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May 24, 2010

◇「グリーン・ゾーン」を見る

▼もう疲労困憊。昨日は朝9時前後から電話やメールが相次いで届いた。普通の日曜日は朝早くから出掛けてしまうので、早く連絡しないと捕まえることができないと思って下さった方々からだった。午後からペシャワール会で活動していらっしゃる方の講演会と取材があった。ペシャワール会についてはほとんど知らなかったが、リーダーである中村哲医師のもとアフガンは着実に、麻薬ではなく農産物で食べる事ができる国に変化しつつあることを知った。DVD上映と講演で約3時間。会場が家から遠かったので往復約2時間。会議で拘束されること自体嫌いなので、これだけで疲れてしまう。帰宅してNHKHVの再放送「イタリアからアルプスをトレッキング」の続きを見ただけで寝てしまった。
▼◇「グリーン・ゾーン」イラク攻撃の最大の理由は「大量破壊兵器をイラクが持っている」という情報だった。アメリカ軍のMETという部隊は大量破壊兵器を探す任務を負っている。その責任者はミラー准尉(マット・デイモン)である。軍上層部の命令の下プリントアウトを持って「破壊兵器がある」という場所を急襲するのだが、いずれも空振りである。准尉はこれは情報が漏れているか、まったくのガセネタではないかと考える。
▼ミラーはイラク人の協力者を通訳として、その真相を突き詰めようとする。すると元将軍なる人物がいて、彼はアメリカ国務省の高官と開戦前の1991年に密かに会っていた。そしてそのとき限りなく、白に近い(持っていない)という事を伝えてあった。にも関わらずアメリカは一斉攻撃を仕掛けてくる。調べて行くと将軍らは、実力者を集めて新しい政府をつくるべく会合を重ねている事が分かる。それを知ったCIAはミラーをスカウトし、金庫から100万ドルの札束を無造作にリュックに詰め込んで、その将軍をカネで釣って軍を再建するように命令する。しかしその作戦中、現実のTVが映し出されブッシュが戦艦に降りたって、「イラク戦争は終わった。イラク軍は解体される」と宣言するので、将軍らは騙したと怒ってミラーを人質にする。
▼同時に国務省は「ウォール・ストリート・ジャーナル」の女性記者を使って「大量破壊兵器はある」と書かせて来た事がミラーの手によって発覚する。そしてミラーは国務省とイラク軍の残党の両方から追われる身となる。ミラーが拘束された事が判り、アメリカ軍はあのソマリア作戦のように、さらに近代化されたブラックホークを使って追尾する。そして映画にありがちな、危機一髪でミラーは救助される。そしてミラーが掴んだ「大量破壊兵器はなかった」とする情報をネットを使って各報道機関に一斉送信するのである。
▼アメリカでは一般的に911同時多発テロは、アルカイダのテロと信じられている。また「大量破壊兵器」も同様である。この映画のポール・グリーングラス監督の最初の作品は「ユナイテッド93」で同機がテロリストによってカッターナイフで乗っ取られる話が、まことしやかに描かれている。次が「ボーン・アイデンティティ」と「ボーン」シリーズが3作続いている。わたしはこの監督の映画は全部見ているが、最初からかなり変化を遂げている。ボーンシリーズはCIAの要員だったボーン(マット・デイモン)が記憶を取り戻し、組織に反抗する話である。とくに「3」の「ボーン・アルメタイム」はCIAとの直接対決になってフランスのジャーナリストの協力を得て、モロッコまで逃げてたった一人で対決する姿がよく描かれている。
▼今回のポール監督の「グリーン・ゾーン」はその大組織に対抗する個人の集大成であると思う。映画は劇映画でモロッコで撮影されているが、ニュースや実写場面を巧に組み合わせ、バクダッドの現場に放り込まれたような緊迫感がある。

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