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October 28, 2010

NHKHVで「戸井10月ユーラシア大陸を走る」(最終回)を見る

▼寒い朝、家族はダウンジャケットを着て出勤していった。室内にいるわたしは相変わらず短パンである。ブログを書き上げたら温かい格好をして外を出歩き、大雨の降る前に仕事を片付ける予定だ。今朝の天声人語を読んでいたら、冒頭に「海外で求めた記念のタグ・ホイヤー」という表記があった。しかし「海外で買い求めた時計」くらいで止めておけば良いのに何故商品名が出ているか不明だ。いやわたしもスキューバ・ダイビングをしていたとき、この時計を買った事がある。しかし故障が多くて、そのたびに生産国であるドイツに送り返され、修理が直ってくるまでひと月以上待たされる事が多かった。もう、とてもつきあっていられないと思って売り払ってしまい、いまは国産の時計しか使わない。▼それに普段は携帯があれば時計も必要ない。腕時計は旅行するときだけ、国産の安いものを使って入る。腕時計がなくても約束の時間に遅れることはない。やたら海外の高級時計をもっている人に限って時間を守れない人がいる。
▼◇「戸井十月ユーラシア大陸を走る/最終回」ポルトガルのロカ岬からウラジオストックまで4ヶ月かけてオートバイで走り抜けた戸井。4回目は中国を出国してモンゴルからシベリアを走る。国境警備が今まで一番厳しく、モンゴルから出国する手続きに10時間も待たされる。それでもたまにオートバイで走っている外国人がいる。たまたま会ったのはオーストラリア生まれでイギリスで生活している若い男女だった。戸井は禁句である「A your lover?」と聞いてしまう。この言葉は2ヶ月ほど前に英語教師の言葉をご紹介したが、二人の性的関係を問う言葉で決して使ってはならない。でも二人は気分を悪くしないで「yes just marriage.go to the honymoon」と言っていた。見ていると戸井の英語はわたしと余り変わらない。それでも世界中を旅してしまうのだから、心強く思った。とにかく「はい」と「いいえ」だけ現地の言葉を知っていれば何とかなりそうだ。
▼ロシアを旅している戸井は、自分の父親は10年前に亡くなって、ロシア10月革命から自分の名前を付けたと言う。それで若い頃シベリア鉄道でモスクワまで旅しているので傍らを走るシベリア鉄道を感慨深く見ている。とにかく未知の土地でホテルがなく、夜遅くようやく空いている部屋を交渉してクルー一同4人一緒に雑魚寝をする。しかも日本から持参したカップ麺を啜っている。戸井は10月(昨年の事である)になって雪が舞うロシアで61歳の誕生日を迎える。
▼ハバロフスクまでの道は凍結して、アイスバーンになっている。250kgもある大型オートバイは何度も転倒する。50km位走るが危険だとして、今来た道を半日かけて戻る。そして1200kmの道をオートバイをトラックに乗せて運んで貰えないかという。その交渉は画帳にトラックにオートバイを乗せている図を書いているのはおかしかった。でも交渉の結果、元戦車兵だったという男の日本製の中古バンに乗せてもらい、1200kmを2泊3日で走って貰う。元戦車兵はつるつるでスリップさせながら元来た道を走って帰路に着くのを戸井らはずっと心配そうに見送る。
▼ナホトカで日本に向かう船で海を見つめながら戸井は言う。まったく嫌な事がなかった訳ではない。しかしどこにでも明日に希望をもって生きている人たちがいるのを見て、この世界もまったく捨てたものではない、という確信を持った、と静かに語るのだった。

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