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May 21, 2011

◇「四月の涙」を見る。

▼昨晩あるところで、「お金持ちは沖縄の不動産を買って逃げる準備をしている」という話を聞いた。沖縄にも原発を作る構想はあるし、もし中国の原発が事故を起こしたら被害をもろに受ける。東電や電力会社に一矢むくいないで逃げてばかりいたら一生逃げ回る人生デヴィッド・ジャンセンの「逃亡者」になってしまう。
◇「四月の涙」フィンランドはロシア革命の翌年の1918年、国内で「革命」が起きそうになる。そのとき国内では白衛軍と赤衛軍に別れて戦う事になる。赤衛軍は男女平等という考え方から女性の兵士も男性と同じ数で組織されていた。そのある女性だけの部隊は白衛軍の待ち伏せにあって、悲惨な状況で半数くらいが生き残ったところで投降する。しかし彼女たちを待っていたのは白衛軍による女性兵士に対するレイプである。そして暴行が済むと、野原に一列に並ばせて、向こうに逃げろと指示し背中から「逃亡兵士」を殺害したとして銃で狙い撃ちする。
▼しかし白衛軍のアーロ軍曹は知識人で常識も持ち合わせている。上官に「裁判を受けさせないで殺すのは間違っている」と指摘するが聞き入れられない。殺害された中でたった一人美しいミーナだけが怪我をして生き残る。アーロはミーナを裁判に受けさせるべきだとして湖をボートを使って護送する任務につく。ところが湖の半ばでミーナはアーロの銃を奪おうとして湖に転落してしまう。おりからの嵐でようやく岸に流れ着く二人。小屋にあった銛で魚を捕らえたのはミーナである。離れ小島で一夜を過ごすうちに二人は親密な関係になったようだが、それがどの程度だったのかが、後々裁判官の疑問となる。
▼翌朝ミーナはアーロの質問にも名前を明かさない。彼女は生き残って、再び革命に参加できればレイプされても、それは単なる生き残る手段の一つでしかない。ミーナは極めて強固な意思をもった、赤衛軍のリーダーでもあったのだ。裁判官がいる駐屯地にたどり着き、ミーナを引き渡す。判事は教養人であるが、「法令」に従って赤衛軍の捕虜に「銃殺」の判決を下すだけの仕事を淡々と下しているだけだ。
▼ミーナを急しつらえの留置所に入れ、節穴から彼女を観察する判事エミール。アーロに島の一夜でミーナと何があったのかと詰問する。しかし「何もありませんでした」としか答えないアーロ。判事は美しいミーナが生きのびているからには、それ相当の理由があるのだろうと邪推する。引き渡しの滞在期間が終わり、任地に戻ろうとするアーロに自分の本名を教え、「実は残してきた息子がいるが、自分の消息を伝えて欲しい」と頼み込む。
▼軍の規律を守りミーナに正当な裁判を受けさせようとすると、彼女を保護して来たアーロ。ミーナの執拗な誘惑に耐えるがその一方で彼女の美しさに次第に心を奪われていく。彼女は息子の消息を知ることが出来るのか?裁判の結果はどうなるのか?「革命は悪」という一言で断罪することは正しいのか、エミール判事の心も揺れる。銀座シネスパトスのみで上映中。今年上半期ベスト1の作品だと思う。

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