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March 12, 2010

◇「カラバッジオ」を見る

▼昨日の茨城空港の開港をめぐって色々な報道機関が冷ややかな書き方をしていた。わたしが思うに例えば福岡空港の場合、市の中心部まで地下鉄で10分で着く。茨城の場合都心までどのくらいかかるか、書かれていない。神戸くらいなら東京駅から新幹線で行った方が手荷物検査もないし、1時間前に行く必要もないから遥かに早く着くことができる。普天間の代替地で10日九州の大分県議会がが「日出生台移設に反対する」意見書を全会一致で議決している様子が流れていた。ふとこれを見て普天間は辺野古や沖縄、九州でもなくいっその事茨城空港に移設したら便利ではないかと思った。しかも隣には自衛隊の航空基地まである。しかし茨城は東海村の原発があるから無理かなとも思う。
▼◇「カラバッジオ」彼はイタリア・バロック期の画家である。カラバッジオは1573年にミラノ近郊のカラバッジョ村で生まれる。みんなに名前を聞かれると本名の「ミケランジェロ・メリシ」と答える。ミラノからローマに出て来て一旗上げようと思うが、中々思い通りに行かない。あるとき具合が悪いとき助けてくれた青年がいる。実際は同性愛だったようだが、映画ではそのことははっきり描かれてはいない。助けてくれた青年は彼の腕を見込んで売り込みに奔走してくれる。
▼しかし画商は買い取って自分の利益を不当に高く取るので、大げんかをして再び路頭に迷うことになる。しかしコントラストを強調した作風の絵はローマ法王庁のある枢機卿の目に止まって宮廷画家の仕事を得るようになる。そこでは多くの宗教画を残すことになる。しかし教会の求める絵はあくまでも宗教家を威厳ある作風で再現することであった。さらに教会の権威を高めるためにイエスやマリアをそれらしく再現することだった。そのことがローマ法王庁の権威を知らしめることになる。
▼だがカラバッジオはマリアのモデルに売春婦などを使ったことから教会の逆鱗に触れる。さらにその革新的な作風は教会を冒涜していると見なされて引き取りを拒否されることもあった。同時に映画では騎士の愛人をモデルにしたり好きになった事から、最初はテニスで雌雄を決するが、最後は剣をを使った決闘こととなり相手を殺してしまう。そのため枢機卿も「お前をこれ以上かばうことはできない」と破門してしまう。
▼友人たちは彼の能力を高く買っているのでマルタ島騎士団に救いを求める。かろうじてマルタに脱出する。そこで絵を描き始め、騎士団の団長の計らいでようやくローマ法王庁の「赦し」を得てめでたく騎士団の団員として認められる。そこでも期待通り団長の絵を描いて喜ばれる。しかしカラバッジオを快く思わない男に喧嘩を売られ、1606年に相手を殺害してしまう。そのため彼は地下牢に閉じ込められてしまうが、騎士団にいたミラノ出身の男の手引きで島を脱出する。このように私生活では常に多くの傷害事件を犯すなど乱れた生活を送り、失意のうちに狂って死亡してしまう。
▼たしかに近代的規範に照らしてみると許されない事が多いカラバッジオだった。しかし彼は娼婦をモデルにマリア像を描いたり、教会の権威を逸脱しても自分の作風を絵に再現しようと貫こうとした、強い目的意識を持って生き抜いた男だったのである。シネセゾン銀座で上映中。

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