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November 09, 2010

◇「マザーウォーター」を見る。

Taiyakishop
(駿河台の鯛焼き屋さん)
▼朝刊によれば、海上保安庁が撮影した流出ビデオを見た人から「激励のメッセージ」が250通ほど届いているという。その殆どが「良くやってくれている」という内容で、流出が「怪しからん」というのは25通くらいだったという。さらにメールは770件で大半は激励する内容だった。さらに昨日は検察は「流出した人物を特定せず、起訴処分にした」という。普通の刑事事件ならばでっち上げでも「容疑者」を特定してしまうのに、検察というところは自分の都合で、「決着」してしまうところだな、というのが率直な感想であろう。
◇「マザーウォーター」、昨日「森崎書店…」の検索用語もあったが、もう一日待っていただきたい。とある地方都市の小さな町の話(実際のロケ地は京都で、わたしの春に行った加茂川の飛び石もでてくる)である。ウィスキーしか出さないバーを経営するセツコ(小林聡美)、風呂屋のオトメ光石研とその祖母マコト(もたいまさこ)、喫茶店を経営するタカコ(小泉今日子)。そして大徳寺近くの豆腐屋で働くハツミ(市川実日子)といつものスタッフが登場する。もたいは居候のような形で妻に去られた息子が経営する風呂屋にいて、まだ1歳くらいの孫をあやしている。
▼もたいの楽しみといえば散歩の途中、豆腐屋に立ち寄って豆腐を一丁注文し、店先で食べるのが楽しみである。店員は客から「店先で食べたい」という要望があったので椅子を置いて食べられるようにしたという。客が食べ始めると、醤油をさりげなく側に置いて立ち去る。
▼世間の雑踏とはかけ離れた生活をしているマコトの日常を中心にこの映画は進んで行く。みんな焦らずセカセカ動き回らない。ある意味で「なるようにしかならない」ことを楽しんでいるようにも思える。都心に住んでいて一番嫌なのは歩いていて人にぶつかること。時間を気にして急いで歩かねばならないことだ。9月に松江に行ったときの驚きは繁華街を歩いていても人にぶつからないことだ。それに夕暮れになると宍道湖で釣りなをしている大人がいて、夕焼けを背に遊んでいる子ども達がいることだった。
▼狭い町に住んでいるのにお互い知り合いではない。最初はハツミとマコトが顔見知りである程度だ。バーにしてもセットだがかなり古ぼけている。出すメニューといえばサントリーの「山崎」を使った水割りと、オンザロックだけだ。なぜそれしかでないかと客が聞くとセツコは「面倒くさいから」だという。つまみはピーナッツのような店なのだが、それでも客はよくぞやってくると思う。普通バーなどは余程美味い物を食わせるか、美人ママがいるとかでないと客はよってこない。だがこのバーはママとの色気なしのさりげない会話が楽しくてやってくるのではないかと思える。
▼喫茶店もあまり客は入っていない。客に「美味しいコーヒー」を入れるコツを教えてと言われるタカコは「ゆっくりとした気持ちで相手の気持ちになって」という様な事を言う。タカコもハツミも、セツコも酒が大好きで昼間っから飲む場面がかなりでてくる。このリラックスするために昼日中から酒を飲む行為を除外すれば(酒などを飲まなくてもリラックスできる)、「この町に住み続けられるか、いつフラッとでていくか?」というのは人間だれにも共通した願望ではないかと思う。同じ日常で同じ人間なのだから、もっと川のようにゆったりとして時間を味わっていいのではと考えさせられる1本であった。
▼昨日朝早出をしたが空振りで2時間ばかり損をした。わたしは午前中が唯一集中して仕事ができる時間である。その時間を取り戻すため、夜8時頃まで仕事をする羽目になった。

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