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November 22, 2010

NHKHV「森鴎外の恋人、舞姫のヒロインのモデルは?」を見る

Koyo2
(芦ノ湖湖畔の紅葉)
▼最近携帯に大きいサイズのファイルを送って下さる方がいらっしゃる。ご本人は一斉送信されているご様子だが、こちらは巨大なpfdファイルが来ても困るので、昨晩PCメールは受信できないようにブロックした。
▼19日夜8時NHKHV「森鴎外の恋人、舞姫のヒロインエリスのモデルは誰なのか?」ヒロインの正体探し当てるためドイツを訪れるドキュメンタリーが放映された。ご存知のように鴎外の恋人とされる15歳の女性エリス(小説の名前)は、ドイツ留学から帰国した彼を追って船の航海40日をして繰る。しかし横浜に着いた彼女を鴎外の家族は一目も会わせようはせず追い返す。鴎外の母が「自分を捨てるか、女を捨てるか?」とまるで湯島の白梅のように迫る。それで鴎外は一時期軍人になれなくても仕方ないと思っているが、母の云う事を聞く。母はそれに追い打ちを掛けて、あたかもエリスが街娼であるかのように言いふらす。
▼鴎外の研究書籍は本郷図書館にあるらしい。TVのディレクターはその本郷図書館にあり、鴎外が持ち帰ったモノグラム(文字の組み合わせ版、例えばニューヨーク・ヤンキースNYを組み合わせたような印を言う)があることを発見する。そこにははっきり分かる大きな板の上方に「W」「B」という文字と、しっかり見ないと分からない、点字のような文字ががある。そしてディレクターの今野さんは「エリスはW・Bのイニシャルを持つ女性ではないか」と考えていた。
▼レポーターの女性は今は飛行機で11時間ほどで行けるドイツに到着して調べる。2000年、不動産登記簿などから、彼女が住んでいた住所にいたエリスのモデルは「アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルト」ではないか想像する。果たしてモノグラムの点を再び子細に検討すると上記のW・Bのほかに「A」「L」の文字が見えて来た。しかし文字は一目で分からないような飾り文字で描かれているから、とても分かりにくい。
▼そして登記簿の他出生証明書、日本への乗船名簿、失意のうちに帰国して結婚式をしたときの署名などを検討する。住所にある名前と乗船名簿が違うことが分かるが、これは当時のドイツにあってパスポートは必要なかった。同様な事は受け入れ国の日本でも同様で船長が自主申告の名簿を持っているだけで良かったのだ。番組では最後にアンナの2人の孫へのインタビューを行っていた。2人は祖母の事をあまり覚えていないが、優しくしてもらった事だけを覚えていた。そして老年のアンナの写真もついに手に入れる。アンナとは本名がエリーゼであった事が分かる。
▼そして鴎外の次女杏奴(あんぬ)、三男類(るい)の名前も「アンナ・ベルタ・ルイーゼ」から取ったのではないかと推測、指摘していた。ドイツからはるばる鴎外を追って日本へ来たエリスを、彼の家族は出世の妨げになるからと追い返した。しかしエリスは生涯、過ちを後悔して残念に思っていただろうと推測される。そして番組で鴎外は「トリスタンとイゾルデ」を思い起こし(当時レコードなどはない)「イゾルデ、イゾルデ」と呟いて苦悩する場面で終わる。

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