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April 09, 2010

キンケロシアターで◇「昭和の紅の灯」を見る

Kinkero
(中目黒のキンケロシアター)
▼2週間ほど前の読売都内版と今朝の朝日都内版に、わたしが住んでいる町の近くにあるパン屋さんの記事が出ている。倒産して今度福祉作業所として4月1日からオープンした店だ。初日の午後4時頃行って見たが、既に売り切れで店は閉まっていた。わたしがパンを買う店は3ヶ所くらい決めてある。その他には余程気に入って店か、どうしようもない時意外地元のパン屋さんでは買わない。この店ははっきり言って食パンもハチミツを混ぜてあってわたし好みではない。その後数日して何品か買って見たが、味は今までと変わらなかった。そして店の場所が裏通りで目立たないところにある。福祉作業所だから仕方ないが、レジでパンをポリエステルの袋に入れる手順でかなり待たせる。店に客がいないと店員さんは新聞を読んでいる。すぐ隣の寺院の庭でイベントをやっているのだからチラシを配布するか、試食をさせれば売れると思うが、それも無理かなと思う。しかし残念だがパンの味を何とかして貰わないと、この調子では3ヶ月も持たずに店を閉める事になるのはないかと思う。
▼◇「昭和の紅の灯」1936年の築地劇場、芝居の演目で俳優たちは舞台で、資本家の横暴と戦うために最後にインターナショナルを歌っている。臨検席の検閲官は「インター」がでてすぐ「上演禁止!」を叫ぶ。しかし演出家の岡崎キヨシはそれを押し切って歌うので警察に逮捕されてしまう。劇場の主演女優小夜子は芝居だけでは食えないので、夜はクラブの女給のアルバイトをしている。そこは食えない劇場の演出家の杉田(愛川欣也)や労働者新聞の記者らのたまり場となっている。小夜子は岡崎と恋仲だったので、時々特高警察(思想警察)が「警察から逃げたが来なかったか」と見回りにやってくる。杉田が特高の聞き込みに抗議すると「お前の事は分かっている」と逆に脅される。
▼女給達はクラブのママのパトロンが絹糸会社の社長だったため、その会社の寮に住まわれて貰っている。クリスマス・パーティの夜、仲間の一人が満州で映画会社を作る話があるからと、小夜子に一緒に行かないかと誘う。しかしその条件というのが日本名を捨ててローランという満州人になることだったので、小夜子は拒否する。絹糸会社の社長が脳梗塞で倒れてからクラブの経営も思わしくなくなる。
▼杉田は小夜子にチェーホフの「かもめ」を「いつか舞台でやりたいな」と夢を話が、実際に翻訳物は上演が許可されなくなってきたいる。岡崎がある日小夜子の所をこっそり訪ねてきて、満州に密航したいがカネを貸してくれとやってくる。小夜子も誘われ密航船がデル、島根までやってくるが、特高もそこまで追いかけて来ていた。彼女は意を決して岡崎を密航させるために、特高の注意を自分に引きつけ彼を逃がす。身元引き受けにやってきた杉田と一緒に「東京に帰ろう」と小夜子を島根の警察から身柄を貰い受け帰っていく二人。
▼そして帰京すると築地劇場は警察によって封鎖され、劇団員は荷物をまとめている。そして看板女優の小夜子は芝居を止めて故郷青森に帰ると言い出している。そして杉田が自宅に帰ると特高が彼の部屋を家捜ししている最中で、それに抗議すると杉田もまた特高警察に引っ張られてゆく。「仲間を吐け」と激しい拷問を受け、瀕死の状態で外に放り出される。方法の体で夜中に家の近くの公園(撮影場所は井の頭公園だった)まで歩いてくると迎えに来た小夜子とバッタリあって、そこにあった椅子に座る。「いつまでこんな世の中が続くのだろう」「きっといつか平和が語れる世の中がくるよ」。「東京で芝居ができなければ地方でやればいいんだ」としっかり手を握り合う杉田と小夜子だった。それは最初のシーンからちょうど1年後で、外では「ザク、ザク、ザック」という軍靴の響きがひときわ高く響き渡っていた。
▼愛川欣也が昨年作った中目黒のキンケロ(キンキンというのが愛川の愛称、妻のうつみみどりがケロンパなので)シアターで4月30日まで上映中。愛川は「愛川欣也パックイン・ジャーナル」で常に「再び特高が巾を利かせるような世の中が来てはいけない」と話しているが、まさにこの映画はその実践編と言えよう。上映時間は午後3時、6時、9時。目黒区青葉台1-15-11電話03-3496-1138中目黒駅から徒歩7分。

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