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February 08, 2010

モノに溢れて幸せは来るか?

▼旅行中の事をふとふり返ると、決定的に日本と違う事がいくつかある。第一は携帯ゲーム機を持っている人は一人もいなかった。帰りにトランジットしてヒースロー空港に来ると数人の外国人がそのゲーム機で遊んでいた。日本の街に溢れているLV等ブランドバッグや、そういう衣装を着ている人もいなかった。ヘッドフォンステレオを耳にしている人も日本の10分の1程度だろう。電車に乗って携帯の画面を見続ける人も少ない。それは一つには日本のようなiモードサービスがないせいなのかも知れない。
▼「週刊金曜日」最新号をみて宝島社のファッション誌「sweet」が先月に発行された2月号で100万部を超えたのだと書かれている。あのエビちゃんを看板に飛ぶ鳥を落とす勢いだった。「Cancam」を抜き去ってトップの座に躍り出た。その最大の特徴はトートバッグや化粧ポーチ、シュシュや手鏡などの「豪華な付録」でもあるらしい。分析しているのは多摩美大非常勤講師の韓東賢さんだが、「雑誌によって『自分』の何か作られてしまった世代の著者には物足りないものを感じさせたという。これらの雑誌の文章は極めて少なく、消費されるモノそのものになってしまったのが今のファッション誌なのだと指摘する。
▼もう一つ土曜日の朝日に作家の加賀乙彦が「本当の幸福はどこに」というインタビューに応じている。それによれば「日本人は、江戸時代以来、集団の和を壊すことを恐れ、自分が他人にどう見られてを常に気にしながら生きてきました。」「人の目を過剰に意識する事は、自分の評価を他人に委ねてしまうことにつながる」としている。そして」「ピンチに陥った時、『他人がどう思おうと自分は自分だ』と思えるかどうか」だと言い切る。
▼日本に帰り歩いている人々の姿を見ればみんな無表情で、不機嫌そうな顔をしている。そして画一化された持ち物からファッション、携帯からヘッドフォンステレオ姿のセカセカと歩きまわっている。多数の日本人は多数派のなかにいることで、ただ安心してしまうのだろうか。加賀は「お上のいうことだから」「どうせ変わらないから」との理由で、社会のあり方や国の未来像を考えることなく、ただ流されて来たという気がする。と指摘し、「しなやかな精神にこそ、幸福の源泉はある」と締めくくっている。

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