« 「江東こどもを守る会」が放射能汚染を独自調査 | Main | 「直ちに影響はない」が責任は取れないらしいNHK »

June 09, 2011

◇「バビロンの陽光」を見る。

Theend
(ネットで探した,今の日本ピッタリの写真。とても怖い。)
▼NHKBSプレミアムで4月から火野正平が自転車で日本を縦断する番組「ニッポン縦断こころ旅」という番組を放送している。週に4日放送しているが、わたしは殆ど見ている。1昨日は秋田から弘前に入った。途中リンゴの木を見て「何だろう」と言い、あとからテロップで「後ほどリンゴの木と確認しました」と出た。わたしの実家は昔リンゴを栽培していたから、見れば一目で分かる。数年前に綾瀬はるか主演の映画「ICHI」が公開されたとき、ラストシーンが、手入れのされたリンゴ畑の脇を歩いていたのには驚いた。映画関係者にリンゴの木の見分けられる人がいなかったのだろう。
▼火野はこの日弘前大学に行って学生寮を案内してもらう。手紙の主が入学してから寮でしごかれた話を書いていたので、弘前大学寮歌を再現してもらっていた。新入生のしごき方はどこの学校も同じで、戦前の軍隊と何も変わっていないと思う。そして8日夜は青函連絡船乗り場だった。投書した関西の人は卒業旅行に本州最北端のここを目指した。しかし季節が3月だったので淋しい陰影をもった青森港ではなかったと歎いていた。彼女の母親が映画好きで、どうやら水上勉の「飢餓海峡」をイメージして来たらしいのだ。このイメージはわたしの作ったカレンダーの今年「12月」が、まさにこの十和田丸になっているので、ご覧頂きたい。
▼◇「バビロンの陽光」イラクのフセインが倒された3ヶ月後。老婆と少年は二人で父親が収監されているとされる1000キロも先にある刑務所を目指してヒッチハイクを始める。何せ少年の父親は12年前に兵隊として連れ去れただけで、消息はあまり分からない。少年は道を歩くのは嫌だとだだをこねている。あまり車が通らない道で、老婆が必死にトラックを止めると運転手は「500ディナール出してくれ」という。どうやら二人はクルド族らしく、老婆の言葉は運転手には通じない。そして孫のアラビア語だけは通じている。何ヶ所かの検問の末にようやくバクダットに到着するが、ビルも崩壊して火災も多数発生している。瓦礫の山のなかアメリカ軍のハンビーやエイブラハム戦車が走り回っている。トラックを降りるとき、運転手は身の上を気の毒に思ったのか「カネはいらないよ」と突き返す。
▼それでも少年はオンボロのバスが走っている停留所を探す。そこで少年は地元の少年が煙草を1本ずつばら売りにしているのを手伝ったりして仲よしになる。ギュウギュウ詰めで満員のバスは少年だけを乗せたまま走り出してしまう。居眠りしていた老婆は慌てるがバスには追いつけない。それを見た煙草売りの少年が追いついて合図し、バスの乗客が騒ぎ出しバスは停まる。老婆の胸にしがみつく少年。
▼目的地に着くとすでに刑務所はない。ただ一つライ病患者の収容施設があり、名前は同じだがもう顔が崩れているから面会させられない、という。老婆は無理に頼み込んで会うが別人だった。いくつかの収容所には老婆の息子の名前はなかった。それではと無縁墓地なのかと訪ね歩く。発掘した遺体と名前を照合してもらうが、息子の名前はない。フセイン時代に逮捕されて、行方不明になった人は100万人を超えるとされている。とうてい二人の手には負えない。途中で知り合ったシーア派の男性が「探すのを手伝う」と申し出てくれるが、老婆は「宗派が違う」と頑なに断る。どの墓地を訪ねても見えるのは無残に殺害された人々の無数の髑髏と骨だけ。
▼母親と父親譲りの縦笛をもった二人の旅は絶望と焦燥と絶望感だけが募る。さらに日本の東北以上に復興の兆しも見えない。そこに祖母が「息子に一目だけでも会いたい」という悲しみと怒りだけだ。ドキュメントに見えるがこれはあくまでもシナリオがある劇映画だ。監督はフセインの独裁政権によって引き起こされた虐殺という歴史の汚点を直視し「まずこの現実を直視し、死者に人間としての尊厳を」を与えよと訴えているに違いない。
▼マイケル・サンベルの「これから正義の話をしよう」は図書館に頼んで8ヶ月目にようやく届いた。昨日から読み始めて3分の1は読み終えた。今日中に読み終える予定だ。
611の反原発市民集会は全国各地で行われる。黄色いリボンか目印を付けて、国会や首相官邸をグルグル歩くというのもある。お時間のある方はぜひご一緒しましょう。わたしは@芝公園に行く予定です。同行される方には集合地点をお知らせします。

|

« 「江東こどもを守る会」が放射能汚染を独自調査 | Main | 「直ちに影響はない」が責任は取れないらしいNHK »