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April 07, 2010

◇「NHKETV特集/世界的文豪トルストイ」を見る

Kitanomarup1
(北の丸公園)
▼先週の「愛川欣也パックイン・ジャーナル」で、党首討論で出た鳩山首相の普天間移転先に関しての「腹案」について意見がでた。コメンテーターの多くが、あの時の発言は自民党の谷垣総裁に挑発されて、つい口を滑らせてしまった、という事で一致していた。さらにその時点では、「腹案」の中味そのものも存在しなかっただろうと。しかし昨晩あたりから「徳之島案」が急浮上してきた。首相の腹案とは「アメリカにノー」という事ではなく、あくまでもアメリカの言いなりになることだったとは情けない。そして数日前の朝日では主たる移転先になっている、グアムでは先住民族の権利が侵され、しかも軍艦によって珊瑚が死滅しつつある、と書かれている。だがグアムの珊瑚が生き残って、沖縄の珊瑚が死滅して良い筈は一つもない。
▼◇4日夜の「NHKETV特集/世界的文豪トルストイ没後100年」だった。トルストイは沢山の小説も書いたが、その一方で平和についての論文を発表していた。その内容の多くは戦争反対を訴える内容だった。それがイギリスの新聞「タイムズ」に翻訳され世界中の人々が、彼の思想を知ることができた。日本で云えば幸徳秋水らの「平民新聞」にトルストイの平和思想が翻訳されて、一部の日本人の間に広まった。その影響が与謝野晶子の有名な歌となった。しかし日露戦争で日本がロシアに「勝利」してから、「平民新聞」の考えは日露戦争を是とする考えになり、トルストイとはたもとを分かつ。
▼今もトルストイの書簡(文通した相手の物も含む)がロシアのアルヒーフに数千通も残されている。日本でその後トルストイの影響を受けたのは徳富蘆花であり、文通の後にロシアにトルストイを訪ねる。蘆花はトルストイの家に4日間滞在して彼の思想に触れる。彼の思想とは「絶対の非抵抗」という考え方であり、後に生まれた、南アフリカで弁護士をしていたガンジーの非暴力運動など世界に大きな影響を与えた。
▼驚くのはトルストイが日本の知識人や一般人と交わした手紙が、ちゃんと残っていることだ。トルストイは大金持ちの農家に生まれたから、食べる心配をせずにそれができたとも言える。現実に彼は持っている土地を全部小作に分け与えようとしていたが、家族に反対され悩んでいる。そのことは蘆花が、彼の家を訪問したときに家族との気まずさを感じている。見た感じ手紙の多くは英文で書かれているように思えた。トルストイは悪筆で何度も何度も書いた上に追加して書き直している。それでも凄いのは送られて来た手紙には一々全部返事を書いていることだ。その中で「わたしの小説はどうでも良いが、その後に書いた論文を読んで欲しい」と付け加える。蘆花も東大の学生も市井の人々もその手紙の文面で、「全部読みました」とか「あなたの考え方が良く分かりました」と率直に語っている。
▼トルストイは日本に深い関心を抱き、西洋の資本主義と植民地政策に対して、道徳原理に基づいた東洋文化こそが人類の進むべき道ではないかと考えた。最後に彼は言うがその思想の根源とは「自分こそが正義だと、暴力を行使することはあり得ない」ということなのだ。トルストイは82歳の時、家族との軋轢に疲れて家出をする。そして数日後駅の待合室で瀕死の状態でいるところを発見されるが、まもなく息絶える。この短い1時間のドキュメンタリーで、トルストイの平和思想が少なくない日本の人々に影響を与えた事を明らかにしている。その非暴力の思想は人々に影響を与えていることを明らかにしている。
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