母さん、お母さん」と口々に叫んでいたことが忘れられない。映像には船が沈没する寸前で傾斜している写真が出てくる。そこで総員退艦の命令が下され、みんな諸手を挙げて「万歳」をしている姿が映し出されている。死ななくてもよい「囮作戦」に動員され、殺された歴史がこの瑞鶴には残されている。さらにNHKのこの番組では出ていないが、かろうじて生き残った乗員に対しては、「瑞鶴沈没」を秘密にしておく必要があったので古里に帰ることは許されず、国内のある島に監禁され、「回天」などの特攻兵器に乗せられる運命が残されていた。
▼この記録で着艦の模様が映し出される。先日読んだ「永遠のゼロ」で零戦は前が高くて後ろが低く甲板が見えないので着艦には、特別な技術が必要とされる、という意味がようやく分かった。それに瑞鶴に搭載された戦闘機の乗員はにわか養成の兵士ばかりで、出撃しても着艦する訓練は受けていなかった。

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February 27, 2010

読めない漢字の連続

▼久しぶりに土日が休める。 張り切って渋谷のミニシアターに出掛けようと思ったらこの雨で、出掛ける決意が少々鈍っている。それでも昨日は夜遅くまでかかって仕事に一区切りがついた。25日夜日本テレビ系「スーパーサプライズ/ミリオン・ダイス」という番組があり、この日はタレントの小森純が「24時間以内に字検定1級レベルの難読漢字を100個読めるようになれ!」という課題に挑戦していた。憶えるのに苦労して途中で挫折してしまう。スタッフが「憶える天才がいるからその人に教われば良い」とアドバイスする。その人とはプロデューサーをしていた女性で、出身校が一橋大学だというのだ。
▼その記憶方法とは「リズムをつけて憶える方法」だった。なぜこんな事を書いたかというと、昨晩の仕事と若干関係があるからだ。それは目の不自由な人のために、紙に印刷されたデータをテキスト化する。昨日その難解な文字とは「躑躅」、「覆盆子」、「鴨頭草」、「一盞」、「韃靼海峡」だった。わたしは一生懸命勉強しているつもりだが、ほとんどお手上げだ。パソコンには電子広辞苑が入っているが、正しいと思われる読みを入れても変換しない。仕方なく、手書き文字入力機能を使って時間をかけて読めない文字を埋めて完成させた。常用漢字にない文字を使って誰に何を訴えようとしているのか、この出版物の発行意図をわたしには理解ができない。単に自分はこんな難しい漢字を知っている、ということを他者にアピールしているとしか思えない。

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February 26, 2010

実質3千円で最新の携帯に買い替える

▼冬季オリンピックはいったいいつまでやるのだろう。わたしは毎朝5時代にNHKBS1で放映される世界のニュースを録画して見るのを楽しみにしていたが、これは中継で全滅。もっと酷いのはNHKラジオ第一の午前7時前後で、天気予報からニュースはこれまた全滅だ。もうこれはNHKの横暴で狂っているとしか思えない。聞いていて心地よい解説はスケートでも、真央、真央と日本の選手だけを持ち上げるのではなく、キム・ヨナ選手に対しても公平な態度で評論している解説者だ。
▼仕事ではストレスがかなり高まっている。この件に関して親しい人にはご相談のメールをお送りするつもりだ。
▼実は土曜日に携帯を替えた。今まで使ってきたのは2年前に、05年の製品を割引きで買った。しかしヒンジの部分がガタついてきたし、1月にはリスボンで暴風雨に曝されててもうダメかと思った。近くのドコモショップのメールで20日朝10時から最新の携帯を17500円で発売すると連絡があった。実はわたしの持っている一万ポイント余が4月で失効してしまうから使い切ってしまわないと無駄になる。それを使えば7500円の負担だけで新機種に替えることができる。
▼結果としてカードに加入させられたり、アイコンシェルジュに入らされた(後者は一ヶ月で契約を解除できる)。最初の予定した金額で買い替える事ができ、おまけはサンヨーの携帯用補助充電アダプターだった。しかし手にとってしばらく使って見ると、何をするにもカネがかかる仕組みになっていた。今まで使っていた無料の着メロが、有料になっていた。GPSの位置情報が今までは単体で無料で使う事ができた。しかし今度は様々なサービスと合体され、実質的に有料になっていた。
▼メールの到着を知らせる着メロは、インストールされている同じメロディををずっと使ってきたがそれがなくなり、馴染まない。電話の着メロはどうしようもない。かといって一曲のために毎月2、300円も支払うのはバカらしいので「おもちゃの兵隊の行進曲」になれるしなかい。今までの携帯はデータを全部新しい携帯にひき移し、いつものメーカーにメールで査定してもらったらほぼ予定金額だったので売却した。昨日○円で引き取りますという電話があった。結局自己負担は3000円で済んだ。今回の目玉?それは防水携帯であること以外、あまり変わったことはない。
▼昨晩は『或夜の出来事」を見たが気分が優れないので書かない。


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February 25, 2010

◇「リバーランド・スルーイット」をWOWOWで見る

▼自宅にいる時はおよそ午後11時頃に携帯の電源は切ってしまう。朝に電源を入れるのは大体7時頃になる。今朝もスイッチを入れたら「ホームページを開設しました」という見知らぬ女性からのメールのヘッドラインが入っていた。ウェブメールから入ってチェックすると果たして「ピンクサイト」からのお誘いメールだった。即座に「迷惑メール」に登録してしまう。大体いまどき「ホームページ」なんて古くさい。そのコンクールをしている所もかなり時代遅れである、と思う。
▼昨日夕方までに郵便局から発送しようと思っていた仕事があった。しかし昼休みに入る直前、別の急ぎの仕事が入って時間は大幅にずれてしまう。再び急ぎの仕事に取り組む。そんな時に限ってメールがたくさん寄せられる。返事もできずストレスは募る一方だった。結局仕事が全部終わったのは午後6時頃だった。
◇「リバーランド・スルーイット」ロバート・レッドフォードが最初に映画監督として作った作品だ。彼はゲバラの青春時代を扱った「モーターサイクルダイアリーズ」など中々良い作品を発表している。モンタナ州の戒律厳しい牧師の子どもとして生まれた兄弟。彼らは子どもの頃から父親に連れられてフライ・フィッシングの腕を磨いていく。ご存知の方も多いと思うがフライとは生のエサを使わず、毛針で虫の姿をした疑似餌で使う釣りである。そしてラインと呼ばれる釣り糸は4拍子でより遠くのポイントへと投げる。子どもの頃彼らはメトロノームを使ってその4拍子でラインを繰り出すタイミングを習っている。そして兄は沈着冷静なのに大して、弟は喧嘩早くて次々諍いを起こす。青年になった弟を演じるのが、まだ初々しいブラッド・ピットだ。この笑顔はたまらなく素晴らしい。
▼そして青年になって高校時代友人6人くらいで急流を渡ろうと計画する。しかし流がすさまじいのでみんな及び腰になってボートに乗るのは止めてしまう。結局兄弟二人が渦巻く急流に乗り出すのだが、船は転覆して大騒ぎになってしまう。当然父親からはきつく叱られる。それから数年後兄はシカゴに出て大学で勉学を積み学位を取得する。弟は地元に残って新聞記者の道を歩み始める。そして夏期休暇のおり、兄は古里に帰省して級友たちと昔を懐かしむ。酒場にいくとふと美しい娘に出会う。あの幼い子どもがこんなに美しくなったのかとびっくりして、思わずダンスを申しこむ。
▼そこに弟もガールフレンドのインディアンの娘を連れてやってくる。ある酒場に行くと「インディアンはダメだ」と断られるが、強引に「4人だから良いだろう」と入って素晴らしく動きの早いダンスを踊って店のみんなを驚かす。兄はガールフレンドに恋して夢中になり、彼女の兄に取り入ろうとするが、どうも気に入らない鼻持ちならぬ態度である。その事をうすうす感じているガールフレンドは、かなり決断力が早い人だ。ある時道路工事で道がふさがっているので、鉄橋を来るまで渡ってしまう。わたしは93年に映画で見たとき、この場面だけ覚えている。
▼実は弟は兄に対する競争意識だけは強かった。兄がシカゴに戻るという前日、父親と3人で鱒釣りをしようと誘う。またも大物狙いをして激流に飲み込まれそうになるが、かろうじて今まで見たこともない大物を釣り上げてご機嫌である。3人でこんなに楽しい思いをしたのは何年ぶりだろうか。しかし翌朝兄は警察からの連絡で驚くべき報告を知ることになる。93年の映画でWOWOWで21日放映。
▼昨日は「インドシナ」がお好きだという方からメールをいただき、とても嬉しかったです。

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February 24, 2010

WOWOWで92年の映画「インドシナ」を見る

▼日本テレビ日曜日深夜に放映された「カツドウカ、政府へ?反貧困・湯浅誠の1年」を見た。年末の公設派遣村があまり認知されていないので、気がつくと4人くらいしか申込みがない。湯浅は公設派遣村を知らせるために、YouTubeに鳩山総首相のメッセージを流すことを提案する。なんと鳩山のしゃべる原稿は湯浅が全文書いたものを読んだだけだった。湯浅の移動も黒塗りの車が来る。「こんな事1年もやっていたら腐敗してしまいますよね」と語る。そして12月31日派遣村にお湯をあたためるポットがないことが分かり、家電量販店に駆け込み「ポットを17個下さい」と買って、派遣村に設置する。所詮官僚が考えるのは「施設だけ作ったからこれで良いだろう」という発想でしかない。湯浅がいくら主張してもすべて「新たに予算を取らず、行動もしない」というスタンスだ。ポットを設置すると、「いままで喉が渇いても冷たい公園の水道水を飲むしかなかった」と答える入所者たち。官僚は暖房の効いた部屋でスーツを着て仕事をしているから、そういう細かい配慮ができないのだろう。
▼おそらく湯浅はこれでどれだけの人を救うことができたのだろうと、自問自答したに違いない。派遣村が1月中旬に中止になると、マスメディアは「交通費2万円をもらって消えてしまった人が多い」という事を書き、さらに「東京都は返還を求める」と言う。しかし都知事のオリンピック誘致の無駄遣いについては、その後ノータッチだ。公設派遣村もワンストップサービスを考えたのも湯浅だった。しかし湯浅は予定通り政府の顧問を辞任した。
◇「インドシナ」92年に劇場公開された映画だが、先日WOWOWで放映されて再び見た。というのは、1月ポルトガルで会った某女とこの映画の話で盛り上がったからだ。当時銀座の映画館で見ているが、再度見直して見ると記憶が途切れてしまっている。いやほとんど覚えていない。しかし映画の半券は持っているので見た事は間違いない。1930年代の仏領インドシナ(現在のベトナム)で大きなゴム園を営むフランス人女性エリアーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)。彼女は死んだ友人の娘で安南の皇女である幼いカミーユを預かって育てている。インドシナに進駐している仏軍の若く年下の将校をエリアーヌは恋してしまう。しかし同時に娘も高校生のときテロ現場で将校に命を救って貰ったことから、彼を恋してしまう。
▼エリアーヌは娘はゴム園を継がなければならないと、その恋を許さず名家の男と強引に結婚させる。しかし結婚してしばらくして生まれたばかりの息子を抱いて、夫を説得して娘はその場を脱出して安南へと向かう。途中フランス軍の追求を躱すために、地回りの劇団員に身をやつす。しかしこの劇団こそフランスからインドシナを独立させようとする。政治目的のプロパガンダの劇団だった。フランスはそれに気づき劇団を襲撃するがかろうじて娘は脱出する。しかしその途中で取り調べの仏軍将校の銃を奪って、相手を殺害するので、ハムロン湾にある政治犯の劣悪な条件の収容所に入れられる。
▼やがてインドシナはフランスから独立し、エリアーヌは娘を出迎えるために収容所に行く。やがて出て来た娘は「昔のわたしではない」と出迎えを拒否してベトミン軍に入ってしまう。それから10年くらいしたフランスでは、ベトミンとフランス軍の停戦協定交渉が行われている。エリアーヌは娘の一人息子とセーヌ川のほとりでたたずんでいる。そして息子に「今ならお母さんに会えるわよ」と言う。母はベトミン軍の代表の一人としてフランスに来ていたのだ。しかし息子は首を振り、「いやお母さんはあなた一人だから、会うつもりはないよ」と答えるのだった。2時間半の長編映画だが最後のシーンはジーンとなる。

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February 23, 2010

◇「海の沈黙」を岩波ホールで見る

▼いつもの月に比べて3日ほど短い2月は月末に仕事が集中してしまって動きが取れない。しかも医者でもらう薬は処方が必要な上に28日分しかくれないので、またその通院の時間のやりくりに苦労する。クリニックでは順番待ちから診察が終わる2時間ほど携帯の電源はオフにしている。しかし午前中の静寂とは異なり、この間6本くらいの電話とメールが入っていたので、薬を受け取ってからその事後処理に追われる。さらに大事な用件には数と納品日時の確認メールを送った。
▼◇「海の沈黙」1941年パリは陥落してナチス・ドイツ占領下のフランス。村は雪が積もっている。空き地にはドイツの軍馬が2頭繋がれる。そしてある日、一台のメルセデスがやってきて、一軒の家の庭に大きなバッグを置いて立ち去る。その家では、年配の伯父と、その姪が二人きりで静かに暮らしている。数日後の夜、背の高いドイツ軍の青年将校が玄関をノックして横柄な態度で現れる。そして部下が近くの城を借りようとしていたが手違いがあって泊まれなくなった。ついては2階の部屋を借りたいとやってくる。映画にはその言葉はなく、勝手に来て二階に住むという雰囲気である。その将校の名前はヴェルナー・フォン・イーブルナックだと言う。
▼姪と伯父は終始、敵国ナチスの将校に対して一切口をきかないという、沈黙で抵抗する態度を示している。将校はそれに対して慇懃無礼に「私は祖国を愛する人を尊敬している」と、一応節度を持って礼儀正しく接する。2階に上がる将校の姿を観察していると、彼は右足を負傷していることが分かる。伯父と姪は毎日夜9時ぐらいになると、1階の暖炉の前で伯父はパイプをくゆらせコーヒーを飲む。そして姪は刺繍か編み物をするのが日課となっている。将校はその団らんの時間になると、将校は毎晩勝手に居間に現れ、身の上話をしてゆく。ある時は「雨に当たって身体が冷えているから暖炉の近くに行ってよいか」と聞いて、二人に近寄ってくる。最初将校は軍服姿で部屋に立ち寄っていた。しかし二人が無言で無視していることから、軍服姿では二人に威圧感を与えると思う。しばらくして将校はしゃれた私服に着替えてから二人の前に現われる。
▼将校は実は自分は作曲家で、父の影響もありで子どもの頃からフランスに憧れていたと語る。それどころか1階の部屋の片隅にあってオルガンを演奏し始めるので伯父は驚愕する。聞こえて来たのはバッハの「フーガの技法」で、姪が楽譜を開いたままにしていたのだ。将校は「文学はドイツだが、芸術はフランス」だと讃える。そして「この戦争は、独仏両国にとって幸福な関係をもたらす」とかねてからの自分の主張を開陳する。しかし将校の独演会に対し、伯父と姪は彼が何と云おうとあくまでも沈黙したままだ。
▼将校は自分は親の勧める結婚話があった。しかしハイキングに行ったとき、彼女は自分の身体に止まった虫が気に入らないと手足をむしって「罰」を与える姿に驚く。そして結婚話を断って従軍したのだと語る。さらに次第に、編み物をする姪に恋愛感情に似た絡まるような視線を投げかけるようになる。姪も将校が音楽が好きな事が分かったので、何となく好意を抱くようになる。それは雪道で犬を散歩させていたとき、前から歩いて来る将校とすれ違うときに、微妙な呼吸が聞こえるかの様だが決して態度には出さない。
▼将校は休暇をとってパリで凱旋門やノートルダム寺院を見学して、フランスの文化の深さを感じ、ドイツの占領や融和政策ではどうにもならないと打ちのめされる。そして最早ここにいても仕方ないと前線への転属願いを出し受理される。将校は「明日には戦地へと赴くことになりました」と二人に挨拶する。そして「ナチスは太陽になりえません」と呟く。将校の別れの挨拶に対して、それまで一切言葉を交わさずに沈黙で応えていた姪は、初めて一言だけ「アデュー(さようなら)」と言う言葉を返す。
▼翌朝、将校は家を後にする前に伯父がデスクに広げてあった、アナトール・フランスの本の一節「犯罪的な命令に従わぬ勇気は素晴らしい」という言葉を目にしてハッとする。実はその言葉は伯父が、戦地へと立つ将校を思い止まらせようとして用意したものだった。しかし将校は自分が決めた戦地へと部下が迎えに来たメルセデスに乗って出発してゆく。
ナチスが負けた直後フランスで作られたジャン=ピエール・メルヴィル監督のモノクロ映画。岩波ホールで。

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February 22, 2010

◇韓国のドキュメンタリー映画「外泊Weabak」を見る(2)

▼20日の映画会は1週間前の講演会と年齢層も顔ぶれもまったく異なる。11日は一度書いたようにわたしより年上の人ばかりで、身なりはあまり構わないで白髪頭を振りかざしている感じがした。さらに自分たちは同じ空間にいるのだ、という事で満足してしまって、その影響力は外へ広がらない。
▼一方20日は20代から30代がほとんどで11日とはまったく逆現象が起きている。発言内容も多様で、専門家から表現方法から労働問題、映像技術まであった。さらに会場からの一般参加者の声が、自分の意見を自分の言葉でしゃべっているのが良かった。ひとりわたしとかなり近い年代の人がいて、運動から脱落すると70年代は「裏切り者」という烙印を押されたが、韓国ではそういう事がないのか、という発言をした。キム監督はそれに対して「残念な事ではあるがそれは様々な事情があるから仕方ないと思う。しかし烙印を押されることはない」という。さらにその男性は「闘争が終わってその女性たちがどうなっているか続編を作る予定はないか」という、無神経な発言をしていた。映画作るのに一体いくらかかるのか、この男性は映画会に来てタダの映画を見て考えていないのだろう。ざっと見たところあのドキュメンタリーでも3000万円くらいは最低かかっていると思う。先日書いたように日本の劇映画ですら元は取れていない。このドキュメンタリーでも昨年末から上映運動が始まったばかりで、敢えて映画館で公開はしない。だから元をとりもどすためには何年かかるか分からない。キム監督は「もしあなたが次作の実行委員になってくれれば考える」と優しくかわした。
▼上映が終わってから3人の専門家が自分の立場で発言が終わり、会場の参加者の発言になる。後半キム監督はいきなり最前列に座っていたわたしに「家族とは何か」と発言を指名してきた。うっかり最前列に座ったのは間違いだった。わたしは手短に自分の意見を述べ、さらに日本の労働者は正規と非正規の間にかなり分厚い壁がある。しかもそのことを労働組合や正規の人がきちんと認識していないことが問題ではないかと思うと感想を話した。
▼キム監督はこの映画の視点として座り込み(外泊)を通して女性の性差による仕事とか家庭とは何かを考え直す出発点になった。アマチュアの運動ではあったが、それが一番大きかった。また仕事場を占拠して対決するときは仕事をしなくても良いのだという事も分かって来た。彼女たちは家庭でも職場の仕事は今まで必ずしも楽しくはなかった。制服を着てレジを打つだけだったが、座り込みを通じて短パンにTシャツを着ることによって、今までの制服とは違う解放感を味わうことができた。そして石の様な職場だったが座り込む場所は楽しく、まるでナイトクラブのように楽しかった。そして今まで自分たちは管理職に「レジを打つのが遅い」と虐められて来たが、ストをすると管理職がレジを打たなければならなくなった。おぼつかない手で彼らがレジを打っているのを、彼女たちは眺めては「どうした遅いぞ」などとはやし立てたが、これが一番楽しかった。
▼とりもなおさず、これは主婦の抵抗という事が一番の主題になった。つまりそれまでは仕事が終わって疲れ果てても、帰宅してから食事を作らなければならなかった。ところが外泊でそれから開放され、仕事と家事を両立を解決できるかを考えるきっかけにもなった。映画の中である主婦がいみじくも「外で座り込んでいたので、顔にシミはできたが後悔していない」と語ったのが印象的であったと思うが、これが彼女たちが進歩した大きな点であろう。そして映画では「みんなでご飯を作って一緒に食べる」というのは重要なキーワードになっている。映画には座り込みの場から夫に家に連れ戻される人が出てくる。座り込みをした人たちにとって家族や夫の支援とは、「何も文句を言わない」あるいは「何も妻のやることに干渉もしない」というのが、最も良い支援となった。
▼昨日は岩波ホールで「海の沈黙」を見たが感想は明日にでも書く予定。

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February 21, 2010

◇韓国のドキュメンタリー映画「外泊Weabak」を見る(1)

Mskim
質問に答えるキム・ミレ監督
▼昨日ちょっとした用事があって映画の前に十分時間を取っていったので間に合うと思っていた。所が待ち時間50分というのが1時間10分にやっと自分の番が来た。さらに作業が始まって係は慣れていないのかパソコンに打ち込む作業が遅く、先輩に手伝ってもらったりしていて、終わったのは12時半になってしまった。しかもそれでも作業はまだ残っている。「それ以上もういいから」と電車に飛び乗った。50分で済むかと思っていたら何と2時間半もかかってしまった。
◇「外泊Weabak」韓国にあるホームエバーというスーパーマーケットのレジカウンターを500人の女性労働者が占拠した510日の闘いの記録である。イーランドグループは、レジ係の外注化や新賃金体系で、差別を固定化しようとしていた。非正規、正規の女性労働者たちはその差別的扱いに怒って立ち上がる。非正規雇用者である彼女たちは泊まり込み(外泊)をする以外ないと決意して、会社に籠城する。歌ったり踊ったり食事をしたり。時には夫も訪ねて来て連れて帰ろう場面も出てくる。
▼しかし彼女たちはお揃いのTシャツを着て切りくず理には負けまいとして籠城を続ける。画面を見ていると、子どもの事も気になって携帯電話をしたりする。また離婚されそうになる人もいる。そして遂に機動隊の導入で婦人機動隊員によるごぼう抜きが始まる。スーパーマーケットで彼女たちは何百人もの婦人がスクラムをがっちり組んでの寝転がり、剥ぎ取られまいとする。機動隊員に「あんたにおかあさんはいないの?こんなことして恥ずかしくないの」というが無表情の隊員は一人一人抜き出して警察に連行するため後方に送る。映画が終わって感想を述べた若い女性は排除しようとする機動隊自分の姿を重ね合わせたと語った。この引き抜かれまいと抵抗する女性たちが抵抗する姿はすさましい迫力だ。
▼籠城が社会問題していくと、労組なども無視する訳にはいかず韓国民主労組という組織が食べていけない彼女たちのために資金を提供しようと申し出る。占拠に参加しているある女性は1日朝から晩まで働いて80万ウォンにしかならないと言っていた。別の場所で彼女たちが資金稼ぎのためミネラルウォーターを1000ウォンで売っていたので80ウォンとはおそらく8万円くらいだろう。しかも収入の道を賭さされた彼女たちは、物販をしたり借り入れをして闘いを継続しようとするが、人間は食べていかねばならない。
▼上記韓国民主労組は40億ウォンだかの支援決議をするが、決議だけで一向に実行される様子はない。交渉の末半額だけは支給されるが、あとは梨の礫だ。彼女たちは食料を持ち寄り調理し、互いの思いやおかれている状況を語り合う。そして歌ったり、踊ったり、泣いたりする中で、労働闘争はいつしか彼女たちは今まで仕事を終わった後家事をするという家族的役割からの解放の場を生み出している事に気づく。
▼後半になって総選挙になり、独自候補を立候補させるが、これは失敗する。そして統一労組の支援も得られなくなったとき会社側は妥協案を出し、指導者6人は解雇、他の人たちは非正規のまま雇用を継続するという妥協案を出してくる。苦渋の選択ではあるが、その条件は涙ながらに飲まねばならない。(続く)

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February 20, 2010

午後から某大学で開催される映画会に

鍵盤乱麻一面でご紹介した映画会は午後一時から開催される。お近くの方でご都合がつく方はぜひお運び頂きたい。わたしも部屋の片隅にいる筈だ。昨日はかなり仕事が立て込んだ上に夜は編集会議があった。しかも午前中書いて送った原稿はダメ押しがでた。わたしは取材現場で見聞きした事しか書けない。編集長の希望すり様に書くなら、必要なデータが欲しいと話した。
Duke(mobile)

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February 19, 2010

習S野演習場を行く(2)

Pac3system
PAC3システム左の筒が「3」で16発入っている。右は旧型で1発。もちろん現時点では模擬弾頭である。
▼昨日の補足。火薬というのはそれ自体では爆発も発火もすることはない。簡単に言えば信管という起爆装置を叩くことによって発火爆発するのだ。戦争映画などを見ているとたとえば「パリは燃えているか?」とか「ワルキューレ」で橋を爆破するときにダイナマイトなどの爆薬を構築物に巻き付けてリード線を使って安全なところに起爆装置を持って来てそれを人間が手動で起動させている。
▼いまは戦争をしている最中ではないので、工兵隊による敵地の建築物あるいは建造物の破壊は必要性はまったくない。となるとこの習志野に持ってくる火薬は花火とは違い、自衛隊側の説明に出て来た「冨士」というキーワードからすると砲弾用の火薬と考えられる。しかし砲弾と言っても常に砲弾として保管してあるわけではない。例えば榴弾砲の場合、目標を爆発させる炸薬と砲弾を推進させる装薬に分けられる。戦闘が始まり、どこをどういう方法で攻撃するかが決まってから、砲弾は組み立てられる。主として何キロ先の目標を攻撃するかで装薬の量が決まってくる。装薬の種類は色々あり、かなり専門的になるので、ここでは省略する。
▼高射群にはナイキハーキュリーズとパック○があった。航空自衛隊側はPAC○は撮影して構わないが、ナイキは撮影しないで欲しいという要望が出された。これは説明はなかったが日米防衛協定によるものであろう。要するにPAC○は見れば分かるがガンダムのようなユニット方式の発射装置である。それに対してナイキJ(ハーキュリーズと同一性能の日本改良型)は発射装置がむき出しになっている兵器なので撮影した写真からその性能が分かってしまうという事なのだろう。しかしわたしに言わせればナイキJは地対空ミサイルで旧ソ連の爆撃機を撃ち落とす為に作られたもので、最早その必要性はまったくない。
▼自衛隊側の説明によると習志野にはランチャーが5台あり、そのうち「3」を搭載できるのは2基だという。「3」は航空自衛隊の呼称でパトリオットではなく「ペトリオット」と呼ばれるとA2佐は説明した。以下2佐の説明は続く。旧型は湾岸戦争当時まで使われただが弾頭は1個しかなかった。だからイラクのスクワッドミサイルは一台で一基しか撃ち落とせなかった。いまはPAC○はそれまでのミサイルに比べて細身で、今までは1発が入っていたミサイル・キャニスタに4発が格納できるようになった。つまりキャニスターはPAC○には4つあるので16発という事になる。
Pac3kakudai
PAC3キャニスター部分を拡大
▼そして弾頭の中にはキャラメル状の爆発物が(以上は2佐の説明、以下専門的になるが弾頭は近接信管だけではなくヒット・トゥ・キル、つまりPAC○ミサイルの飛翔体全体を目標弾道ミサイルに直接衝突させ、その運動エネルギーによって目標を粉砕破壊する方式)入っている。ミサイルは前のものに比べて小型になって飛距離は縮まったが、これで爆発する範囲は広がる。そしてアメリカには2回試験発射訓練に行って成功している。ところがこれはあらかじめ知らされた弾道を通ったので当たっただけの話。当時のTVで拍手喝采する米軍関係者の画像が公開されたが、これも彼らの生き残りのための演出である。
▼2佐の説明によれば例のテポドン騒ぎの時も市ヶ谷に派遣したのは習志野のPAC○であったという。そして発射の運用はすべてリモコン操作になっており、このミサイルの中に人はおらず、指令は無線で行われる。ちなみに市ヶ谷に配置されたときは光ファイバーも使った。
▼今書店にいくと「こんなにスゴイ最強の自衛隊」という本が竹書房という出版社から出されている。その中にミサイル防衛(MD)システムでの迎撃は二段構えとなっている。海上自衛隊のイージス艦搭載の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が敵ミサイルを大気圏外で撃ち落とし、もし失敗すれば航空自衛隊のPAC○が着弾直前に迎撃する。だからこの二つがあれば「百発百中である」と結論している。しかしPAC○の命中率はある統計によれば1%程度と言われている。しかも敵ミサイルが飛んでくる位置が分かっていればの話だ。敵は相手を欺こうと色々画策する。PAC○のミサイルは16発だけだ。もし敵が17発持っていれば、撃ち終えてしまったPAC○は空のランチャーで黙って見ているしかないということになる。
▼説明が終わって再びマイクロバスで正門に戻る。その途中演習地の道路脇はモグラに掘り起こされた場所が多数あった。陸自のH2佐は「このモグラには困っています。何か良い方法があったら教えていただけませんか」と言う。陸上自衛隊の当面の敵はモグラであるようだ。もしモグラの効果的な撃退法があったら、習志野の自衛隊までご連絡いただきたい。説明を受けているとき、30半ばのスーツ姿の青年が2名ずっと付き添っていた。おそらく防衛省の内局の人なのだろう。自衛隊もまた本社の意向を受けて行動するという点では会社組織とまったく同じなのだなと思った。「○」は「3」と読み替えていただきたい。

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February 18, 2010

習S野演習場を行く(1)

Rakkasan
おりからC1による降下訓練が行われていた。
▼習S野駐屯地というとすぐ第■空挺団を思い浮かべるかたが多いと思う。しかしこの駐屯地には陸上自衛隊と航空自衛隊高射群が駐屯している。2月××日この基地の調査団の一員として内部に立ち入ることができたので、報告したい。入り口に到着すると訓練のため次々の軽装甲車(通称ライトアーマー)愛称ラビ・LAV(Light Armoured Vehicle)とアメリカのハンビーを模した高機動車が演習場へ次々と出ていく。出迎えてくれたのは「広報」の腕章をした隊員である。この日はかなり寒かったが隊員たちは半袖Tシャツと迷彩の戦闘服のみである。「寒くないですか?」と聞くと、一様に「北海道出身ですから」とか「メタボ体系ですから」と答える。
▼まずブリーフィングルームに通される。市販のペットボトルが入ったお茶には紙コップが被せてあった。さっそく陸のH2佐、空はA2佐が順番にパワーポイントを使った概要説明があった。パワーポイントには「今日の日付」もちゃんと入ってきめ細かい所をみせていた。習S野演習地の成り立ちは知られているように明治天皇が明治6年4月に当地を訪れ訓練を観閲したあと、指揮官の篠原國幹少将を皇居に呼び、演習した土地を「習志野原」(「篠原に習え」という意味で名付けられたと古い絵入りで紹介される。さらにこの地は秋山好古が騎馬旅団を創設した地でもあるので、最近地元大K保商店街に「秋山好古の顕表碑を立て、森田知事もお見えになりました」と写真いりで紹介される。さらにその右脇にはNHKで放映されている「坂の上の雲」のパネルで主演の3人が写っている。なるほどNHKのドラマはこのように利用されている訳だ。さらに「硫黄島で活躍した栗林中将もこの習志野で優秀な成績を修めていた」と付け加えられる。
▼このブリーフィングは陸・空で約8分くらいずつあったが、ポイントは「中央即応集団隷下」になったという事だろう。その後自衛隊が用意してくれたマイクロバスに乗せられて視察を行う。今回の視察の主目的は演習地の中心部に「火薬庫」が新しく設置される事である。駐屯地から演習場内の予定地に着くと、足下が悪いので自衛隊側が用意した長靴に履き替える。わたしは足下が悪いことは予測して、トレッキングシューズをあらかじめ履いて行った。正確な地点を携帯のGPSでチェックしてくれば良かったが、忘れてしまった。住宅地までは500mあり、反対側の工場までは370mあり、船橋市と火薬取締法に定められた距離である180mは十分クリアしていると説明があった。しかし現地の撮影は住宅地側は構わないが、工場側は撮影しないという「撮影規制に協力していただきたい」という事だった。具体的な説明はなかったが火薬庫の設置が工場側からの危惧が心配されるからなのだろう。
▼ブリーフィングではこの火薬庫に21トンの火薬が貯蔵されるとあった。「この演習地で使う筈はないですよね」と念を押すと「もちろんです」という返事がある。行って見れば分かるが習S野演習場は行って見れば市街地にあるので小銃の発射以上の演習はできない。「では冨士演習場か?」と問いただすと「肯定も否定も出来ない」ということなので、上記の通り新しく編成された中央即応集団で使う事が予測される。説明では21トンの火薬は2箇所に分けて信管を別にして保管される。避雷針を万全にして落雷による発火を防ぐし、隊員を24時間態勢で警戒させるとある。しかしパワポで図示された物には「信管」の保管場所は書かれていなかった。これは予測だが爆弾ならば信管は必要でなく、起爆装置だけで済むと思う。しかしわざわざ「信管」というからには「火薬」ではなく「冨士」という言葉で連想されるのは「砲弾」を考えるのは順当ではないかと思う。
▼そしてその後いよいよ第一高射群へと車は進む。記事中■は「1」、Sは「志」、Kは「久」と読み替えて下さい。これは新聞記事にする元原稿で、新聞が刷り上がる前にGoogleに登録されたくないのです。Googleアメリカのロボットが週に2回くらい丹念に巡回して言葉を登録して行くのです。

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February 17, 2010

身だしなみが良ければ成績は上がるのかな?

▼例の冬季オリンピックに出場したK選手の服装問題が、あちこちで話題になっている。K選手もそういう格好でしか自分を表現できないというのは情けない。しかし普段の身だしなみについては学校ではないので、組織委員会がれこで言う問題でもないと思う。
▼家族が中高と都下にある某私立学校まで片道2時間もかけて通っていた。その学校にはいわゆる「制服」というものがなかった。たまたまわたしがその学校のPTAのような集会に出席したとき、母親らしき女性が「うちの子は毎朝何を着ていくか、着ていく服を決めるまでに時間がかかって困る。すくなくとも標準服のような物を決めてもらえないか」という質問があった。学校側は「何を着ていくか迷うことも、教育の一環と考えていただきたい。従って標準服を作る考えは一切ありません」という答えだった。
▼オリンピックは結果がすべてなのだから、入賞してしまえばあれこれ言われない筈である。それよりも昨日の応援風景をちらっ見たら、日の丸の旗が多数揺れているので、「出征兵士の見送りかな」と錯覚してしまった。本当に横並びとか、一丸となるのが好きな人たちだ。「国威発揚の場」と「協賛メーカーの宣伝の場」と化したオリンピックは一切見る気持ちがしない。「参加することに意義がある」と言ったクーベルタン伯爵はこの風景をみてどう考えているのだろう。
▼本日はこれから重要な取材が控えているのでこれで終わり。

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February 16, 2010

◇「50歳の恋愛白書」を見る

▼2月は普通の月よりも日数が少ないからうかうかしている間に、半分過ぎてしまった。明日は朝早くから一日かなりハードな仕事が待っている。先週の「愛川欣也パックイン・ジャーナル」でいくつか面白い話があった。愛川は「鳩山氏は不甲斐ないというか、いつ見ても同じビデオを見ているような気持ちになって来る」と歎いていた。「小泉みたいに、親からカネもらって何が悪い」と開き直る事ができないから、ひたすら謝ってばかりだ、とも。樋口恵子は「子ども手当などやめて学校給食費を無料にして欲しい」と訴えていたが、こちらの方が説得力ある。
▼もう一つ朝日シニアライターで軍事評論家の田岡がアメリカの国防白書を各紙が「米中対立か」と書いていることに関して次の様に言う。田岡は英文の白書全文をチェックしたが、そのような箇所は一つもなかった。むしろ「協力関係を強化する」と7行に渡って書かれていた。「対立激化」と書いたのは朝日、読売などだが、サンケイは夕刊がないせいか、記者が原文をじっくり読む時間があったせいか唯一「変化なし」と正確に書いていた。もし対立激化したらアメリカに投資しているのは中国が一番なので、国債が紙きれになってしまう様な事をする筈がない。「対立」と言って煽る人はそれによって利益を得る人なのだろう、という話だった。2月6日夜の金子勝「ニュースにだまされるな!」の方は民主党の農業政策を分析していたが、こちらはもっと面白かった。守備範囲を広げると収拾がつかなくなるので、これ以上は書かない。
◇「50歳の恋愛白書」二回りも年上の夫とくらし主人公のピッパ・リー(ロビン・ライト・ペン)はもう50歳になっている。身体が不自由になりつつある作家の夫と一緒に介護施設に入っている。施設に楽しみといえば近くを散歩したり友人と会ったりするくらいだ。彼女の若い時代は波瀾万丈に飛んでいた。若い頃は母親としっくりいかなくてドラッグ漬けになり、あるいは沢山の男友達と勝手気ままな暮らしをしていた。ある時作家のパーティに呼ばれて参加する。そこでは若い友だちとはまったく違う世界が待っていた。40歳くらいだった作家は彼女に一目惚れして、一緒に生活することになる。
▼いまの夫は体力はなくなっているが本来の浮気性で、恋人(モニカ・ベルッチ)と一緒に食事をしているとき、当てつけに口に拳銃を入れていきなり自殺を計ったりする。夫は「もう酸素吸入している僕など方って好きな事をしてくれ」と懇願するが、リーはかいがいしく介護を続ける。そしてある日夫は遂に倒れて救急車で病院に担ぎ込まれる。息子たち(長男・長女)たちも駆けつけるが、もう虫の息だ。落ち込んで帰ると近所の男性クリス(キアヌ・リーブス)が車で乗せてくれる。彼は牧師崩れで今は引きこもりで、全身にイエスのタトゥーが掘ってある。そして近くのコンビニで時々アルバイトをして生計を立てている。
▼夫が死んでさらに落ち込んで生きがいを無くしてしまうリー。そんな時青年がハイキングに誘ってくれる。夫を懐かしく、いとおしむ気持ちは大事だが、ただそれだけではまだ残っている自分の人生を台無しにしてしまう。リーの深層心理の中には小さいとき母親の言いなりになるのが嫌で、それに抵抗してきた記憶が消えなかった。そのため早く家を出て若くして結婚してそれから逃げたのだ。しかし大切な夫を失った今、自分自身の生き方をもう一度見直しても良い時期に来ているのではと考える。それが15歳年下のクリスとの出会いで二人はいつしか深い関係になり、家族のしがらみをすてて旅に出る。

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February 15, 2010

FX詐欺を報じる新聞にFXの広告が掲載される怪

Asagohan
これが朝食です。
▼土日と伊豆にある区役所の運営する区民向け保養施設に行っていた。1泊一人5500円だからその付近の旅館やホテルと比べて半額くらいだと思う。隣のK区にも昔河津莊とうい施設があったので、K区の住人だったときは何度も利用した。しかしネットで調べて見ると老朽化して、施設そのものがなくなってしまっていた。そして現在は借り上げ施設で区民だけの利用という風になっている。この伊豆高原にある区の施設に行くこと自体10年以上経過している。事前に調べたがネットは使えそうもないのでパソコンは持参しなかった。校正はみなければならないが、帰宅するのが日曜日の午後5時なので十分間に合うと思った。
▼施設だが伊豆高原駅から歩くと約20分くらいだ。着いた時は出迎えのバスに乗り、日曜日は散歩がてら歩いて来た。部屋にいるとフロントが心配して「10時のバスは満員になりましたが…」という電話が掛かってきた。施設はトイレが室内にないなど老朽化は進んでいる。おそらくあと5年はもたないのではないかと思われる。料理は値段相応で、アルコールは事前に部屋まで注文を取りに来る。しかし何をどれだけ飲めるかというのはそのときの気分なので困る。室外のトイレは全部ウォシュレット方式ではない。しかもトイレに張り紙で「夜のトイレが心配な方には紙おむつを貸し出す」と書いてあったのにはいささか驚いた。
▼朝食は洋食(パン)を選んだが、パンは2個付いていたがあまりおいしくなく、コーヒーも付いていなかった。この辺は工夫が必要だと思う。風呂場はまあ普通だった。わたしは旅行の時安全カミソリを使わないとさっぱりしないので、自分専用のものを海外旅行の時も持参する。先日はシェービングフォームも持参した。しかし風呂に普通あるはずのシェービングフォームが置いてなかった。だから髭をそっても綺麗にならないし、さっぱりしなかった。部屋にアナログテレビはあるが、新聞もテレビもあまり見る気持ちがしなかった。従って昨日のブログもあのような事しか書くことがない。
▼帰宅してからブログリーダーを使ってたまっていた記事をチェックする。ブログの一つに古里「信濃毎日新聞」(電子版)がある。そこに札幌の投資関連会社「オールイン」がパソコンとソフト一式を買うとFX(外国の通貨を売買して、利益を得るという取引)で必ず儲かるという詐欺商法をやっていて、パソコンが送られて来ない人が続出しているとあった。わたしはFXなんて所詮インチキだと思っている。しかし記事によれば一口最低10万円から20万円くらいするらしい。そして本社はキプロスにあり、パソコンが送られて来ないという苦情が多数寄せられている。さらに一人で4台分として90万円ほど支払った人もいる。さらに送られて来たパソコンは市販の4、5万円のものでFXの自動売買ソフトも何も付いていなかったという。云い方は悪いが欲に目が眩んで、自分だけ良い思いをしたい人がこういう詐欺に引っかかる傾向が多い。さらにその電子版の紙面には多数の「FX」の広告が掲載されている。こういう新聞社に真実の追究など出来るはずはないと思うのだが…。

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February 14, 2010

河津桜を見に来た。

Kawazusakura(写真は伊豆高原駅で)
河津に来るのはもう10年以上たっていると思う。昨日はとても寒かったが、今日は晴れて暖かい。踊り子号に乗っているとS編集長から、取材の打診があった。取材対象はわたしが最も興味があるもの。普段は絶対入る事ができない場所だ。しかし今回は先方の案内人付きで施設の中に入る事ができる。一面トップで扱うとおだてるので、ついついOKの返事をしてしまう。何処に行ったかは、今週末のブログにご期待頂きたい。
Duke(mobile)

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February 13, 2010

WOWOWで「大いなる夜」を見る

▼冬季オリンピックだそうで、マスメディアはオリンピック報道一色だ。笑えるのは「選手の顔が日の丸に見える」という見出しだ。もうこういう手合いは戦争になったら、防衛省の発表を取材の裏づけをせずにそのまま報道するに違いない。何で顔が日の丸なのだよ。記者も記者ならデスクもデスク。そんな呆れた記事を批判せずに掲載する編集局長も同罪である。
▼似たようなのがトヨタの欠陥プリウスの報道だ。朝日ですら「遅いぞトヨタ」という見出しで誤魔化している。まぁ朝日新聞でもトヨタの広告の出稿が止まったら倒産すると言われているのだから、「真実の報道ができない」事は情けないことだ。トヨタの事故隠しを正面から取材せず、相も変わらず鳩山l兄弟の「献金疑惑」を書く新聞はどうかしているとしか思えない。
▼「永遠のゼロ」は4時間で読み終わった。みんな半日で読んでくれれば、例え5人待ちでもわたしの手元には1週間くらいで届くのにな。手元において1人3週間も何をしているのだろう。
▼◇「大いなる夜」4日にWOWOWで放映された1951年の映画。NYあたりの小さな店の経営をしている男とその息子の話。父と息子の関係はあまりしっくり行っていない。だが息子の15歳の誕生日をケーキで祝おうとロウソクを立てて準備をしている。そのロウソクを消そうとする瞬間、一人の人相の悪い男が入ってくる。「オヤジは誰だ。お前か上着を脱いでここで這いつくばれ」と命令する。頑丈な体つきをした父親は抵抗することなく上着を脱いで、俯せになる。すると人相の悪い男はステッキで父の背中をバシッ、バシッと何度も殴りつけて立ち去る。お父さんはなぜ抵抗しないで従順なのだろう。ベッドに横たわる父は何も答えてくれない。
▼息子は「無抵抗なお父さんをあんな風にする奴は許せない」と父親の拳銃をポケットに忍ばせて男の後を追う。あちこち聞き出すと男は有名な新聞社のスポーツ担当の記者だった事が分かる。別の新聞社の記者になだめられるが気は休まらない。そして記者の自宅に行くとその妹からとても優しくされ、機転の利く彼女に拳銃も隠されてしまう。年齢を誤魔化していたために、ウィスキーで酔っぱらっていた彼はふと気づくと拳銃を隠されていることに気づく。彼女が隠した拳銃を本棚から取り戻し、ついにスポーツ新聞のコラムニストの自宅を訪ね当てる。
▼「どうして父さんにあんな酷いことをするんだ」と問いただす少年に男は答える。「お前の父さん妻がいるにに俺の妹をもてあそんで捨てた。妹はそれを苦にして自殺したんだ。だから仕返しをしたまでだ」と驚くべき告白をする。「父さんがそんな事をする筈はない」と夢中で拳銃の引き金を引く。ドッと倒れるコラムニスト。最初に少年を優しくしてくれた記者の家を訪ねると「俺を利用したな。俺はお前よりも家族が大事なんだ。近寄るな帰れ」と追い返される。そして泣く泣く家に帰って父親に「人を殺して来た。父さんあいつの話は本当なの?」と問いただすと、表にパトカーが停まって警官が降りてくる。赤狩りでアメリカを追われ、イギリスやフランスで映画を撮り続けたジョセフ・ロージー監督の作品。

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February 12, 2010

数字が示す、映画は衰退する一方という話。

▼今朝のある新聞を見ていたら、昨年の映画収入について書かれていた。客は若干増えているが、映画を作ってもその資金を回収できる状態ではない、というのは日本の映画界の現状だ。毎週土曜日の朝刊にかつては様々な映画館の「本日から公開映画」の一覧が出ていた。しかし今は資金がある、いわゆる東宝シネマズなどシネコン系列で上映される、同じ映画館の広告だけだ。それに平日の広告は10社くらいしか掲載されていないので、ネットで探すしかない。だがネットでは一覧性がないのでとても不便だ。観客が入ったのは全体の10%くらいで、その映画が90%の収入を上げている。だから他の映画は、映画の日以外は閑古鳥が鳴いている。それはわたしが通っている映画館が、1年前にかなり空いてきているので分かる。
▼高校生が3人で安くなるとか夫婦が50歳以上なら安くなると宣伝しているが、毎日いつでも千円にすれば客は増える。と思うが、それはわたしが心配する事ではない。わたしの家の近くの映画館で10回スタンプを押すと一回タダになる方式をしばらく止めていたが、最近また復活した。やはり廃止したものの客足が増えないのでまたやってみようという事になったのだろう。何よりもこのブログを読んでいるあなたが「金を払って」映画館に行かない限り映画は衰退するのだ。そのことをしっかり考えて欲しい。
▼昨日近くの映画館で1本見てから取材に出掛けた。いや家の近くの映画館でみても一向に気分転換にならない。映画は書くために見ているので、気分転換に行っているのではないことはご承知の通りだ。映画の内容は後日書くが、その中でとても面白い台詞があった。「他人を自分に従属させようと思ったら、別に命令する必要はない。相手がやって欲しいということを先にやってしまうのだ」という。ああこういう例は身近にたくさんある。それはご本人が気づいていないだけかも知れない。
▼取材は常磐線の某駅の近くの集会場で開かれた。昼飯は会場近くの中華屋さんが開いていたので入ったが、雨のためか客はわたしだけだった。中華丼を注文したが味は比較的良かった。老夫婦だけで切り盛りする店は会話もなくテレビに見入っていた。TVは埼玉の女子高生が輪島の日本航空大学の推薦入学が決まり、面接試験で向かうが雪のため電車は新潟で不通になる。そこで同行した母親がトラックの運転手さんに頼んで金沢まで行く。しかしその先も電車は動いていないので、トラックの運転手さんは「ついでだから」と輪島まで行ってくれ、面接に時間スレスレで間に合った話を流していた。彼女が試験で書いた「最近感動したこと」という作文というのが、上記の名前を名乗らず立ち去った運転手さんに助けられた経過を書いた、という嘘のような本当の話だった。
▼集会のサブタイトルは「日韓併合と大逆事件」というのだ。集まっていたのは170人だが、80%はわたしより年上の老男女だったと書けば概要がお分かりになろう。一種独特仲間意識がする会場の雰囲気にわたしは耐えられない。パイプの椅子に長時間座るのも苦痛。エアコンも悪いし、会場の音響効果は最低である。講師がワイヤレスマイクで話していると何やら演歌が混じって聞こえてくるので、彼は何度も苦笑していた。こういうのは事前にチェックしてあればあのような醜態をみせなくても済むのにと思う。
▼話の内容は実は「坂の上の雲」の解題であった。だから同書を批判的に読んでいれば話の内容は聞かなくても80%くらいは理解できる。話が一通り終わって質疑になると、どうもトンチンカンなもの、あるいは自分の生半可の知識をひけらかすものが多いので辟易とする。要するに自分が正しい事を言っている、という事を講師(M大学教授)に追認させて満足するのである。わたしは疲れ切って帰宅した。

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February 11, 2010

◇「食堂かたつむり」を見る

▼うさこさんに教えていただいた、「永遠のゼロ」がリクエストカードを出して3ヶ月ぶりに届いた。確か予約した時は5人まちだったが、みなさん随分ゆっくり読むので待たされる。約400ページだから、その気になれば半日で読める筈だ。いや雑音から遠ざかって集中すれば一日1000ページくらいは読める。ゼロいや先日のNHKで「零戦」特集があったが、アナウンサーは「ゼロセン」と間違った読み方をしていた。当時敵性英語、いや敵性数字である読み方はしなかった。「レイセン」が正しいのだ。なぜ「レイ」なのかと言うと皇紀2600年に作られたからそう呼ばれる。大体日本だけではなく、アメリカでも兵器が軍需省などによって制式採用された年月を、機種につけることは多い。
▼今年は皇紀2670年に当たる。こんな事を書いていると、左翼からはこのブログの筆者は危ないと思われる。そして右の方からはお誘いが来るかも知れない。元はといえば神武天皇即位の年を元年と定めた紀元のことである。 正式には「神武天皇即位紀元」という。皇紀元年は西暦紀元前660年にあたる。まあ、キリストだって現実にいたかどうか分からないし、おそらく民話が神話になっただけだろうから、皇紀も西暦もどっこいどっこいである。本日はありがたいそれにともなう「建国記念の日」だ。しかしわたしはありがたい事に「日本と韓国の歴史」についての集会取材があるので、仕事である。
◇「食堂かたつむり」東大生協のアンケートによると東大生に一番人気のある女優は柴咲コウである。その彼女が主演の映画を初めて見る。いや1年ほど前にどこか外国の飛行機の中で「少林少女」を見たっけ?何やら暗い庭を掘り返している少女倫子がいる。するとブタが出て来て、誰かに怒鳴られる。外国人と同棲して200万円ほどの小金を貯め、いざ小さな食堂を出そうと思うと、彼は有り金を持ってトンズラして、アパートはもぬけの殻だった。失恋のショックで声を失った倫子は、子どもの頃から嫌いだった母のルリコ(余貴美子)が暮らす田舎へ戻る。最初は母が庭を掘ってツボにカネを貯めていた事を思い出したからだ。しかしそこには一銭もない。「今時庭には貯めないで銀行に行くもんね」と母は突き放す。
▼母に頭を下げてカネを借りようとするがうまく行かない。そこで母の家の隣にある物置小屋を改装して小さな食堂を始めることにする。お客は一日一組だけで、決まったメニューはない。客との事前のやりとりからイメージを膨らませて料理を作る。近所に住む熊さんが改装には協力してくれる。最初来てくれた女子高校生は「好きな男の子に自分の気持ちを伝えられない」何とかしてと頼まれる。倫子はその子向けにおいしいスープを作ってサービスする。すると帰りには二人は手を繋いで帰る。訪れる客の希望を聞いてその人たちを大切にして作る倫子の料理は、食べた人に評判を呼んで次々客が訪れる。しかし高校生時代の同級生には、自分の祖父の喫茶店が人気がなくなって来るので、サンドイッチに虫をはさんで、意図的に評判を落とそうと邪魔をされる。その後客足はぱったり途絶える。
▼だが「食堂かたつむり」で食事をすると願いが叶うという噂がジワジワと広まっていった。倫子の母のルリコの愛情の対象はブタのエルメスを可愛がることだけだ。しかし酒場を経営するルリ子から「医者に行ったら癌だと言われた」と衝撃の告白をされる。さらに母の担当医(三浦友和)から最後まで一緒にいたいと結婚を告白される。驚愕した倫子は衝撃を受けながらも、母のための披露宴の料理を作ろうと決意する。料理は人を幸せにるす。食はこんなにも人の気持ちを変えることが出来るのかという事が映画を通じて分かってくる。そしてまた食を通じて倫子とルリコは反発しあっていた気持ちが縮まってくるのだ。

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February 10, 2010

◇「倫敦から来た男」を見る

▼月曜日の夕方、某友人が入院しているという連絡があった。それで昨日午前中某病院まで見舞いに行ってきた。わたしは某友人はこうなる事は十分予測出来ていた。というのは夜遅くに食事をする、便利・便乗と称して歩かず車に乗る事を続けていたからだ。寝る3時間前に野菜を中心にした食事を終わらせる事。腸の活動を活発にさせるため、1日1時間は歩く事を提案した。しかし他人の言う事を黙って聴くような人ではない。こういう人は手術など痛い思いをして自らの意思で「体質改善をやろう」と決意しない限り治らない。だからわたしは1年前から一切アドバイスをするのを止めていた。見舞いに行くとご本人はもっともらしく神妙な顔をしていた。しかしいつもの様に自宅前の病院に入らず、救急車にわがままを言って、わざわざ遠くの病院入った経過を語っていたので、この決意もひと月は続かないだろうと思った。
▼昨日地デジTBSで午後8時から「ポルトガル列車の旅」をしていたのでつい見てしまった。先週はバルセロナからリスボンに入った所で終わっていたので、きっと続きはあるだろうと予測していた。リスボンからあの奇妙な煙突が売りのシントラに行き、ロカ岬に出る。そのあと再びリスボンに戻り、ポルトに行くという回りくどい編集をしている。ポルトではサンサンフランシスコ教会に行く。ここの入り口には守衛がいて撮影は一切禁止だった。所がテレビとなるとカネでも払えば撮影は自由である。ゴールド500kgを使った教会の内部は、イエスの家系図から秀吉に殺された22人の使徒の彫刻まで余すことなく紹介されていた。笑ってしまうのは、ポルトガルが派遣した使徒を殺す日本人というのは想像の人種なので、ターバンを巻いたインド人風なところだ。最後に現地コーディネーターの名前が出るのだが、何とわたしたちのバスに乗っていたN女だったのには二度びっくりした。
▼◇「倫敦から来た男」モノクロームのしっとりとした映画である。フランスの港町で転轍機に操作をしている一人の男が主人公である。ある日鉄道の高い建物から船着き場に到着するのを眺めている。ふと目を凝らしていると船上にふたりの男が何やらヒソヒソと話しあっている。一人はそのまま下船して、列車の方向に行くかに見える。しかし波止場の外れに行っていると船上の人物は何やら大きなバッグを彼めがけて投げる。波止場の男がそのバッグを拾おうとしていると、別の人物と争って海に投げ入れられてしまう。そしてバッグは海に浮かぶ。
▼転轍機の男性は仕事が終わった後、その重いバッグを海から拾い上げて事務所でおもむろに開くと女王陛下の顔が印刷された多額のポンド紙幣が入っている。彼は濡れている紙幣をストーブで乾かし、数枚をポケットに入れる。彼は妻と娘で今までつましい暮らしをしてきた。娘はようやく小さな店で働く事が出来たばかりだ。しかし本来の売り子ではなく、店の清掃ばかりさせられている。父親はそれに不満を持って店から娘を連れ出して止めさせてしまう。というのは大金が入ったので気持ちが大きくなってしまったのだ。娘に高価な毛皮のコートや襟巻きを買ってやるのだが、妻はそれを見て「二人で働いたお金を無駄遣いして」とたいそう怒りまくる。
▼そして倫敦から来た刑事がフランスの港に乗り込んで来て着々と捜査を始める。何でもその大金はフランスで不動産の物件を見つけた男が、手付けとして用意したカネだったというのだ。そして海で死んだ男の足取りを調べて行く。死んだ男の妻も呼び寄せて、「旦那の姿は見つからないが、おそらく死んでいるに違いない。協力するからビラを作って街に張り出すように。そしてあなたは目立つように街を歩きまわれと、指示する。年配の妻だがつぶらな目から涙が頬を伝って落ちる演技は、ジーンとくる。そして刑事は犯行現場から当たりを見回すと、操車場の転轍機を操作する男ならすべてを見ているに違いないと確信する。
▼操車場の男はカネを海縁の倉庫に隠しておいた。その倉庫には大金を持った男を殺害した容疑者が隠れていたのだ。倫敦から来た刑事はそれをすべて見通した上で大岡裁きのような結論を出す。この映画はシンプルなストーリーだが、わざわざカネをかけてモノクロームの映像で少人数の俳優ですべてを表現したところに意味がある。そして初めの17分くらいはノーカットでぐいぐいと見る物を映画の世界に引っ張り込んでゆく。ともすると単調で眠くなってしまう。実際わたしは正月に一回寝てしまって2月にもう一度見に行ったくらいだ。しかし長回しの最高傑作は「特別な一日」以外はないと思う。

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February 09, 2010

◇「フローズン・リバー」を見る

▼◇「フローズン・リバー」アメリカニューヨーク州とカナダ国境にある辺鄙な街に住む二人の女性の話。白人女性レイはかなりボロの家に住んでいる。何とかして新しい家を買おうとして、トレーラーで建売住宅を運んで来るが、ドライバーはキャッシュで前金を払わないと、置いてゆけないと持ち去ってしまう。夫に逃げられたレイはその家に高校生の息子と小学校低学年の息子と二人で住んでいる。そして彼女はおもちゃ屋でパートの仕事をしているが、大したお金にはならない。店長に「半年で正社員にしてくれると言ったじゃない」というが、店にそんな余裕はない。だから息子たちには、弁当代として小銭を毎日持たせている。そして驚くべきは食事でポップコーンにジュースだけだ。
▼夫の行き先を探していると、先住民族であるモホーク族の居留地で乗り捨てた車を見つける。車を牽引して帰ろうとするとモホークの女は「わたしが拾ったんだ」と所有を主張するがレイは拳銃を1発家めがけて発砲して持ち帰ろうとする。モホークの女も実はシングルマザーで、生まれたばかりの子どもを夫の両親に持ち去られている。そして夜はビンゴゲームの店で働いているが、目が悪いのにメガネが買えなくてミスばかりしている。
▼レイはロープが切れて一回目は失敗するが、2回目に夫の車を引き取りに行ったとき、モホークの女から「カネになる良い仕事がある」と打ち明けられる。それは凍り付いた河を渡って密航者をトランクに入れて運ぶ違法な仕事だった。しかし背は腹に変えられないので、その凍りついた河を渡る。手数料は片道1200ドルで渡し終えるとさらに1200ドル貰えるという割の良い仕事だった。しかしそれは郡警察の目に「何かおかしい」と目をつけられる。実は郡警察はモホークの自治領には捜査権限は持っていない。ひらたく言えば白人は白人の警察で、モホークはモホークの自治警察が担当するのだ。
▼クリスマスが近づいてくるので、子どもたちは何かプレゼントを期待するが母親には頼めそうもないので長男はクレジットカードの番号を聞き出す詐欺を思いつき、弟にプレゼントを買ってやる。夜は母親が密航商売をしているので、兄弟は何があっても工夫して切り抜けなければならない。あるとき石油パイプが凍ってしまい、バーナーで溶かすが、それで家はボヤになってしまう。母親はそれを見つけて激怒するが、長男は「寂しいのに何もしてくれなかったじゃないか。真剣に父さんのゆくえを探しているのか?」と食ってかかりバーナーのノズルの先を母親に向ける。
▼そして最後の密航は別の組織の仕事を手伝うことになる。しかも報酬はいつもの半額で乗せた密航客はアフガン人の夫妻だった。レイはテロリストなんか運びたくないと、持っていたバッグには爆弾が入っているに違いないと途中で投げ捨ててくる。しかしアフガンの夫妻密航先に着いた時「あのバッグには赤ちゃんが入っていたの」と泣き叫ぶ。レイと二人は吹雪の中を戻ってバッグを探す。しかし中に入っていた赤ちゃんは凍えて呼吸すらしていない。しかも警察のパトカーに追われていたところから、氷の薄い河を渡ったことから車は氷の裂け目で脱輪してしまう。絶体絶命に追い込まれたとき、二人のシングルマザーはどちらが出頭するか迷う。密航と赤ん坊の救出作業の中で深い絆が出来ていた。
渋谷シネマライズ。レイはとてもくたびれた妻役を見事に演じていた。

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February 08, 2010

モノに溢れて幸せは来るか?

▼旅行中の事をふとふり返ると、決定的に日本と違う事がいくつかある。第一は携帯ゲーム機を持っている人は一人もいなかった。帰りにトランジットしてヒースロー空港に来ると数人の外国人がそのゲーム機で遊んでいた。日本の街に溢れているLV等ブランドバッグや、そういう衣装を着ている人もいなかった。ヘッドフォンステレオを耳にしている人も日本の10分の1程度だろう。電車に乗って携帯の画面を見続ける人も少ない。それは一つには日本のようなiモードサービスがないせいなのかも知れない。
▼「週刊金曜日」最新号をみて宝島社のファッション誌「sweet」が先月に発行された2月号で100万部を超えたのだと書かれている。あのエビちゃんを看板に飛ぶ鳥を落とす勢いだった。「Cancam」を抜き去ってトップの座に躍り出た。その最大の特徴はトートバッグや化粧ポーチ、シュシュや手鏡などの「豪華な付録」でもあるらしい。分析しているのは多摩美大非常勤講師の韓東賢さんだが、「雑誌によって『自分』の何か作られてしまった世代の著者には物足りないものを感じさせたという。これらの雑誌の文章は極めて少なく、消費されるモノそのものになってしまったのが今のファッション誌なのだと指摘する。
▼もう一つ土曜日の朝日に作家の加賀乙彦が「本当の幸福はどこに」というインタビューに応じている。それによれば「日本人は、江戸時代以来、集団の和を壊すことを恐れ、自分が他人にどう見られてを常に気にしながら生きてきました。」「人の目を過剰に意識する事は、自分の評価を他人に委ねてしまうことにつながる」としている。そして」「ピンチに陥った時、『他人がどう思おうと自分は自分だ』と思えるかどうか」だと言い切る。
▼日本に帰り歩いている人々の姿を見ればみんな無表情で、不機嫌そうな顔をしている。そして画一化された持ち物からファッション、携帯からヘッドフォンステレオ姿のセカセカと歩きまわっている。多数の日本人は多数派のなかにいることで、ただ安心してしまうのだろうか。加賀は「お上のいうことだから」「どうせ変わらないから」との理由で、社会のあり方や国の未来像を考えることなく、ただ流されて来たという気がする。と指摘し、「しなやかな精神にこそ、幸福の源泉はある」と締めくくっている。

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February 07, 2010

WOWOWで◇「小森生活向上クラブ」を見る

▼昨日の一件で分かったのは救助犬とか介護犬というのは存在するが、猫は救助にも介護にもまったく役に立たないということだ。今朝の社会面を見ていると環境保護団体シーシェパードの船と日本の捕鯨調査船がぶつかっている写真が掲載されている。わたしがどうも分からないのは、高等知能を持ったイルカや鯨を獲ったり、食べるために殺害するのはいけない、というのがシー・シェパード側の言い分のようだ。しかし考えて見れば、いちばん高等知能を持っているのは人間と言われている。だとするならば、彼らはイラクやアフガンに行って、米軍を初めとする多国籍軍により現地の人の大量殺戮を実力阻止しなければならない筈である。しかしそういう戦争阻止活動には一切無関心である。一説によればこの団体のスポンサーは大富豪なのだという。まぁこの団体の行動限界はスポンサーをして、人が人を殺す戦争という最大の愚挙に取り組むのは所詮無理なのだろう。
▼◇「小森生活向上クラブ」ある会社の小森課長(古田新太)は毎朝満員電車に乗って、疲れ切ってデスクに座る。部下の一人は仕事中にもかかわらず携帯メールをしているので、女性課員(栗山千明)から課長に「きつく叱ってくれ」と言われているが、事なかれ主義の彼は何も言わない。家に帰るとひっくり返って「GUN」誌を眺め、ふとマンネリ気味だった妻(有森成実)との関係に寝化粧姿にふと新鮮なものを発見して飛びつく。やる気のない部下からある日「給料の前借りをしたい」と申しこまれるが、一杯飲み屋で話を聞くと新宿のぼったくりバーで30万円払えといわれ、「手持ちのカネがない」というとサラ金会社へ連れて行かれ、そこでカネを借りて払わされたという。憤った課長はどこかでベレッタF92と実弾8発を手に入れて、復讐に行く。彼の論理は世の中に悪い奴らは大勢いるので、それらは殺してしまえというのだ。その考えに栗山らは賛同し、秘密結社「小森生活向上クラブ」を結成する。そしてみずからは部下から持ち上げられて課長から、会長に持ち上げられる。その組織の目的とは自警団的暴力は加速して、次々殺人を繰り返していく。小森を演じる古田新太を最初に見たのは「サイドカーに犬」で主演の竹内結子の愛人を演じ、この時は中古車売買から悪に手を染めて行く役だった。この映画はマンガが原作のブラックコメディだ。しかし今はサスペンスドラマで悪役の多い、有森成実もこういう役を演じることができるのかと感心した。WOWOWで4日深夜に放映。
▼先週NHK教育TVで放映された「江華島事件から日清戦争へ」だが「週刊金曜日」最新号でも厳しく批判されていて、わたしがこのブログに書いた事は間違っていなかったと思い安心した。

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February 06, 2010

家族を寒風のベランダに2時間半閉じ込めてしまう。

▼昨日は普段の3倍くらいの方にアクセスしていただきました。また『鍵盤乱麻』メルマガ送信直後にかなり大勢の方から感想を送っていただき感謝しています。今日明日で映画を3、4本見なければならないので、ブログの更新は夜になります。なお昨日の朝日の天声人語2/5は下記にあります。
▼今朝は大失敗をしてしまった。というのは既報のように朝から渋谷まで映画を見にでかけた。それは良いのだが出掛けるとき、連れ合いがベランダで洗濯物を干していた。我が家の場合先ず昨晩洗っておいたものは朝一番でわたしが干す。朝食が済んでから洗い終わったものは大体家族が干すことが多い。今朝は干しているとき茶色の猫が外に出たがっていたので、ドアを開けて外に出した。しかし毛皮を着た猫といえども寒いのですぐ室内に戻った。そのときベランダの戸を開けっ放しだと寒いので締めた。だが鍵はしたつもりではなかった。愚かにもわたしは家族が洗濯物を干しているのに、上映時間が迫っているのでそのまま出掛けてしまった。1本目は渋谷シネマライズの「フローズン・リバー」の初日初回は午前10時半からの上映だった。1本目が終わって携帯メールをチェックすると何本か入っていた。その1本目がベランダに出ていて鍵を掛けられて部屋に戻ることが出来なくなってしまった家族からの怒りのメール2本だった。
▼屋外はきょうとびきり寒かった。たまたま家族の一人は職場が休みで薬を貰うために通院して昼に帰ってきたからまだ良かった。下手をすると家族をベランダで凍死させてしまい、そうなったら「過失死」として書類送検くらいになってしまうかも知れない。家族に聞いたらわたしのデスクの上にいた黒猫は遊んでくれるのかと思って、じゃれる様子も見せていたが、家族の必死の呼びかけも無視してどこかに行ってしまったという。
▼わたしは時々猫をベランダに出したままドアを閉めてしまった1、2時間後で気づき、家族から注意を喚起させられている。今回の事故に深く反省し、出掛けるときは「行ってきます」と顔をみて声をかける事を約束したのであります。みなさんもどうぞお気をつけて行動されることを強く希望致します。
▼2本目は午後1時からの「倫敦から来た男」だ。実はこれは帰国してすぐ見たが、最初の15分くらいを昼食を食べたばかりで眠ってしまった。何が何だか分からなくなってしまったので、もう一度見に来た。とにかく、この映画は最初17分がワンカットで撮ったという曰く付きの映画なのであります。映画の詳しい内容は来週に書きます。

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February 05, 2010

「検察も灰色がかって見える」天声人語2/5

▼午後「○○高校のご出身ですよね。」という電話が掛かってきた。最新の名簿には電話番号を削除してある。というのは名簿に掲載してある、電話を使って、投資話、先物取引、区会議員選挙に立候補することになった、などの売り込み話が多いからだ。前はうっかり職場の名前を入れてあったので、本社に電話してわたしのいる支社に電話を掛けてきた奴がいた。一度「もっとまともな商売をやれ」と怒鳴ったこともある。そうしたら次は"前回お叱りをいただきまして」と、懲りずに電話してきた。高いものを買わせようとするなら、カネをかけてパンフレットを作って、まずそれを送りつけてから電話する。そういうのが手順だと思うが、とにかく安上がりで儲けようとする。
▼大体先物取引などを見ていると、会社が入っているビルが日本橋周辺の豪華なビルで警備員もいる。そして通される応接室はまたまた革張りの椅子で、仕立ての良いスーツを着た中年男が対応するので、コロリとだまされてしまう。先の電話は「投資話には一切興味がないから」と一方的に電話を切った。昨晩仕事が終わったのは午後10時半頃だったので、ヒマな電話につきあっているヒマなどない。
▼そして今朝のトップニュース「小沢幹事長不起訴」である。だかNHKなどは延々と「不起訴な納得いかない」というコメントを流し続ける。新聞は右から左まで同様だ。とくにネットで問題になっているのは左の方で「ホリエモンのニセメールでお手つきをした当時の民主党と同じレベルだ」と揶揄されている。M建設で逮捕された人物を刑務所まで聞きに行ったのは共同通信社とその新聞の2社なのだ。刑務所の中の証言など証拠能力などないことが分からないのだろうか?
▼同時にもう一つネットでは「今週の週刊朝日を読もう」という記事も多い。これは同誌編集長に東京地検特捜部から「出頭要請」があったという事に由来するものだ。同誌は一貫して東京地検の勇み足、世論誘導を批判してきた。今朝の「天声人語」でも「検察も灰色がかって見える。捜査は『小沢憎し』だったのではないか」と書いているではないか。この際、利用できるものなら地検の特捜部でも何でも利用してやろうとうのが「左」のスタンスである。
▼わたしは今朝のトップニュースは、トヨタの新型ハイブリッド車、プリウスのリコール問題だと思う。トヨタは一貫してプリウス問題を隠蔽してきたではないか。こと欠陥車に関する限り、運転者と歩行者の命に関わる問題だから深刻だと思うのだが、NHKなどの報道機関にもトヨタのバイアスが掛かっているのだろう。朝青龍問題?わたしは髙砂部屋の近くに住んでいるがまったく、興味はない。きょうメルマガ締めきり日です。投稿される方はあとお二人くらいかと思われますが、お早めにお願いします。午後6時には送信したいと思います。

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February 04, 2010

NHKETV特集「江華島事件から日清戦争へ」を見る

▼昨日は仕事の打合せで15年ぶりくらいに、ある方とお目にかかった。その後ある金融機関に立ち寄ったら、そこにもある友人がいて、この方とも10年ぶりくらいにお目に掛かった。10年くらい会わなくても、数分間話をすれば昔と同じ親しさはすぐ戻って来る。前者はすぐに携帯のメルアドを交換して、別れて届くかどうか確認するためのメッセージを送るとすぐに「貴兄のアドレスは登録した」という返事が返ってきた。
▼豆まきの夜、今は大豆を撒くと後片付けが大変なので、ずっとピーナッツばかり使っている。わたしの生まれ故郷である佐久地方は、このかけ声が東京とは異なる。「鬼は外、福は内」までは同じだ。だがそれに続けて「恵比寿、大黒、目を覚ませ」と叫ぶのである。どうしてそうなったのかいわれは分からない。そして家族揃って自分の年齢の数だけ大豆を食べる。残った豆は一升枡に入れて神棚に供える。そして最初のカミナリが鳴り響いた日に神棚からおろして、再び食するのである。おそらく五穀豊穣を祈ってそうするのだろう。
▼31日のNHKETV特集日本と朝鮮の最終回「“脱亜”への道 ~江華島事件から日清戦争へ~」を見た。過去に放映されたものは1年間ずっと見たが、今回の日本側コメンテーターはかなりお粗末だった。欧米の脅威がアジアに迫ってくる危機感から、日韓両国の近代化を目指して交流した人々がいた。それは福澤諭吉とキム・オッキュン(金玉均)という人物である。慶應義塾創始者である福澤は、西洋の思想を基にした近代的関係を朝鮮王朝に求めた。韓国の開化派の官僚・キム・オッキュンは、日本型の近代化を進めることで、宗主国・清(中国)に頼る朝鮮王朝を改革し、欧米に対抗しようとした。
▼しかし日本は戦艦にたいして「水の補給」を求めて韓国を一方的に攻撃する。それはあたかも黒船が日本に来た時、ペルーが大砲を持って開国を迫ったのと似ていた。当時の韓国の城の作り方を見ると大砲の据え付け位置がかなり低い。という事は敵の船を砲撃によって沈める事を計算していたのだ。そしてその戦闘の模様は防衛庁文書館の1500字の公式記録と、もう一つ戦艦の艦長が書いた3000字の文書が存在する。福澤は韓国からの留学生を意識的に受け入れ、教育してさらに経済界の重鎮を紹介する。この事実はNHKテレビの解説者の言う事とは、別の目的があったのだと思う。つまりその後の動きを見ていると留学生を中心に日本との外交関係を強化しようとする勢力を形成してゆく。やがてはそれはクーデター計画に繋がってゆくが失敗し、日本は韓国を実効支配しようとしていた清(中国)との闘いの道を選択することになる。福澤と金は日本の学者が指摘したのとは異なり、おそらく日本は自分を支援してくれるという密約があったのだろう。
▼福澤は「脱亜論」発表するのだが、NHKTVでは何故かこの「脱亜論」を福澤の言っていることはすべて正しいとして、例えば丸山眞男が指摘するような客観的な評価していないように感じた。

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February 03, 2010

映画制作の世界は「徒弟制度≠民主的」という話

▼夕べ午後8時頃、データの送信を終えたので、過去一週間土日も休まずに取りかかっていた仕事が終わった。土日も忙しくて困るのは映画館に行く時間がないことだ。しかも今週の土曜日と11日は取材が入っていたりするので、時間のやりくりに思案している。
▼先々週の「週刊金曜日」で本多勝一が腕時計を持たない理由を書いていた。本多の場合づっとつけていると皮の部分に異臭がするとか、以前に買ったスイス製の腕時計をはめてベトナムかどこかの街の喫茶店に入っていたら、目にも止まらぬ早業で金属製のベルトを外して盗られたと言う。ベルトに穴が開いている方式ならば、そんな事はなかった。しかし金属のロック式はその気になれば一瞬で外れてしまう、その手技に本多は半ば感嘆の声を上げている。それ以来彼は腕時計をしていないが、最近子息に携帯を持たされたと愚痴っている。
▼わたしも実は旅行の時以外腕時計はしない。しなくても約束の時間にはまず遅れることはない。先日の旅行の時も久しぶりに腕時計をしていった。3G携帯は現地の時間と日本の時間を常に表示する事が出来る。M氏は時間を合わせるのが面倒だという事で、いつものデジタル腕時計を右手、アナログ時計を左手にはめていた。ちょっと目には怪しい人にも見えるがそんな心配はいらない。わたしの場合地上にいるときは携帯で時間を確認できる。しかし機上の人となったときは電源を入れる事ができない。わたしの場合腕時計は現地時間(GST)なので、日本の時間は確認出来ない。飛行機の中では時々現在の時間が分からなくなってしまう。そこで帰のシベリア上空あたりで一回だけM氏に時間を聞いて、腕時計を日本時間に戻した。まあいずれにしても盗られて困るような高い時計を身につけていなかい事だと思う。
▼いま朝日の夕刊に映画監督の崔洋一が連載でコラムを書いている。崔は色々文献を当たって見ると、わたしが生まれた隣町の岩村田に1、2歳の頃まで住んでいたらしい。昨日のコラムで今井正の照明助手の見習いをしていたと書いている。そこで面白い話を書いている「今井正の創造力によってスタッフが動いていく。古典的で徒弟制度のなか、『民主的映画』がつくられる転倒の世界が面白かったのです」と書いているが、実に愉快な表現方法である。ただし崔の日当は一日千円なのでとても食えず、鉄鋼製品の出庫アルバイトをしていて、こちらは一晩働き、食事と交通費付きで5千円になったと言う。
▼前に聞いた実話である。映画が好きでアメリカに住んでいたある日本人女性が、マイケル・ムーアの所に「スタッフとして使ってくれないか」と売り込みに言ったという。すると「カネはないので払えない。タダでよかったらどうぞ」と言われたという。つまり「徒弟制度≠民主的」という事は今でも十分通用する世界なのだという気持ちはする。
▼トップページはいつの間にか117000番になっていました。MINさんの「あたふたポルトガル訪問記」は第4回になっています。トップページからアクセスして下さい。

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February 02, 2010

「容疑者」段階で顔写真など出すべきではない。

▼昨日書いた「無縁社会」を昨晩もう一度録画したものを見直したら、若干の事実誤認があったので訂正した。今晩0時45分から再放送されるので、興味のあるかたはぜひご覧いただきたい。
▼昨日やるべき事が10項目ほどあったので日曜日に書きだし、歩いて片付けるたびに一項目ずつ消していって、取り残しは一つになった。わたしもみなさんと同じ身体も、時間も同じ24時間しかない。テレビはなるべく録画したものを早送りで見て時間を節約する。だがTVを見ると、物理的に本を読む時間がなくなる。毎月メルマガの締めきりはかならずやってくる。そのために時間をやりくりして何とか最低でも5冊くらいは読むように心がける。
▼しかし月曜日の朝7時のNHKニュースのトップは「名古屋の外国人らしき4人の乗った盗難車が歩行者3人をひき殺した」というのがトップだったのには呆れた。そして昼は埼玉の睡眠導入剤を使った練炭殺人事件。最初の交通事故がなぜ日本の月曜朝一番のトップにくるのかまったく分からない。今朝の報道では容疑者の携帯が残されていて、「外国人=ブラジル人と見られる」と言う。わたしの推測によれば「犯罪=外国人=恐怖心=そういう心理を国民に植え付ける」という図式が浮かび上がる。
▼まずヨーロッパなどを旅行していると、団体で旅行するのは日本人だけ、添乗員が大声をあげて小学校の先生みたいに説明していると、彼らは怪訝な顔をして眺めている。それと肌の色で「○○国人」と決めつける事はありえない。生まれた国が自分の国なのだ。先日の大阪の女子マラソンで優勝したのはポルトガルの女性選手だった。ポルトガルでは、ああいう肌の色の人は多いが、絶対ではない。
▼この時期に外国人の参政権を持つことに反対する人びとが、デモや集会を行っているのを散見する。しかし日本で仕事をしたり税金を払っている人には全員に参政権を与えるべきであろう。昨年夏にわたしの実家の隣市で、ある産業に関わっていたブラジル人300人が解雇されたと言っていた。もし犯罪が起こる温床があるとするならば、雇用の調整弁に使われている弱者が、簡単に首を切られ母国に帰還するお金すらない、という事実を忘れてはならない。
▼埼玉の練炭殺人事件だが、NHKの昼のTVでは「容疑者」が否認しているのに、顔写真まで出して、「警察への取材によれば間違いない」とあれこれコメントをつけて、国民に先入観を植え付けようとする。もしこれが冤罪だった場合でも、一旦クロと決めつけられたら、その地域には住んでいる事はできなくなる。もっと大事なニュースがあると思うが、NHKのトップニュースは今朝もあまり変わらない。この国は警察と検察の世論操作で動くのかな。そういう事に気づかないと、「大事件だ」という声を聞いて右往左往するだけになってしまう。

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February 01, 2010

NHK「無縁社会・3万2千人が孤独に死んでいた」を見る

▼急ぎの仕事は午後3時頃には終わる予定だった。しかしこの状態は3日間もつづいており、猫ちゃんたちの機嫌がとても悪くなった。午前中は散々仕事の邪魔をされてしまった。そのため送信が終わったのは午後5時過ぎになってしまった。その頃に、わたしは意識は朦朧として、眼は霞んでメガネととっかえひっかえしても焦点が定まらない。最後は気力と勘だけで点キーボードを打っていた。すぐ気分転換の速歩による散歩をして、夕食後は目薬をつけ、部屋を真っ暗にしてさらにアイマスクをして30分ほどベッドに横になっていた。ふと気がつくと某紙の校正紙が送られてくる日である。9時半になって催促したらまもなく届いた。
▼もうディスプレイを見つめる気力は残っていないが、自分の書いた記事がトップなので点検しないとまずい。校正は1時間程度で終わるが、その後眼が冴えてしまって午前1時頃まで眠りにつけなかった。
▼校正を待っている間NHK1chで「無縁社会・3万2千人が孤独に死んでいた」を見た。身元の分からない死亡者を法律用語で「行路死亡人」と呼ぶ。わたしはこの番組を見るまでそうした人びとはいわゆるホームレスの人びとだけなのかと思っていた。しかし様々な事情で古里に先祖の墓はあっても、自分は様々な事情で帰る事ができなくなってしまった人もいる。もしかするとわたしの行く末もそうなるかも可能性は高い。いわゆる3Kの職場でニコニコして働いていた人も身元をたどって行くと、そういう人だった。最近はそうなった場合NPOに頼んで解剖の献体を希望する方も多い。
▼またあるビジネスマンだった人は大手のM菱銀行(番組ではちゃんと会社名が出ていた)のシステムを構築し、また営業を夢中になっていたため、帰宅は午前毎日2時、3時だった。本人は糖尿病を患い、熟年離婚をせざるを得なくなる。そして唯一肌身離さず持っているのは、息子が土産物として作ってくれた、ステンレスの板に書かれた自分の名前だ。彼は収入には困っていなかったが、都下にある有料老人ホームに入所して寂しい暮らしをしている。そして先祖の墓地は、いわゆるマンション墓地の一角にある。
▼彼は自分は決してこのような道を選びたくなかった。しかし当時は家族のために仕事をせざるをえなかった。そして40代の頃銚子を旅行したとき、と語って絶句し涙がこぼれ落ちる。あるお年よりが静かに尺八を吹いていた。自分も老いたらこういう生活をするのが夢だった。しかし今家族は誰一人いないで孤独な生活をしている。
▼後の事は彼は語らないが、大企業のために仕事人間として献身的に尽くして来た結果がこれだ、と現役時代の名刺箱が2箱もあると語る。わたしの経験では1箱350枚くらい入ると思うから合計700枚以上ある計算になる。結局仕事で利害が発生する人間関係は退職したらそれで終わりなのだ。彼は今街に住むところがないホームレスとは異なるが、孤独させられているという点ではまったく変わらない。
▼もう一人最後に登場する名古屋に住む女性は70半ばだと思われるが看護師をしていた女性で、婚期を逃して一人で暮らしている。若い頃の写真も紹介されるが、とても美しい人だったが、家族をささえ年老いた両親を支えるため仕事に夢中になっていた婚期を失ったと語る。冷蔵庫には「動けなくなった場合」に備えて多数の自家製冷凍食品が溢れている。そして今は名古屋市の郊外に自分がはいる墓地を決めた。そして「墓地に入ってからも一人は寂しくて耐えられない。大勢で入れるところがいいわ」と呟く。果たして高度経済成長の日本をささえてくれた人たちに、こういう仕打ちしかできないというのは、何か大きな心のつながりを忘れた行為だと思うのだが…。

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