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December 26, 2010

◇「海炭市叙景」を見る。

Dobletawer
(ビルに写ったダブル東京タワー、狸穴で)
▼東京は通常だと寒い風が吹きすさぶが、今年は暖かいクリスマスだった。渋谷で映画を2本見たら夕方になったので、表参道のモリハナエビルの前で家族と待ち合わせた。しかし行って見るとビルは工事中だった。参ったなと思ったら地下鉄駅を出て歩いて来る家族とドッキングする事ができた。この日表参道で夜景を撮影してから、地下鉄で六本木ミッドタウンに向かった。こちらは身動きの取れないほどカップルで混雑していた。堅く握った手を混雑の場では離してくれれば混雑は緩和されると思うのだが…。そうもいかないようである。そこから歩いて東京タワーまで向かう。この狸穴からタワーに向かう道はとても好きだ。途中ビルにタワーが写ってダブルタワーになって見えた。タワーはチケットを買うのも大行列が出てきていた。撮影が終わってから地下鉄神谷町駅まで約10分ほど歩く。自宅近くまで戻ってくるとスカイツリーの工事用ライトを使った暫定ライトアップが終わる9分前で滑り込みセーフで撮影できた。これらは年内後6回に分けてご紹介したい。わたしの場合飲酒は体力が奪い、免疫力が落ちるので酒はひと月に1、2度しか飲まない。昨晩は120円のペットボトルの水を1本飲んだだけ。あと使ったのは交通費だけだ。
◇「海炭市叙景」海炭市は架空の都市だが、撮影は函館で行われ映画を作る資金は市民や大小の企業の出資金で賄われた。だからその海炭市の風景はわたしが過去に3度ほど行っている函館の風景と重なる。話は海炭市に住む5組ほどの夫婦や家族の愛憎劇からなる。函館と言えばかつてはまずドッグだった。映画は巨大な船の進水式式から始まる。工場労働者の一人は喜びを隠せない表情で船を見つめる。しかし翌日3台あるドッグを一つ減らすと会社側から発表される。彼はまだ若いのに指名解雇の対象者となってしまう。労組と会社側の攻防も一瞬でてくるがそれは今回のテーマではない。解雇されてお金がなくなった姉弟は函館山の初日の出を見に行く。しかし帰りのチケットは買えず(確か片道切符はなかったように思うが、それはさておき)妹だけロープウエイにのせ、兄は歩いて下山するが行方不明になってしまう。
▼映画の話は12月24日のクリスマス・イブで始まりいずれも元旦で終わるからタイミング的にはわたしが見た25日が同時進行とも言えた。もう一つは市内のプラネタリウム施設で働く中年男(小林薫)である。彼は低賃金のため妻(南果歩)はバーだかクラブで働いている。夕方になると念入りに化粧して、最後に香水をシュッと一吹きして出掛ける。夫の夕飯など作っているヒマはない。夫と息子の関係も同様に冷え切っており、学校から帰宅すると部屋に引きこんでしまう。夫は妻が時々帰宅せず朝帰りする行状を疑って後を付けたり、携帯の着歴を見せろと迫るが夫婦の溝は広がるばかりである。
▼もう一組これがメインになるのだが、プロパンガスの販売店の経営者(加瀬亮)の会社と彼の家族の話である。ドカジャン姿の加瀬は軽乗用車に大きなプロパンを使って配達している。その様はまったく堂に入っている。経営を広げようと、内地から来ている浄水器販売員を使って販路を広げようとしている。しかし数人いる社員はそれを嫌がっている。また同級生の愛人がおり、妻はそれを敏感に察知し家族や娘との関係もうまくいていない。特に加瀬が未収になっているヤクザのプロパン代金を集金にいって、荷物を下ろすとき足を潰して動けなくなってしまう場面は、人間関係を凝縮していてすさまじい感情が伝わって来る。
▼あと浄水器販売員と海炭市の路面電車の運転手をやっている父親の、付かず離れずの微妙な距離感が出てくる。2時間半という長い映画で、監督は家族であっても決して踏み込めない距離感を訴えたかったのではないかと思う。渋谷ユーロスペースで上映中。

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