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May 26, 2010

B29重爆撃機の残骸を探す

B29kikanjuu
(B29に据え付けられていた12・7mm機関銃)
B29kikanjuu2
(その説明盤)
▼敗戦の直前、千葉に最初に空襲があったのは6月10日朝8時頃だったようだ。この原稿を何回も書き直していた。元の「証言集」という120人の聞き取り記録というのはある。これはIさんという方が、一人ひとり聴き取ってパソコンで清書し、しゃべった本人との間で何度かやりとりして完成した貴重な記録である。その記録集というのがA4版で、1ページにぎっしり1000字ほど詰まっている。それが約330頁ある。原稿を書くからにはそれを全部読んで自分の頭で理解して整理しなければならない。これを読むだけで約10日ほどかかった。といっても後半の約半分は単なる戦争体験だった。すると使えるのは前半の部分である。編集委員会の人々とは先週お会いしてお話しを伺ったが、話をより立体的にするには文章だけではなく、新聞に掲載する写真という「当時の物」が必要になる。
▼モニュメントはいくつかあるが、それでは迫力に乏しい。いろいろ調べていくと江東区猿江の重願寺という所に「みまもり観音」と「B29のプロペラ」があることが分かった。空襲はB29爆撃機で焼夷弾を投下して行われたのは、東京大空襲と同じだ。その他グラマン、P51等の戦闘機が別途攻撃に加わっている。記録を読んでいておかしいと思うのはパイロットの顔を見た。鬼のような顔だったとみんな同じような証言をしていることだ。しかし冷静に考えて見ると、B29は高射砲に狙われないように高さ1000m以上を飛行する。しかも構造上、機関銃の回転銃座だけは操縦席の眞下に付いている。だからパイロットの顔は見える筈がない。一方戦闘機だが、これとて地上の車で試して見ればわかるが、国道の反対車線の運転手まで約10m位だ。このときかろうじて顔は確認できるが、表情までは分からない。
▼今の日本の航空法では地上から300m以下に降りて飛行することはできない。だから飛行船にしてもヘリコプターにしてもみなさんご覧になっているのは300m以上ある。では戦闘機がどこまで降りて来れるかだ。10mでは煙突に突っかかるし、小銃でも撃ち落とされてしまう。それに爆弾を投下しているのだからその衝撃波や、自ら落とした爆弾の影響をもろに受けてしまう。だから少なくとも100mは離れていないと危険である。それでパイロットの顔が見えるか?再び地上の自動車で検証してみると、30m離れたらもう男か女かの区別すらつかない。以下は想像だが戦闘機のノーズに書かれた落書きを見て、人間の顔と錯覚したのではないかと思われる。
▼ボスニア・ヘルツェゴビナの民族浄化の話にしても、噂が恐怖となってあたかも自分の体験のように広がっていくケースが往々にしてある。取材においては相手の話を客観的に評価して、冷静に判断しないと大きなミスに繋がってしまうケースもある。それでB29の機関銃の残骸は江戸東京博物館に保存されている事がわかった。確認するとそれは千葉の東庄で撃墜されたもので、フラッシュを使わなければ撮影しても良いというので、午前中撮影してきた。このB29の撃墜に関してはかなり残酷な話があるので、それは省略する。
▼飛行高度の事を言えばあの「トッコウバナ」の美談も、かなりの確率で創作されたものだと思う。特攻隊のパイロットが戦闘機に乗る直前女子学生から「オオキンケイギク」の花束を貰った。それを一緒に特攻するのに忍びなく、隣の島の上まで飛行してその花束を落下させ、その花が島の一面を覆っている。美談としては泣かせるが、そんな高度から芥子粒のような花のタネが眞下に落ちる筈がないのだ。

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