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September 14, 2010

NHK「原爆投下を阻止せよ」を見る(2)

▼昨日の取材は何を着ていこうかと迷った。想像だが取材対象は年輩の男性だと思って短パンYTシャツを着ていって正解だった。冷房もない木工場のような場所で作業をしていた。ピアノも調律師は演奏する人とは違うので、予備演習でピアノソナタのCDも聴いていく必要もなかった。しかし暑くて暑くて、帰宅してからシャワーを浴びて寝込んでしまった。
▼日曜深夜に日本テレビ系で「カツドウカ、社会へ~湯浅誠の若者塾~」を紹介していた。この日登場したのはキャリアがなくてホームレスになった男性と、大学の博士課程をでたにも関わらず高学歴で仕事がない女性だった。湯浅の主宰する「一丁上がり講座」は参加費500円で、50人前後が参加していたと思う。彼はここで自分の力で閉塞状況を切りひらく訓練をする。ビラの作り方から、記者会見の開き方などを実践的にやっていた。これはレイバーネットなどが開いている「活動家一丁上がり講座」の様子だ。
▼わたしはこれを見て、既存の同じような「講座」は組織労働者の枠を広げていないから参加者は限定されて減る一方である。しかし組織されていないワーキングプアの人々は増える一方なのだから、そこに焦点を当てて「育てる」努力をしていかないと、労働運動に未来はないように思える。そして引きこもりがちだった男性の背中を押し、先の女性に対しては講習会のなかで誕生祝いをする。この血の通った連帯感が、孤立したように見えた彼らに力と自信を与えていく。
▼NHK「原爆投下を阻止せよ」この番組を見ていて凄いと思ったのは戦争になっても、終わったら投資した債務は取り戻すよ、というウォール街の論理である。グルーが実務的な立場で落としどころを探していたのに対し、ジョーンズは大金をつぎ込んで原爆を作った。だからその原爆を投下して効果をカネを出してくれた人たちに、証明してみせなければならなかった。そしてそのために失敗は許されないからGPSなどない時代にあって目標が目視で確認できること。晴れの多い、他の影響を受けにくい地形を選ばねばならなかった。ちょうど広島の投下地点にある橋は「Tの字」が上空からもはっきり見えることだ。
▼ルーズベルトが死んでトルーマンが大統領になり6月18にには九州上陸作戦も検討される。トルーマンは側近だったグルーの意見を取り入れ、天皇制の存続を肯定し作戦を進めようとした。しかしジョーンズは、先に述べた理由により日本の早期降伏は認めないという立場だ。もしトルーマンがグルーの云うとおりにしていれば戦争は3ヶ月早く終わっていたはずだ。ところが昨日も書いたヨーロッパではベルリンがソ連の手によって陥落すると、共産主義者の息の根を止めるために原爆の存在をアピールする必要があった。そこで東西の覇権を争う「冷戦構造」が生まれる必然性が出てくる。
▼7月7日にポツダムで会議を開くときグルーはその代表から外される。そしてバーンズがトルーマンの側近として加わった。グルーは参加するバーンズに「ポツダム宣言」の「12項」を持たせた。そこには「天皇制の存続させる事に同意すれば日本は敗戦を受け入れる」という一項が入っていた。しかしバーンズは会議の直前に「12項」を削除してしまう。かくして日本にとっては受け入れがたい「ポツダム宣言」であったため、バーンズの思惑は成功し、原爆は投下される。そして彼らが原爆投下を正当化させる、「原爆投下は多くのアメリカ兵の命を救った」という論理が未だに信じられることとなった。そして遅まきながらグルーの旧財閥からの債権回収も目的を果たす事になる。

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