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October 07, 2010

家族崩壊の原因はどこにあるのだろうか?

▼今月第一土曜日の夜10時に放映された朝日ニュースター金子勝「ニュースにだまされるな!」は録画に失敗してしまい、昨晩の再放送でようやく見る事ができた。いつもは金子の専門である経済問題が多いのだが、この日は「児童虐待、不明老人、家族は崩壊しているのか」というテーマだった。実はこのテーマと若干関連があると思ったのはそれに先立ち、午後7時にNHKHVで放映された「クールJAPAN」の「家」というテーマとも若干関連がある。まず虐待が起こる一つの原因として貧困化が考えられる。例えば貧困の連鎖という問題も生じているのだが、親が教師などをしていた場合、25万円前後の年金が支給されるらしい。
▼子どもが失業したり仕事がなくて生活保護を受けた場合、4、5万円になる。そうすると子どもは必然的に親の年金に頼った生活をするようになる。また親の介護をするために仕事を辞めた場合なども、親の収入に頼る。必然的にそうならざるを得ない。親の介護疲れで自殺や他殺があった事件を見ると介護する側に負担が大きくのしかかる。またそれが身体の動かなくなった親に八つ当たりして虐待になっていく。
▼介護保険はできたものの、結局は日本もドイツも「在宅」が推進されていく。これが福祉先進国のノルウェイなど、介護は家を中心とした個人に押しつけられるものではないという思想教育が一貫して行われている。だから社会のあり方としてある程度の年齢になるとできるだけ、一人で生きる努力をするが同時にそれができなくなったら施設に入る。親が死んで年金の不正受給しているケースが次々明らかになっているが、金子はひと月前に「これは日本とイタリアに共通する傾向だ」と指摘していた。
▼子どもの虐待も親が子どもに食料を与えなかったなど痛ましい事件が次々発覚している。これもその面で見ると親が悪いケースが圧倒的に多い。しかし多くは女性の働く場所がない、賃金が極めて低く劣悪であることが原因となっている。それに貧困の連鎖といえるのは、親が貧困だと子にまともな教育を受けさせられない。その結果として働く場が狭められてしまう、という連鎖が生まれる。昨日現実問題として聞いた例でこんな話があった。娘が駆け落ち同然で家出をして、子どもが産まれたが相手が認知してくれないので実家に舞い戻った。その家は今は70台の母親一人で住んでいる。娘はまたそこで相手を探し、5歳になった子どもを親に預けたままで家をでてゆくえ不明だというのだ。これだった一歩間違えば育児遺棄で親が仕方なく置き去りにした子どもの面倒をみているから死なないというだけの話である。
▼ここで「クールJAPAN」に戻る。この番組はご存知の方が多いかも知れないが、日本の文化を滞在している各国8人の外国人が話を聞いたり、取材するものだ。その一つに大阪の「ひまわり」というグループホームを紹介していた。聞くとそこの入居者10名程度はかつて大阪のバス会社で33歳バスガイド定年制に反対して戦った仲間であるという。彼女たちがその戦いに勝利して、現実の60歳の定年を迎え、どうするかという事でかつての同士が老後もお互いに助け合おうと、このホームを立ち上げた。当然死んだら権利をどうするかという遺言も全員が書いてある。このホームがうまく行っているのは、かつての同士であるからだと、わたしは思った。しかし見学に行ったイタリア人は「親の老後の面倒は自分が見る。イタリアはヨーロッパではなく、地中海文明の国だから家族の絆は強い」とまで云っていた。彼の意見に同意したのは韓国の人だけだった。
▼これらの番組を見て家族の問題は家族で解決すべきというのは、核家族化していない、言わば先進資本主義国ではない国に見られると思った。一方、経済格差と貧困を個人の責任とする国々は、税金の再配分の考え型を根本的に考え直さないと、国自体が崩壊してしまうのではと思えてくる。

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