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August 17, 2010

◇「氷雪の門/樺太1945」を見る(2)

Ppsh
(これがPPShサブ・マシンガン、2006年カンボジアの民間軍事博物館にて)
▼朝刊に掲載された「週刊朝日」のCMを見たら、緩和医療医として1千人以上の死を見届けてきた大津秀一医師が見つけた「人が死ぬ前に本当に後悔すること」というものが出ていた。以下見出しだけだが、「会いたい人に会わなかった」、「行きたい場所に行かなかった」、「他人にやさしくしなかった」、「おいしいものを食べておかなかった」、「愛する人に『ありがとう』を伝えなかった。etc,先日ご紹介したNHKの再現ドラマも癌で亡くなった男性は65歳だったから、年齢が近い人はやり残さないように心がけておいた方が良い。
◇「氷雪の門」(その2)樺太の国境とはあの岡田嘉子が杉本良吉と橇で越境したところだ。そこをソ連軍の戦車が雪崩を打つように超えてくる。樺太に住む住民たちはパニック状態になって南へ南へと群をなして徒歩で来る。しかしその群とは老人から赤ちゃんまでいる。しかも健康な成人男性は軍からとどまって抵抗するように要求されている。幼子を抱えて妻(南田洋子)も子ども2人に赤ん坊を抱えて歩き出すが、男の子2人はソ連の戦闘機の機関銃に撃たれて亡くなってしまう。
▼また歩けなくなった老人は札束を見せて、「誰か連れて行ってくれ」と叫ぶが、みんな自分の身を動かす事が精一杯で見向きもしない。樺太を守るのは第88師団の約2万人である。それを指揮するのは北海道にあった第5方面軍であり、昨日書いたように88師団に「ソ連に対して自重命令」を出した事から、映画では参謀(丹波哲郎)は「方面軍とソ連の間に北海道は手放さないが、樺太はやるという密約があるのではないか」と疑う場面がある。これは歴史的に明らかになっていないので、あくまでも映画の設定である。
▼一家の男達は国民義勇戦闘隊に加えられていたので、家族とは一緒にはにげられない。ほんとうはこの組織はゲリラとなってたたかうような構想があったが、そんな訓練も受けていないし、武器は38式歩兵銃だけなの、ソ連のマンドリン(PPShサブマシンガン)バタバタ殺されてしまう。あまりにも悲惨な光景を目にして発狂して死んでしまう母親も出てくる。そして真岡からは北海道に向けて脱出する船が2隻出港するが、いずれもソ連の潜水艦の攻撃を受けて沈没してしまう。この犠牲者は約700人だった。そして電話局をまもる女性たちに対して郵便局長(千秋実)は「君たちをここにおいては何が起こるかわからない。すぐ帰宅してご両親と一緒に逃げるよう」と説得する。しかし彼女たちは「自分が電話交換を放棄したら、さらに樺太に残っている人たちは混乱を来すからそんな事はできない。」と離脱を拒否する。
▼しかしそうしているうちに真岡にもソ連軍の艦砲射撃が始まり、ソ連兵が上陸して来る。少年たちも仇を討つとしているが、ソ連のサブ・マシンガンの前にはひとたまりもなかった。(つづく)

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