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July 31, 2011

「水俣」も「福島原発」の爆発も根っこは同じ。

Gaigar
(「ガイガーカウンター」を売る店、秋葉原にて)
▼深夜2時の地震は東京でもかなり揺れたので驚いた。一瞬NHKラジオのスイッチを入れ、身の回りに津波が来ていないか耳を澄ませた。
▼ゴーヤの話には若干続きがある。Mさんはゴーヤを沢山収穫しようと、鹿沼土を買った。しかしその後放射能汚染が気になって調べて欲しいというと、「二週間ほどまってくれ」と言ってそのままになっている。何か体内汚染が心配なのだという。ゴーヤは摘芯と肥料であって土は心配ないと思うのだが…。わたしは専門家ではないので、黙っていた。
▼昨日の「愛川欣也パックイン・ジャーナル」では、今の日本は1945年8月15日に次ぐ歴史の曲がり角にきた。つまり45年は自分の力で民主主義を勝ち取ったとは言えない。その後最近まで「教科書問題」に見られるように「戦後レジームからの脱却」が言われ続けて来た。しかし311の今こそ、自分たちの手でほんとうの民主主義とは何かを考えて実行すべきときだ。原発爆発が収束するまでには100年単位のスパンが必要かもしれない、それは日本のあちこちに「汚染地域」が広がり、「汚染食料」が蔓延するなかで、それを承知しながら少しでも良い方法を選択することになろう、という事だった。
▼長い討論だったので出席者が言わない言葉も入っているが、要するにそういう意味だとわたしは受け取った。今朝4ch系で「遠くに行きたい」は青山学院の生物学者福岡伸一が水俣を旅していた。そこで福岡は「企業(チッソ)が発展するために、水俣湾の汚染が隠蔽されて多くの犠牲者が出た」という事を指摘する。とりもなおさずそれは企業つまり東電の発展を許し、それと引き替えにわたしたちは物質が溢れた一見豊かな生活を送ってきた。しかしそれは地震が来たら破壊するという砂上の楼閣の様なものだった。そして被害を一貫して事故の被害を隠蔽し続ける電力会社。わたしは福岡伸一の旅を見ていて、水俣と福島原発も共通していると思った。
▼昨日は岩波ホールの「おじいさんと草原の学校」の初日初回を見に行った。初回はいつも支配人の岩波律子の挨拶がある。総支配人の高野さんは具合でも悪いのだろうかここ数年まったく出て来ない。岩波さんは紙に書いた文書を読み上げる。もっと事前に練習してくればいいのに、つっかえつかっえ読む、しかも締めくくりは毎回同じだ。映画は「ブーリン家の姉妹」の監督だからイギリス側から見た、ケニア支配の歴史観が多分に入っている。映画のスタンスは「マンデラの名もない看守」ににていると思う。周囲では後半すすり泣きをしている人が多かった。「??」
▼映画が終わってからいつものように秋葉原まで歩いた。家にもう一本LANケーブルを引き回す必要がでてきたからだ。現在1本はメインのPC2本目はノート。3本目はHDDレコーダー。4本目は家族用、5本目をリビング常時使用に引っ張った。探すとフラット型ストレートLANケーブルが10m880円でで売っていた。わたしは無線LANというものはセキュリティ上信頼できないので、一切使っていない。その店の隣を見たら外国製ガイガーカウンターが3万円台で売っていた。近く国内メーカーで2万円以内のものが発売になるらしいけど…。

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July 30, 2011

「原発」あっての「リニア」かな?

Goya
(我が家のベランダで栽培中のゴーヤ。今朝は14cmです。)
▼昨日の衝撃画像はいかがだったでしょうか?みなさんの頭の中も血管の太さの違いはありますが、大同小異でしょう。Mさんが自宅ベランダでゴーヤを栽培していて、「今年は大量に収穫できそうだ。先着100名にあげる」とコラムで豪語していた。昨日あったときいくつ実が付いているかお聞きすると「7個」だという。コラムを読んだ人からすでに20個くらい申込みがあるらしい。現時点でも13個不足している。100人から申込みが殺到したらおそらく近くの八百屋さんで買って送るのだろう。
▼わたしのベランダには現時点で3個のゴーヤがなっている。そのうち一つは食べられそうなので、ここ数日中に胃袋に納まることになろう。一週間前に水戸まで出張した事は書いたとおりだ。昨日その出張先から「お土産」のメロンが届いた。出張の時は一泊だったので着替えとネクタイなど、それにノートパソコンをバッグに入れて引っ張っていった。先方の担当者は「荷物が重そうなので、お土産は送りますから自宅の住所を教えて下さい」と言われて帰宅した。
▼ドイツ気象局へ粒子拡散予測の継続をだしましょう。このブログでもご紹介しましたが、福島第一原発爆発直後から、ドイツ気象局の福島第一原発の拡散予報を毎日発表して来ました。本来ならば日本の気象台がやるべきことですが、残念ながら日本はその義務を意図的に放棄しています。ドイツ気象局は昨日29日で一定の目的を果たしたとして、この予測を中止すると発表しました。しかし「要望があれば続ける」とも言っています。ぜひ皆さんの「継続の声」をお寄せ下さい。
▼お願いついでに『鍵盤乱麻』1面トップにある「ゲストハウス」が一ヶ月間更新がありません。このまま行くと閉鎖されてしまいます。月に2、3回は執筆しても良いという方はお申し出下さい。執筆に必要な手順をお知らせします。
▼昨日の朝日の投書欄にも「リニアは中止か延期を」という声がありました。昨日発行された「週刊金曜日」7月29日号にも同じような意見がありました。投稿した川村晃生さんはご自分で計算した数字を挙げてその不明朗な点を明らかにしている。東京→名古屋はピーク時で一日5本で、一日の消費電力は388万Kw。東京→大阪は同6本で999万Kwという計算になった。川村さんはある識者からリニアは起動・加速時に必要とする瞬時ピーク電力がある事を教えられる。実現しなかったドイツのリニアから換算して、これを日本東海道新幹線にすると32万Kwで、それを日本のリニアのピーク時8本に当てはめると256万Kw(原発2~3基分)の電力が必要になる。葛西JR東海会長が「原発継続しか活路はない」(産経新聞5月24日)と言ったのはそういう背景があるのだ。

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July 29, 2011

情報公開と対話「スロー民主主義にしてくれ」高橋源一郎

Nounaigazo
(わたしの脳内血管画像)
▼指定された時間にクリニックに行ってMRI検査を受ける。このクリニックは小さいが検査機器が充実しているので、年配の患者さんも多い。わたしが6年前に入院した、テレビドラマのER風に言うならBカウティ総合病院はMRI検査は申しこんでも3週間待ちだった。それに検査をした方ならばご存知かも知れないが、20分間に渡って、ガンガン、カンカン、コンコンという音が頭の中で響き渡る。Bカウンティの場合は耳栓として綿ボールを渡されただけだった。だから音を防ぐという点では何の効果もない。このクリニックの場合は音楽が聞こえるヘッドフォンである。
▼音が響き始めるとどちらも同じだが、気分としては後者の方が遥かにいい。自分が惚けているのではとか、物忘れが激しいという方はぜひドックにおいでになることをオススメする。しかし「心配だから検査をして欲しい」と言うと高いと思う。PET検査など10万円単位でカネを取られる。検査したからと言って脳梗塞や脳出血が治るわけではない。医者に「頭が割れる様に痛い」とか「目眩が激しい」と訴えると、診察に先立つ検査をしてくれるかも知れない。画像はわたしの脳内の血管の様子である。医師に許可を得て撮影させてもらった。断面図はプライバシーになるのでご紹介できない。昔はプロフィールに顔写真を掲載していた。しかし黙って人の領域に踏み込んで、挨拶もしないででていく人が多いので、顔写真の掲載は取りやめている。
▼昨日の朝日「論断時評」で高橋源一郎が「スローな民主主義にしてくれ」というテーマで書いている。その内容はこのブログでもご紹介した「20万年後の安全」である。先日河野太郎のツイッターを見ていたら国会内で、この映画を田中康夫と柿沢未途に呼びかけて上映したと書いていた。前者はともかく後者はかつて、都議時代に首都高を酒気帯び運転をしていて逮捕された経緯がある人物だ。この人がなぜ今みんなの党に入っているのか分からない。
▼高橋はフランスの思想家ジャック・アタリが「100%の透明性ですべてを公表せよ」と発言している。また日下公人が「民主主義国家でなければ、いかなる国でも原子力エネルギーを使うべきではないと思います」と発言していると紹介する。そして丸山仁が必要なのは「私たちの意見は、熟慮を介して、また他者との真摯な討論を通じて、はじめて確固たるものに成長する」。だから必要なのは「熟慮民主主義」(スローな民主主義)だ」と言う。たしかにわたしも性急な結論づけを色分けだけをする人達や集団にその必要性を思う。
▼22日NHKBS歴史館で「暗号名ブロークンアロー/隠された核兵器事故」が放送された。クリスチャン・スレーターとジョン・トラヴォルタ主演で1996年に同名の映画もあったが、「ブロークン・アロー」とは核兵器事故の事である。出席したのは軍事評論家の小川和久、学者の藤原帰一、それに不肖宮嶋茂樹だった。それによれば核兵器が開発されてから、世界中でいかに多くの核兵器を紛失、爆発直前まで行った事故が多いかだ。まず1966年1月。スペインの田舎町・パロマレスに、突然、核弾頭が降ってきた。上空を飛行していた米軍B52戦略爆撃機がKC給油機との接触事故をおこしたのだ。4発の核爆弾を落とし、3発は海中に落ちて1発だけ地表に落ちる。爆発は免れたものの、町にはプルトニウムが飛びちって汚染された土壌をアメリカに持ちかえる。政府とアメリカは政府要人が海水浴までやってみせて「安全」を強調する。事故のその他デンマークは沖縄海域でも起きているが、アメリカは知らん顔かひたかくすだけ。番組の最後に小川は「人間の欲望には果てがないから軍備を増強して相手を威嚇するのです」という。司会の渡辺真里は「敵の恐怖、というのは前面から来るのより、背中から来るのが一番怖い」と話していた。まさにマスメディアは権力と一体となって、国民に「恐怖」を突きつけて脅すのである。

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July 28, 2011

NHK教育TV「白熱授業/広島」(前編)を見る。(2)

▼昨日書いた入院中に自分でやったリハビリは、もう一つ発声練習があった。診断直後、「早く病院に来なかったから言語障害が残るかも知れない」とも言われた。元もとわたしは発音がはっきりしていないので、家族に注意して喋るように言われている。これ以上聞きづらいとみなさんにご迷惑をかける。これに対して病院は何も指導がなかったので、ほっぺたを右左順番に自力で膨らませたり。50音を順番に発声して訓練をしていた。
▼昨日の朝日には会津若松で観光客が激減して例年の1割程度に減ってしまっているという記事があった。さらに投書欄には「節電強いられ不快な旅行に」という船橋在住の33歳の男性が投書があった。関東の某温泉の大規模ホテルに行ったら「節電」と張り紙があって、自動ドアも動かずサウナも停止、夜間は照明がおち、エアコンも弱で館内な蒸し風呂状態だったという。これは「国難」を理由にした新たな利益追求方法だろうと想像される。世の中は善人ばかりではないので、こういう事が起きる。そういえば先日電力を一切使わないオートドアという物を発見した。
▼さて「白熱授業イン広島」の続きである。ジョン・ロールズの「正義論/改訂版」は7800円ほどで出版されている。どなたか読書速度が速い方がいらしたら、読んで要約を紹介していただきたい。わたしの読解力ではせいぜい一時間で200ページの新書版が読了できるくらいだ。それにわたしは仕事に直接関係ない本のために8千円近くも出せない。
▼ジョン・ロールズは、正しい戦争とは何かという考えをまとめる。1)達成目標、2)まっとうな議会があって非民主的でないか?3)戦争の責任を取ることができる指導者がいるか?4)戦争遂行者と非戦闘員が区別できるか?5)相手国の非戦闘員の人権は保護されているか?あと5と6があったがメモができなかった。わたしも正座して録画ビデオを見てる訳ではないので、メモが必ずしも正確かは保障できない。
▼会場から16年間アメリカに行っていた帰国子弟が発言していた。彼の意見によると「自分がアメリカで受けた授業の中でホロコーストについては教えられたが、広島の原爆投下については一切なかった」というものだった。ここから想像できるのは、原爆投下はアメリカ人にとってはあまりにも当たり前の事だったのだろう。だから戦後も「反省」の俎上にすら上っていない。つまり原爆投下はロールズが指摘する「回避可能な危機」ですらないのだ。
▼会場に来ていたリーさんというアメリカ人らしき人(英語を喋って通訳が付いた)は、指導者に選んだ人を失敗したからと言って、次の選挙で落とす事ができるのか。少数の人が多数の犠牲になっていいのか?と問題を提起していた。川本教授はアメリカを中心とした考え方はいまもなお「悪をやっつければ(軍事的制裁)いい」という考え方から一歩も先に行っていない。むしろ戦争を起こさない方法とは何かを考えなければならない、と締めくくった。後編は31日の夕方NHK教育TVで放送されるのでご覧いただきたい。

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July 27, 2011

NHK教育TV「白熱授業/広島」(前編)を見る。

▼猛暑の夜はお酒が一番良いようである。といってもビールを飲むと夜中に身体中が痒くなる。一昨日は缶ビールの一番小さい一口サイズのものにしたがダメだった。一昨日ダメ押しがでて、仕事のやり直しを夜中までやったが、ダメだと思って、昨日午前中再挑戦して完成させた。充分点検してメールで送ったが、先方から一ヶ所の疑問がよせられた。調子が悪いときはそんな物である。仕事が一段落して常備薬が残り3日になったのでクリニックに出かける。暑いので患者は少ないと思われる午後3時からの診察を申しこんだ。昼休みに順番を確保しにいくと「7番です」と言われる。それで3時20分に着いたら、1人が診察中で、2人欠場だったため、5分も待たずに受診できた。といってもわたしは血圧測定だけだ。カルテを看ていた医師が、2年間MRIやっていませんね。明後日検査しましょう。空いてますか?と言われる。脳幹に出血して倒れ先日6年目を迎えた。
▼あの時右手の人差し指と小指に力が入らなくなってしまった。医師は何も指導してくれなかったが、自分で入院中も一生懸命リハビリをした。お陰で今は何不自由なく動かせる。ただ夏は人一倍、涼しい格好をすることと、水分の補給だけには気をつけている。
▼日曜日NHK教育TV夕方放送された「白熱授業インジャパン/広島編」はご覧になっただろうか?あのマイケル・サンベル教授ではなく、取り上げられたのはジョン・ロールズという元ハーバードの教授で60年代に「公正としての正義再説」岩波から、「正義論」という本を昨年11月に紀伊國屋書店で出版している。授業を進めたのは東大大学院川本隆史だ。「白熱授業」の亜流はNHKでも沢山放送されているが、きわものや儲け話が多くつまらないものが多い。
▼川本教授は母堂が被爆者であったと話し、広島と今の福島の状況の似ている面を参加者に探させ、発表させる方式を取った。まずサンデルも言っている、「正義の2原理」とは何かについて触れた。みんなが豊かで幸せならば全てよいのか。平等で自由の原理をという問題提起をする。第二原理とは公正な議会がある場合の原理と、格差を是正する原理にもふれる。
▼良く知られているスミソニアン博物館にの原爆を投下したエノラゲイB29爆撃機を展示した脇に「広島の被爆」を展示しようとしたところ、全米から2万通にも及ぶ抗議が寄せられて中止を余儀なくされた事件がある。そのアメリカ人の抗議の中身というのは「原爆投下はアメリカ人兵士の命を救い、かつ日本人の犠牲も少なくした」という論拠である。著者のロールズは一兵士として第二次大戦にも参戦し、被爆直後の広島も見ている。では正しい戦争とは何か?と絶対平和主義の在り方についても触れる。(明日に続く)

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July 26, 2011

◇「いのちの子ども」を見る。

▼昨日のアクセス解析をしていると「辺見庸」と「坂本義和」が急増していた。両氏とも著書を沢山だしておられるので、最低各3冊くらいはお読みになることをお勧めする。
▼仕事が一段落したところで所用で秋葉原に出かけた。しかし2時間かかるというので、預けたまま「後日来る」と言って帰って来た。土曜日は携帯のマニュアルを読んでいたら、頭の芯がかなり疲れたが、逆に眠れなくなってしまう。日曜は前日の事があったので「癒す」と言われるジャスミン・ティーを飲んだがこれも効果はなかった。昨晩は最後の手段として酒を少々飲んで見たところ、午後9時半には眠ってしまったようだ。冷凍庫に頭を
冷やす枕(敢えて商品名は書かない)を入れて置いたが、それを使うまでもなかった。
◇「いのちの子ども」パレスチナとイスラエルの関係は昨日のブログで多少分かっていただけたと思う。本編の上映に先立ち通信社の専門家が、イスラエルは2000年前に「イスラエル王国」というのがこの地にあった。しかしローマ帝国の出現によって、この地に住んでいたイスラエル人は世界各地にちりぢりになった。第二次大戦でドイツではナチスによるホロコーストで、ユダヤ人の絶滅構想が実行される。戦争が終わって世界中に住んでいたユダヤ人の帰国、建国運動が始まって、大昔のイスラエルに戻る。その地に住んでいたパレスチナ人が追い出されて、国連決議に冒して続けられている今日の、イスラエルの植民地主義問題がある。
▼ガザ地区に住んでいるパレスチナ人夫婦は、生まれて4ヶ月の子どもが免疫力が低下していて、骨髄移植をしないかぎり生存できないと診断される。さらに夫婦の2人の子どもは同様の病気で亡くなっている。ガザ地区には病院は破壊されて手術できるような規模の病院は最早存在しない。そこを脱出してイスラエルの病院に夫婦はようやく入院する。この映画は2人の様子を追ったイスラエルのビデオ・ジャーナリスト、シェロミー・エルダールによって克明に記録されたものだ。夫婦との会話はこのエルダールによるものだ。
▼骨髄移植は身内のそれが一番合致する可能性が高い。まず弟妹は不適格で、ガザから叔母が呼び寄せられる。この叔母のガザからの脱出も実は容易なことではない。血液検査で白血球が合致しないと診断される。医師は思案した挙げ句、ガザにいる14人の従妹達はどうかと考える。しかしそれほど大勢の子どもたちがイスラエルに入国することは不可能である。現地の医師に連絡をして、何とか14人の血液を採取して、密かに病院に持ちこまれる。検査の結果、そのうち2人の従妹が適合する事が分かる。手術には4千ドルもの巨額な費用が必要だ。エルダールはTVで訴え、ユダヤ人の匿名の篤志家の寄付で手術ができることになる。
▼エルダールは骨髄移植が成功し、抗体が合致して容態が安定するまでパレスティナ人の母親に聞く、「赤ちゃんがどう育てたい?」すると「イスラムの教えに忠実なジハードもいとわない子どもだ」という言葉を聞いて愕然とする。「パレスチナの人にとって子どもの命は大切ではないのか?」と聞くと、「アラーの教えに従うことが第一で、命を長らえるのはさほど大切な事ではない」と彼女は言い切る。ハマスによるエルサレム攻撃によって手術に携わった医師の1人は3人もの子どもを爆撃で亡くす。エルダールが医師を捜し出して電話すると、医師は子どもを失った悲しみで泣き叫んでいる。
▼母親のライーダはイスラエル人の篤志家から援助を受けたと、パレスティナ人からネットで中傷を受ける。さらにエルサレムの帰属を巡ってはエルダールと口論をくり返す。子どもの命を救おうとするジャーナリストと母親、篤志家の関係は映画で決着はしない。だが相手の心の痛みは分かり合えるという関係はこれからも続くであろうと予想される。ヒューマントラスト有楽町で上映中。

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July 25, 2011

最近の中国のエライさんはみんなお役人風情ー永六輔

▼昨晩NHKで午後9時から「東京スカイツリー/世界一への挑戦に密着」のドキュメンタリーを見た。あの311の地震前後にあのよなゲイン塔が反時計回りにずれてしまう事態が起きているとはまったく想像もしていなかった。さらにわたしはあの地震の直後、家の近くに異常はなかったか回って歩き、スカイツリーも撮影している。まずゲイン塔と呼ばれるアンテナ部分をなぜ引っ張り上げるのか分からなかった。番組によれば高い所では風が強くて溶接にムラができてしまう。そのため風が少ない地上で組み立てて引っ張り上げるという工法が取られた。
▼しかし組み立てた時の誤差は頂点で精度は6cmだ。地上から624m積み上げた頂点で、設計図の頂点とわずか6cmの誤差しか許されない。大林組の技術者が設計者に聞く「6cmを超えたらどうなるんでしょうか?」設計会社の技師長は「そうしたらもう一度作り直しだね」と平然と言い放つ。しかしプラモではないから、その費用は素十億円になるだろう。最後は再びたつ事がない頂点の畳20畳くらいの囲われたスペースで20人ほどの技術者がセルフタイマーで記念写真を撮る。そして思わず「バンザーイ」と叫ぶ。これぞバンザーイと言う言葉がぴったりだ。
▼先週の「愛川欣也パックイン・ジャーナル」の後半でも取り上げられていたが、資源エネ庁がツイッター等を常時監視し、「原子力」などキーワードに「風評被害を招くおそれのある正確ではない情報又は不適切な情報を調査・分析」する業者入札したという話だ。まだ応札した会社はないが、これは事実上の情報統制だと思う。 自民党もメディアチェックをすると言い始めたが、これと同じ事を自民党は70年代にmやっていたが失敗した。自民党の方は党のカネを使うので、内容はともなく自己責任でやれば問題ない。しかし資源エネルギー庁は税金でやろうとしているのが、姑息で民主党がいかにツイッターやブログなどネットを恐れているかの証でもある。これが仕様書です。
▼「週刊金曜日」7月22日号で作家の渡辺京二と法政大教授の田中優子が「伸びやかに、人と人が、離れすぎず付き過ぎず生きた時代」という対談をしている。対談の最後で渡辺が「僕も本当は政府なんかに頼らない世界を作りたいよ。でもそのためにはみんなが大人にならなきゃいけないからね。(中略)」田中「社会や政治をどうするとかじゃなくて、一人ひとりがどんな佇まいで、どんな風に人との関係を築いていくのか、これだと思います」この意見はまったくわたしも同じで共感を覚える。
▼上海郊外で中国の新幹線が追突事故を起こして34人が亡くなった。同じ「週刊金曜日」で永六輔がこう言っている。「昔の中国のエライさんは英雄という雰囲気があったよ。毛沢東、周恩来、鄧小平…。最近の中国のエライさんは、みんなお役人風情なんだよな」まったく同感だ。

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July 24, 2011

このところ急増する気配の「反ナチ映画」のねらいは?

▼気のせいばかりだけではないと思うが、このところハリウッド製の「反ナチ映画」が目白押しと言っても良いくらい増えている。別にわたしはナチズムを容認してはいない。かといっていまのイスラエルを全面的に肯定もしていない。イスラエルがアメリカ議会に巨額なビューロー資金を提供している事は知られている。そしてリンクにあるようにアメリカ議会に圧力をかけて意に添わない議員は落選させてしまう。
▼イスラエルがたとえガザ支援する船を攻撃して支援する人達を殺害しても、謝罪もせずに居直っている。この違法行為にアメリカが何一つ口を出せないのも、上記の資金をもらっているためでもある。何回も書いているがハリウッドの多くの映画会社はユダヤの資金によって動いている。だから「反ナチ」の一見こんな映画がと思っていると、最後はハリウッドの「正義」である「ユダヤ」勢力が勝つ結末になっている。良く考えていただくとハリウッド製の戦争映画も必ず「強制収容所の解放」で終わる。
▼なぜこんな事を書いたかというと、昨日有楽町ヒューマントラストで「いのちの子ども」というドキュメンタリー映画を観たからだ。上映に先立ちフィルムの中でAFP通信社の方が、イスラエルという国の成り立ちを説明するのだ。5分くらいの説明だがかなり分かりやすい。それから敬虔なイスラム教徒であるパレスチナ人が、イスラエルの病院で感染症に免疫力のない生まれたばかりの赤ちゃんを様々な人達の協力によって治療する物語が始まる。映画の内容な詳しくは数日後にご紹介する。
▼今時なぜ「反ナチ映画」が増えてきたかというと、おそらく国際社会で孤立しつつあるイスラエルの「昔の正義」をここで盛り返して、今のイスラエルの存在そのものを再評価させようとする狙いがあるように思うきょうこの頃である。
▼原子力安全基盤機構が事故前、原子力防災専門官向けに作成したという炉心溶融シミュレーション画像ですら燃料棒は3時間でメルトダウンしてスルーダウンしている。
線量計をつけない作業員を褒め称える海江田経産相。大臣はまず自分がまずやって「手本」を見せてほしいぞ。一体海江田氏はどういう教育を受けて育ったのだろう。
▼昨日の稲藁のことで若干説明すると、NHKで放送された「放射能汚染」の第二回だったかで静岡や神奈川の茶葉がなぜ汚染されたかという図解付きの説明があった。それによれば放射能は古い葉の上に付着する。その付着した物質は二番葉から新芽に集まってくる仕組みなので、新茶が汚染される結果になるということだった。わたしが考えるに稲=米も同じ仕組みなのではないかと言う事だ。

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July 23, 2011

稲藁汚染問題の本質は距離に関係ないのだ。

▼出張の帰りに理髪店を覗いたら待っている客が誰もいなかったので散髪をしてもらう。職員の人にお聞きするとこの店は今月で終わりだという。駅ビルが全面的にリニューアルするのだが、その後の入居を巡って条件が合わなかったらしい。彼は別に一職員で経営者ではないから、詳しい事は言わない。ただ、「お互い企業だから」と言っていた。チェーン店なので近くの店をいくつか紹介された。しかしいずれも歩いて行ける距離には遠い。いやわたしは一駅くらいなら歩く。しかし二駅もあると、今まで来ていたお年よりはどうするのだろうか?終わってから8月の「基礎英語3」のテキストを買う。③になってから1日録音したものを一回と夜9時半からの番組を聴くようにしている。
▼喋るのは単語と並べれば何とか通じる。しかし相手が何を言おうとしているか理解するのが大変である。1月のブエノスアイレスでも入国するとき、間違った列に並んでいたら、外国人(おそらくアルゼンチンの人が)この列は「マザーカントリーだ」と言ったのを理解してくれたのは、同行したHさんだった。Hさんは10年くらい英語学校に通っているから、耳が慣れていらっしゃるのだろう。今は1日30分の訓練を続けているが、ネイティブが喋るアメリカ英語が理解できるのは2割程度かなと思う。という事はあと5年も訓練すれば、まあまあになるのか?だがその頃には海外旅行などしなくなってしまうだろう。
▼数年前にM氏と五能線に乗ったときのこと、ある駅で地元の老人が乗り込んできて、ニコニコ話しかけるのだが、何を言っているのかまったく理解できなかった。いや海外旅行ならイエスかノーかくらいは分かる。それすら分からなかった。1泊出張の時秋田から来られた方がいらしたので、そのことをお話すると、「それはそうだ秋田は同じ県内でも何を言っているか理解できないこともあると言う事だった。その彼がいつも住んでいる場所とは違う所に商品の説明に行った。自分の言葉が理解されないとまずいと思って、いわゆる標準語で話したら、「そういう気取った言葉を使うと詐欺師の様に聞こえるから、いつもの言葉で頼む」と言われたと言う。たしかそうかも知れない。
▼朝日新聞に紹介された「座っている時間と肺塞栓の関係」という記事です。暑くてもせっせと運動をしていますか?
▼牛の食べた稲藁から高度のセシウムが検出されて、大量の肉牛が処分される。しかしこの稲藁は今年地上に積み置かれていたものだ。考えて見ると今成育して途上にある稲はどうなるのか。放射能も籾の部分に集約されるに違いない。つまり米には一番高濃度のセシウムなどが集まってくる。今年の秋以降に出荷される米の放射能汚染が問題にならない筈はない。稲ワラ問題の本質は距離ではないのか。

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July 22, 2011

「批判力と構想力を持て」坂本義和氏の論文

Koumonsam
(JR水戸駅前にて)
▼昨日は上野駅から常磐線の特急に乗って水戸までやってきた。1週間前の富良野は観光だったが、今回は仕事だ。先日は富良野までチケットを買ったが、時間があったので札幌で途中下車をしようとした。女性の駅員さんに聞くと手数料が必要だという。何千円も取られるのなら止めて駅の構内で我慢しようと思って手数料を聞くと、下車と乗車にそれぞれ200円だというので安心して降りた。駅構内で薬局に入って歯磨き一式を購入したが、レジの脇に野球選手が本番の時に首に巻いている磁気ネックレスがあった。その使用例はダルビッシュなので、なるほどさすが北海道と思った。
▼さてその後富良野に行ってホテルのポスターを見ると、なぜか埼玉西武ライオンズのポスターが大々的に貼ってあるので、一瞬首を傾げた。良く考えてみると泊まったホテルがその系列だったのだ。我が家には熱烈なソフトバンクファンがいる。ついついつられて見ていると西武には何とかかろうじて勝ち越しているが、ファイターズとの差は開かないままで、一昨日現在3分の差で追いつ追われつでまさにストーカー状態となっている。
▼20日の朝日朝刊に国際政治学者で東大名誉教授の坂本義和氏が登場して「批判力と構想力二つの軸を持て論理まだ足りない」と長いインタビューに答えている。とても長いが大きく分けると三つに分類できる。1)戦争責任は日本でも良心的な新しい世代が、今の自分たちの責任をどうとるのかという自己批判が出てきた。だが知識人の構想力は不足しており、感覚に訴えるものだけでは、構想になりえていない。
▼2)大国を志向する動きで中国の指導者は抵抗や暴動が起きても、それが何を意味するのか、中国の民主化という不可避の未來を読む力が弱い。21世紀は、文化的多様性と社会的公正さが、求められる世界だ。3)今回の原発事故で、国境を越えたグローバルな脅威だと身にしみて意識されるようになり、原子力が人類の生死に関わるということ。そして「ひとつの地球」という動かしがたい事実だ。地球上のすべての命とグローバルな正義を基礎として命と」グローバルな正義を、基礎として考えなければならない。
▼わたしが特に面白いと感じたのは中国の分析である。日本には中国の「社会主義」のことを絶対視する勢力が一部にある。しかしそれは「共産党」の名前を語った少数民族の絶対支配であり、言論の自由を奪った支配は秦の始皇帝時代と何も変わっていない。さらに原発被害は国境を越えてしまうという指摘もその通りだ。最近発表された、データの分析によれば福島第一原発の3日後には放射能は地球を覆ってしまっている事があきらかになっている。原発が存続している以上、人類は常に生命の危機にさらされることになる。かつて恐竜は氷河期の到来で絶滅したといわれている。もしかすると人類はこれで絶滅の時期が、意外と早くやって来るのかも知れない。
▼今トップの写真にあるように水戸に来ています。パソコンを使った仕事なのでPC持参でホテルの部屋にもチャンとLANケーブルが来ています。東北地方の方も大勢来ていますが、とても元気なので安心しました。でもみなさん食べものの不安だけは一様に訴えていました。

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July 21, 2011

NHKBSで「911テロに立ち向かった日本人」を見る。

▼昨日ご紹介した原田芳雄の「火の魚」はNHKBSプレミアムで21日の午後10時から1時間05分に渡って放送されるので、ぜひご覧頂きたい。NHKBSプレミアムでは19日と20日午後7時からロスに住んでいる渡辺謙のレポートで「911テロに立ち向かった日本人」というテーマで前後2回シリーズの放送があった。これは簡単に言うと911同時多発テロが起きたとき、当時のアメリカの運輸長官はノーマン・ミネタという日系人だった。
▼同時多発テロが起きたとき、アメリカ全土ではイスラム系の人を排除して飛行機に乗せるな、アメリカから出て行け、アメリカに来るなという動きが広がりつつあった。ミネタは事件が起きた当時、空中を飛んでいた数百機の航空機をカナダなど近隣の国も含めて無事着陸させた。その後このイスラム系排斥運動に疑問を投げかける。つまり肌の色による人種プロファイリングなどで排斥するのは間違っているというのだ。
▼ミネタの祖先は日本からアメリカに移民する。ところが真珠湾攻撃で第二次大戦が始まると、カリフォルニアの荒涼たる砂漠の様な土地のマンザナールに、12万人ほどの日系人は財産も取り上げられて強制連行・強制移住させられる。作物も何も取れないような場所で彼らは辛酸をなめ尽くす。
▼さらに変なのはドイツ系やイタリア系住民には、そのような隔離政策は一切採られなかった。ミネタが911事件の直後から、多くの反イスラムの右派や強硬派と対決したのは、自分たちが戦前受けた人種差別を二度とくり返してはならないという考えに基づいていた。
▼そもそもミネタが政治家になった経緯は、議会に日系人がいないと意見がまったく反映されないということからだった。彼は過去をふり返ると、この肌の色による人種差別が一番ネックになっていると考える。そこで442号という差別をさせない法律(HR442、このサイトで442の事は多少理解できる。)を立法化を目指す。
▼番組では後半高校教師をしているマサオカさんが、教育実践を通じて差別をどうやってなくすか取り組んでいる様子が紹介されていた。また殆どの人が強制収容所から戦後再びアメリカ各地に散っていったが、一人だけのこって生活している田中はやこさんも取材する。渡辺はわざわざ厳寒の気温マイナス33度の現地を訪ねる。体感温度はさらに5度くらい低いのだが、道路を歩いているとき身体がアイスバーンになってしまうと言うほどだった。
▼ミネタは逆境にあった日本人は、この過酷な収容所の状態を「受け入れざるを得ない」いまは「シカタガナイ」だが頑張ろうという気持ちで耐えてきたという。ミネタらの粘り強い運動は結実し、レーガンの時代に彼は正式に謝罪し、補償金を支払う署名をする。この辺など日本は隣の朝鮮や台湾、中国、アジアから奪うだけで何も補償していないのだから大違いである。そしてアメリカ運輸省ににたミネタは、今となっては賛否両論があるがあのTSAという巨大なシステムを作り上げ、肌の色で入国が拒否されない事を実現する。
▼最後に渡辺とNHKスタッフをアメリカ運輸省の一室に招き入れる。そうすると歴代に長官の写真が掲げられており、ミネタのそれにはミネタ自身の大きな似顔、それにアメリカに来た両親と彼の3人の写真が添えられていた。さらにそのバックには槍ヶ岳に似た収容所の象徴ともなった、ウイリアムソン山がくっきりと描かれていた。自分の原点はここにあるのだとでも言いたげな様子で…。

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July 20, 2011

◇「大鹿村騒動記」を見る。追悼原田芳雄。

▼昨晩ドアチャイムが鳴ってでると「読売です、部数が激減しているので困っています。ぜひ購読して下さい」という。「今時原発を推進している新聞が延びる筈はない」と言おうとしたが、面倒なので「読売とは考え方が違う」と言って断った。わたしの身の回りでも2紙取っていた新聞を一紙に減らしたり、一紙だけにしたり、「週刊金曜日」を契約解除したりする人が増えている。おそらく収入が増えない今日にあって、減らしても構わない物、役に立たない新聞などはテレビやラジオで足りると思って、読まなくなるのだろう。
▼昨日のネットでも餃子のチェーン店が震災後2、3割減収になって売上げが戻らないというニュースがあった。さらにお酒も注文しなくなってしまったという。子どもの夏休みの宿題のように「福島原発の収束」は先延ばし、被害は増える一方なので、早く家に帰って自宅で飲み食いした方が良いと考える人が増えているのだろう、と推測される。
▼久米宏の番組で後半日経のライターをしている人物が毎回登場する。自宅は北区のマンションでそこで原稿を書いていると言っていた。久米がエアコンどうしていますか?と聞くと「風邪気味なので止めている」という。わたしもきのう起床すると喉が痛かったので止めて水分を大量に補給したら治った。彼は久米に「エアコン止めてもそれほど影響ないのですよね。実は野村総合研究所のHPに、節電はテレビを消した方が効果がある」とでているんです、という。たしかに液晶TVに触って見るとかなり熱を持っている。
▼昨日蓮舫のツイッターが炎上したという。ドイツから帰国した「なでしこジャパン優勝すごいです」とエールを送ったら、スポーツ関連予算を削ったのは誰だという抗議が殺到した。それは昨日の朝日に選手たちが別に仕事をもちながら、いかに苦労して練習しているか書かれたいたからだと思う。蓮舫の7月18日のつぶやきをクリックすると関連するつぶやきがごらんになれます。
◇「大鹿村騒動記」もう少し後で書こうと思っていたら昨日、この映画に主演した原田芳雄の死亡が報道された。数年前からガンを患っており、腸閉塞から誤嚥で肺炎を併発したらしい。数年前にNHK関西で制作されたTVドラマで室尾犀星原作の「火の魚」を見終わったとき、わたしは涙が止まらなかった。彼は偏屈な作家を演じ、その編集担当の女性が癌になる話だった。NHKハイビジョンで昨年放送されたのを初めてみた。録画はしたがコピーガードのロックを解除して録画しなかったので、HDDに入っているものを見るしかない。先日再放送された「新参者」でも偏屈な時計修理屋のオヤジを演じていたが、この録画は既に消してしまった。
▼長野県南部の大鹿村にバスから3人の客が降りる。運転手(佐藤浩一)が「あれはるちゃんとたかちゃんでないの?」と聞くと彼らは首をヨコに振って降りていく。3人が着いた先は「ディア・イーター」(鹿肉を食わせる)店で、風祭善(原田)はそこで一人で切り盛りしている。人手が足りないのでタウン誌で求人したところ、一人の青年が応募して来たのだ。バスに乗っていたのは14年前に風祭の妻の貴子(大楠道代)と駆け落ちした能村治(岸辺一徳)だった。駆け落ちしたはいいが貴子が認知症になってもう自分の手には負えないと連れ戻ったのだ。そして虫のいい言いぐさで「善ちゃん、どうしようもなくて。返す。」という言葉に、善は激怒する。だが善は、結局、2人を自宅へ泊めることになる。
▼大鹿村には300年前から継承されている村歌舞伎がある。もう村人はそれを上演したり見物するのが唯一の愉しみとしている。村人の諍いや気分的な行き違いによるトラブルを抱えながら、みんなの協力によって乗り切ろうとする。演目は「一ノ谷戦記」の「熊谷陣屋」かと思って見ていたがどうも違う。調べて見ると村歌舞伎には独特のストーリーがあるようで、この大鹿村も同様だった。この歌舞伎は「六千両後日文章/重忠館の段」という外題である。
▼善はこの歌舞伎で敗者である平家のヒーローである悪七兵衛景清を演じている。作品中では、景清の台詞である「仇も恨みも、是まで、是まで」と語り、駆け落ちしたが戻って来た妻を許すという場面と相俟って効果的に使われている。そして本番の前日運転手の佐藤浩一は折からの台風で大けがをして診療所に入院してしまう。自分の役はむかし貴子ちゃんが演じたのでできる筈だと代役を頼む。しかし記憶喪失に陥った貴子にそんな事ができるのだろうか?そう思っている間に村歌舞伎の舞台の幕は上がっていく。♪「恋のからくり 夢芝居 台詞ひとつ 忘れもしない」。

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July 19, 2011

『新聞と戦争』から何を学ぶか?

▼土曜日に録音した「久米宏のラジオなんですけど」を月曜日の夜に聞いた。久米は「先週、中村吉右衛門が人間国宝になった」事を大いに驚いていた。「同期(早稲田)が人間国宝になるなんて。人間国宝なんてもう死ぬ間際の人がもらうものばかりだと思っていたという。それは二人と同年のわたしも同じ事を考えた。続けて久米はなでしこジャパンはアナウンサーとして現役時代から知っていてつき合いがあった。として土曜の段階でこれはPK戦になると予想していた。もう体力がないので、深夜サッカーは録画して翌朝見る。朝ご飯を食べながら、見終えるまでは携帯もPCのスイッチも入れない。彼の家には携帯が2台だけで固定電話はないとも言っていた。
▼人間国宝となると品行方正でなければならないのだろうか?家にいるときもちゃんとスーツを着ていなければならないのだろうか?久米は普段からスーツ姿を連想されるが、家にいるときはよれよれの短パンと、首回りの糸がほつれたTシャツだというので、わたしと余り変わらないという事が分かった。ただわたしは国威発揚に利用されるスポーツ番組は興味がないので、今回のサッカーは一切見ていない。
▼昨日ご紹介した「新聞と戦争」は、メルマガでも書いたが2年ほど前に朝日の連載が一冊の本になった。新聞がなぜ戦争に巻き込まれて行ったかが焦点となる。明治時代陸軍参謀本部は萬朝報らの日露戦争に批判的な新聞を徹底して弾圧した。ところが参謀本部はその後研究をして、硬軟使い分ける事が必要だと考える。とくに新聞に対しては懐柔が有効だとする結論を出す。これは元毎日新聞記者だった作家千田夏光の研究が詳しい。
▼朝日の「新聞と戦争」では戦争中「信濃毎日新聞」(略称「信毎」)が主筆の桐生悠々が防空演習を揶揄した「関東防空大演習を嗤う」を書いた事から、在郷軍人会が新聞の不買運動を始めた事から圧力に屈して桐生を解雇する。桐生はその後一市民として「他山の石」という個人新聞を作って読者に郵送する方法で普及を図る。桐生の生き方は岩波新書にあるのでご覧頂きたい。
▼さて朝日新聞はと言えば戦争報道を積極的に加担することで部数を伸ばした。従軍記者と言っても今とは違って陸軍の、思惑で現地に派遣され軍部の思うような記事を書かされる。しかし読者はその血湧き肉躍る記事に惹かれていく。「新聞と戦争」は膨大な分量があるが、今はアマゾンで古書として千円以下で手に入るのでご覧頂きたい。
7月13日の朝日は「反原発」に舵を切ったと多くの方が指摘している。おそらく「戦争と新聞」の執筆に関わった方々等が長い論議を経てこのような方針を取ったのだろうと推測している。このまま政府と東電の言いなりの事を書いていたら本当に小松左京の「日本沈没」になってしまうのだから。
▼我が家でも食料品は、いわゆる「共同購入」をしている。昨晩その組織で発行している雑誌を読んでいたら、原発に対するスタンスが書かれており、読んでいたらもう「出す声」を失ってしまった。曰く「乳幼児にはミネラル・ウォーターを与えるべきですか?」という質問に「今は東京では検出せずとなって不要です」。「放射性物質が体内に入らない対策は?」には「大気中の放射線量が高い地域ではマスクをした方が安全です」。「東北・北関東の野菜が心配」に「不安なまま食べては『心労』も身体にはよくない。心配な方は『ほうれんそう』などの葉物は避けた方が良いかも知れません。福島第一原発が爆発した直後にNHKに登場した御用学者の発言と何も変わっていないではないか。今朝のNHKラジオ「ビジネス展望」で内橋克人が「協同組合」を高く評価していたけど、これでもそう言い切れるのだろうか?

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July 18, 2011

「原発世論対策マニュアル」を作ったのは読売記者

▼「ギーラ、ギーラッ、大陽が、燃えるよォにィ-」安西マリアの「涙の大陽」だ相変わらず古いな-。それとも「あれも愛、これも愛、多分愛、きっと愛」松坂慶子の「愛の水中花」これも古い、大体歌詞を聞いていてもちっとも涼しくないよ。暑さを我慢して昨日は丸の内東映まで「大鹿村騒動記」を見に行って来た。感想は後日書くが、今年下半期の日本映画でベスト5以内に入ると思う。
▼さて先週の「愛川欣也パックイン・ジャーナル」だ。AERAシニアライターの山田厚史は原子力保安院かどこかで「福島第四原発が爆発した」、というシュミレーションをやった。しかしその内容はとても発表できない内容だったので、封印してしまったという話をしていた。封印された内容については一切口をつぐんでいたが、おそらく首都圏や関東圏も現在の福島の20km圏内と同じ状況になるという事なのだろう、と推測される。しかし東京だけでも1200万人の人がいるのに、そんなに大勢の人たちをどこに避難させるかの見当もつかない。そうなったら北朝鮮かシベリアに移住する事でも頼むしかない。
▼さらに今朝の10ch系「モーニングバード」でも紹介されていたが、「原発世論対策マニュアル」の事だ。これは番組でのレギュラーの横尾和博が「赤旗」(日本共産党機関紙)の切りぬきを紹介していた。この文書は20年前に作成されたのだが、起草したのは当時読売新聞の記者だった人でその後この「原子力文化振興財団」の責任者に納まっている。このリンクには紹介されていないが、出版物に意識的に広告を出して取り込む。原子力事故が起きたときこそ安全性をアピールするチャンスである。ドラマに出演した俳優に台詞として「原発」の事を言わせる、等があった。
▼日曜日朝5時からの「朝日ニュースター」は「パブリック・アクセス」の第二弾だった。この日は「チェルノブイリへのかけはし」という日本の組織が、福島の子どもたちの健康相談をした話だった。行政がやらないので、アンケートを事前に配布して、専門の医師を全国からボランティアを募って対応した。100人くらい集まるかと思ったら、500人の主婦が子どもを連れて診察にやってきた。アンケートの主な意見は「事故があってから子どもに鼻血がでるようになって止まらない」、「激しく咳き込む」などの意見がトップを占めていた。これはチェルノブイリの事故直後と同じ傾向である。国と行政は責任をもって汚染地域に住んでいる子どもたちを、せめて1ヶ月でもいいから安全な場所に避難させてやる必要がある。
▼昨日の朝日書評で「フクシマ論.原子力ムラがなぜ生まれたのか」という本を編集委員のJ記者が書いている。J記者は川鉄公害裁判の訴訟が行われていた当時に千葉支局にいて、その後本社に戻る。一時期朝日新聞労組の委員長もしていた事がある。その後「新聞と戦争」の編集委員もしていた。J記者は書評の中で水上勉のエッセー「原発の若狭」の中でこう言っている。「都市の生活者の次男三男よ、長男の国、辺境の寒村は、放射能まみれになっても、きみたちが、健康で、優雅な文明生活を味わえて、せめて2DKのマンションでくらせるように、人のいやがる原発を抱えてがんばっているのだ、という声を、私は若狭の地平からきく思いがする」。

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July 17, 2011

「慣れるって希望だと思う」倉本聡

▼あるブログを読んでいたら、「さいきん新宿に韓国人や中国人が増えた。原発は食料だけ気をつけていれば大丈夫だ、という事が分かって来たからだろうか?」と書いてあった。先日行った北海道の富良野でも回りの言語は韓国語と中国語(案内文字は台湾と中国本土が)があった。韓国の旅行者は結構富裕層ではないかと思われ、ガイドの他にお抱えのカメラマンも同行させていた。彼らは一様に甲高い声で会話をするので、耳がガンガンする。だがこれも日本にお金を落としてくれる大事なお客様だと思えば、我慢できる。
▼今朝のNHKでも例のセシウムで汚染された牛肉問題を報道していた。現地の農家の人は匿名で登場して、「行政からは汚染された稲藁をたべさせてはいけない、という指導は一切なかった。農業関係の雑誌を見ていたらそのように書いてあったので心配になった」と発言していた。農民にしてみれば、最大の責任者である東電がその場で即金で買い取ってくれない限り、生きていけないから黙って出荷してしまうと思う。
▼一方消費者は「心配だ」という主婦もいれば「大量に食べなければ大丈夫だと聞いている」と半ば諦め顔だった。そう食品の検査は個人ではできない。食品を液体状にして遠心分離器にかけるなど、市販の「放射能測定器」では検査できない。二週間前にNHKで「放射能汚染」の第2弾が放送された。その後半15分くらいの所にチェルノブイリの現在が入っていた。なぜチェルノブイリの人達が汚染地域に居住していられるのか、一つの例が紹介されていた。それは村の各地にある学校の物理の教師に測定器を操作する方法を訓練させている。当然国の費用で測定器も学校ごとに配備されている。
▼村に住んでいる人たちは、近所の人に分けて貰った牛乳や野菜を持参して、そこで計測してもらう。データは即座に解析されて持参した人に知らされる。その結果は個人に返されると同時に国レベルで集約されている。ところが日本のそれと来たら全食品の検査はしていない。さらに計測には時間と、個人負担であり、放射能を計測する機関には検査依頼が殺到していて手が回らないのが実態だ。計測は物によって違うが、一件につき1万5千円以上はするらしい。
▼わたしが一番懸念しているのは牛乳である。食肉は食べたくなければ食べなければいい。だが牛乳はどこの大手メーカーでも「検査する必要」を認めていない。もし発表したらパニックになるからだろうと思われる。今朝の朝5時から朝日ニュースターで「チェルノブイリ」が放送されたが、見ていない。「愛川欣也パックイン・ジャーナル」も途中30分しか見ていない。それもあわせてレポートするつもりだ。
▼富良野に住む作家の倉本聡の「慣れるって希望だと思う」という話。リンクの下の方にあります。

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July 16, 2011

リニアにカネは出しても在来線は見すてるJR

▼昨日は暑かった。それに朝から仕事があったのでブログは15分くらいで書き上げて、ある場所へと向かった。モノレールからいくつかの駅の近くにある場所はMINさんのご自宅の近くでもある。モノレールに乗る前に駅員さんに下車駅を確認したら、一つ先の駅名を言われたのでその通りにしたら、行きすぎで1kmほども歩いて戻る事になった。
▼レッスンは1日6時間を予定していたが、生徒さんが優秀だったので午前中で終わった。その2階の部屋にはエアコンがなくて窓を開け放って講習をした。責任者から「午後になると、暑くてとても耐えられない」と聞かされた。こっちの体力が持つかなと心配になったが、昼前に終わった。MINさんに会ってある物を受け取ったら、ご親切に最寄りの駅まで車で送って下さったのでとても助かる。
▼来週の出張講習のレジュメを書かねばならなかったが、もう集中して考える事などできなかった。福島の畜産農家が飼育していた牛から高濃度のセシウムが検出された。常識的に考えれば200km離れた静岡や足柄の茶葉で検出されているのだから、60kmで検出されない筈はない。それに牛のエサの稲藁だが、「エサに使った」とか、「牛舎に敷き詰めただけだ」と言っているが、牛にはその区別は付かないから目の前にある藁は食べてしまうだろう。
▼ちなみに牛一頭の値段はどのくらいするのだろうと思ってネットで調べると、神戸牛は最高で一頭500万円で、その他は300万から200万円あるようだ。飼育する農家に取って見れば牛を生育させて売らないと現金は入ってこない。農家は大体稲にしても果実にしても1年かかって育てて、その間に使う農薬や肥料は農協からツケで買う。そしてそれらが売れたときに現金が入って、ツケを支払って残りが収入となる。牛の場合もそれと同じだろうから、何年もかかって育てた牛が売れなければ農家は収入が途絶えて資金が回転しなくなる。
▼工業製品とは決定的に違うのはここだから、東電なり政府は少なくともかかった費用はだしてやらないと、農家は再生産ができなくなってしまう。爆発事故が起きたとき「輸入エサをつ買っているから大丈夫」だと言ったのは政府だったか。相変わらず小手先のごまかしで責任を農家に押しつけて「乗り切ろう」としている姿が見え見えだ。
▼昨日の朝日では「在来線復旧阻む壁」という記事が社会面トップに出ていた。東北地方では常磐線を始めJR線の寸断されて復旧のメドがたたない区間が7路線でざっと見たところ約200kmある。第三セクターと言っても元もとはJR線で儲からない区間を払い下げたものだ。こちらは3路線南リアスと仙台空港線は全線不通で、北リアスも全路線の半分が不通になったままだ。
▼在来線7本の復旧だけで1000億円以上と見込まれ用地の買収でさらに金額は膨らむと言われている。JRは吉永小百合の「線路はつながる」というCMを流しているが、それはあくまでも収入の虎の子である新幹線に限っている。おりしもNHKではこの数日リニアの報道ばかりしている。わたしは新幹線でも山陽新幹線はトンネルばかりで乗るのは嫌いだ。どうようにリニアは名古屋まで殆どトンネルである。しかしその電力は原発がになうらしいと噂されている。それに作るための工事費は8兆9800億円だ。昨年度のJRの総収入は1兆6092億円。この収益の95%は新幹線と関東圏の在来線から成り立っている。今回被害を受けた「その他の在来線」の収益は5%だ。だからという訳でもないだろうがJRは「運輸収入を上回る額と投入したら、株主から経営責任をとわれかねない」と及び腰のようだ。
▼儲かるところにはいくらでも投資し、儲からない路線は見すてるという資本の論理がここでも先行している。こうなると地方はますます衰退するのみである。これらは国鉄を民営化してJRにした奴らの責任である。第三セクター路線の復旧は国の責任で行わなければ日本は滅びる。
▼きょう市ヶ谷のトウキョウ・セルバンテスで午後2時からスペイン映画「テシス、次は私が殺される」が上映される。10年くらいまえに高井戸の映画館でみたけど、怖くて怖くて、震え上がってしまった。涼しくなりたい人にはピッタリの映画です。

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July 15, 2011

国民の権利としての「パブリック・アクセス」

▼親戚の新盆のため焼香に行ってきた。そのお宅ではカセットやMDがたくさんあるらしい。何から図書館のCDは借りて来て全部MDにしているという話だった。生カセットテープはよほど探さないと見つからない。先週の報道によればソニーはMDウォークマンの生産を止めると言っていた。MDそのものもそれほど遠くないうちに生産中止になるのだろう。
▼わたしの仕事の依頼で言うとカセットはすでになくなって、最近はICレコーダーそのものや、音源をMP3でCDに焼いて送られて来る。ついでに言うとFDで納品していた物も今年の契約書から「なくてもOK」という事になった。いま我が家には外付けのFDドライブと未開封のFDが30枚くらい積まれている。カセットプレイヤー類もデッドスペースを増やすだけなので、近く処分することになろう。
▼それにつけ7月24日のアナログ放送中止にむけて、テレビ画面のうるさいことと言ったらない。「あと10日で終了します。」という文字がデカデカとでているので、字幕が見えない事がある。そもそも地デジは家電業界が不況で物が売れない、そこで政府と業界が結託して新規需要を作るために仕掛けた国家プロジェクトである。なぜ国民が家電業界を助けるためにテレビの買い換えをしなければならないのか?
▼スカイツリーだって、そもそもその地デジ対策で建てられたものだ。政府のかけ声でも需要は喚起できなかったようだ。もうすでに「売れない」と家電業界のため息が聞こえてきて、省エネ対策の電球や扇風機を売るだけになっている。大体消費不況なのに、消費税を増やしたらますます需要は減少していくに違いない。それにつまらなくてどうしようもない娯楽番組の数々。政府の広報機関に成り下がったNHKを初めとするテレビ局。早くそういうテレビ局は淘汰されるべきである。
▼先週「朝日ニュースター」で「パグリック・アクセス」に付いて放送された。この日は市民レベルの1週間の動きが放送された。その一つは「貧困報道大賞」の表彰式で、湯浅誠や宇都宮健児が写っていた。今後週一回放送されるらしい。つまりそもそもはカナダで始まった方法なのだが、テレビ放送のなかにマイノリティの人達のコーナーを一定の時間放送、報道されることが義務づけられているのだ。アメリカでは「デモクラシー・ナウ」が有名で、そもそもラジオから始まった番組は今やTVが主軸になっている。ヨーロッパでも広がりつつあると言っていた。ところがわが国では民主党の原口総務相が政権についたとき張り切って「やる」と息巻いていたが消えてしまった。
▼マスメディアを本当に国民のための報道機関とするため、パブリックアクセスは、今後権利として要求していく必要があるだろう。神戸では阪神大震災の時、ベトナムの人達が海賊放送同様にFM放送を始めたが、今ではそれはちゃんと認知された放送局になっている。いくら頑張っても紙レベルの宣伝媒体ではメッセージが届く範囲は限られているから…。

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July 14, 2011

火力発電の単価は1Kw5・9円、原発は13・9円。

Deiji
(花の説明には「デイジー」と書いてあった)
▼昨晩ケーブルTVの番組宣伝を見ていたら、ナタリー・ポートマンがハーバード大学を卒業していると言っていた。ハーバードにも「芸能枠」があるのだろうか?松本龍が辞任してから「自分は血液型がB型で直情的なところがある」と言い訳をした事が外電で冷やかされていた。わたしの行っている学校でもイギリス人の先生がいて、日本に来た直後はみんなに「血液型は何?」と聞かれて驚いたと言っていた。わたしの身のまわりにもかつてO型の人が4人もいた。しかしいずれも性格はみな違っていた。だから血液型など一切あてにはしない。
▼旅行の時は書いたようにノートパソコンを持参する。一つは仕事の連絡があるといけないという脅迫観念。一つはブログを毎日更新するという目的で、沖縄の恩納村から北海道の小樽まで担いで回っている。使っているのはパナソニックのレッツノートのかなり古いものでHDDの容量は60Gバイトだが、移動用と限定して使っているので不自由はしない。しかし長時間持ってあるくと肩に重さが食い込む。今回も帰りは衣類の荷物の中に入れて宅配で送ろうとした。封をしてホテルの従業員に託すと、「衣類の他に何かありませんか?」と聞かれた。PCが一台というとリチューム電池がスキャナーで引っかかって配送が遅れるかも知れない」と言われる。15日は朝からこのノートPCを使う仕事があるので、仕方なく帰路も担いで帰って来た。
▼先週の「愛川欣也パックイン・ジャーナル」である。昨晩ようやく見終えた。先週7月8日はゲストが田中優とNY市立大学教授の霍見芳浩さんだった。田中優さんの話が一番面白かった。彼は日本の原発の立地点について話をする。これは田中角栄が作った電力3法で、ある町に原発を作ると15年間補助金がつくので町はハコモノを作ったり、町の予算は潤う。しかし15年で切れるので町は敷地内にもう一つ原発を作る。これが福島でも他でも原発が連続して作られる原因となっている。町は補助金が欲しいから何が何でも、町内に敷地を提供する図式になる。
▼原発の料金が高いか安いか不明朗になっている。田中優が国会図書館を調べたら一つだけ膨大な資料があって、1Kw火力の発電単価が5・9円で、原発の単価はその2倍くらいの13・9円だった。それにはストップしたままの六ヶ所村の再処理の費用は入っていないので現実にはさらに高くなる。だから原発が安いというのは嘘である。日本の省エネの技術は世界で一番進んでおり、EUの3分の2、アメリカの3分の1で済んでいる。
▼かつて電力エネルギーが一番使われたのは2001年だったか03年(筆者の記録ミス)でそのときは原発はストップしていた。そのときですら年間10時間オーバーした程度である。今回原発が止まっているから不足しているというのは嘘で、東北の火力発電所が被災したり石炭が海水を被ったことが一番の原因でこれはもうまもなく解決出来る。電力がこの夏不足することはあり得ない。企業内にある産業発電所はすでに原発60基分の能力を備えている。
▼国民全体が「節電」の呪縛にはまってしまっている。しかし電力は貯めて置く事が出来ないので、夜の節電は意味がない。それが町会の街頭などは定額制を取っているので、節電しても減額にはならない。企業の時間差出勤とか土日に振り替える方式も、無駄が多い。大体前日に天気で気温は予測できるのだから、その時間帯はおよそ1時間ずらせるだけで済むことだ。それなのに政府や電力会社の命令の様になっている事の方がおかしく、危険な徴候だ。
▼夏場はエアコンが一番消費電力を食う。九州電力はかつて密かに実験した事があり、そのときのデータは12分動かして3分止めるだけでエアコンの機能は落とさず節電が出来ることが証明されているのに公表していない。という様な話でした。
▼朝刊によればドイツがレオパルド2型戦車をサウジアラビアに200台売却する事が問題となっているようだ。元のニュースはドイツ「シュピーゲル」7月4日号。これで計算すると1両8千万円ほどだ。このフロントの瓦礫撤去スカートがデモの鎮圧に使われると懸念されている。昨日の補足で云うと三菱重工には自衛隊幹部が天下りしているので彼らの人件費が戦車の価格に上積みされているという訳なのです。

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July 13, 2011

放射能汚染は濃度の高さが問題ではない。

Ravendar
(富良野のラベンダー畑で)
▼富良野のホテルを午前9時40分発のバスに乗って旭川経由で帰宅した。途中の風景を見ていると、盆地の風景がわたしの生まれ故郷である。佐久平そっくりである事に気づいた。バスはまっすぐな道を旭川まで1時間半で走る。途中陸上自衛隊上富良野駐屯地の脇を通と敷地内の第二戦車聯隊に90式戦車が停車していた。今から20年前の1990年に就役したので90式と呼ばれているが鈍重な感じがする洗車である。そもそも世界の最新鋭戦車にくらべてコストが3倍も高い。戦車は大量生産できないと実際の戦争は消耗戦だから役に立たない。しかし90式は科学技術の粋を集めて作られた9億1千万円もする高価な戦車だ。
▼なぜこんな物を作ったかと言うと、戦車だけでなく全ての兵器の国産化を目指している防衛省の考え方だ。それは作る技術は25年くらいで継承していかないと、作る技術が途絶えてしまう。だから防衛省は三菱重工に敢えて高価な戦車を作らせている。わたしなどドイツの4億3千万円のレオパルド2A5戦車を買えばいいと思っている。それにロシアのT70戦車を買いたたけば安くなる筈である。途中かなり多くの高機動車にであった。
▼昨日ホテルにあった「北海道新聞」(略称「道新」)を読んでいたら北海道の泊原発の連載があった。ホテルの新聞を切り抜いて持ちかえる訳にもいかないので、多少間違っている部分もあるかもしれないがご容赦いただきたい。もし北海道で12日の「道新」の朝刊をお持ちの方があったらご覧頂き、この記事を訂正していただきたい。それによれば3月11日泊原発で作業していた外注の人達が1300人が北海道電力(北電)から「きょうは帰れない」と言われたという。作業員たちは何が起こったのか分からなかったが、とにかくコンクリートの床に寝て冷たい仕出しの弁当を食べた。後日その理由を正したところ「道路事情が悪くて通行できなかった」と言われたという。ここからは筆者の想像だが、泊も福島の様な爆発事故が起きることを予測して足止めしたのだろう。
▼さらに泊の住民たちはとても「反原発」などと言える雰囲気はないという。北電が「自社の原発が安全だ」とする説明会を開いた時ですら、「反原発派」だと疑惑を持たれないように出席することはできなかった。というのだ。つまり北電による住民の囲い込みは町内会や村の隣組会をつかって網の目のように張り巡らされているのだ。泊に住んでいる人たちからは「反原発」の声など上がらないだろう。それはおそらく福島第一原発でもそうだったに違いない。「電力会社」様々という関係は日本中に存在する企業城下町の縮図なのだ。
▼肉食牛のセシウム汚染に関しても今朝の報道では出荷直前まで自宅近くで刈り取った干し草を食べさせていたという。農民にしては毎日当たり前の事を続けているだけで、放射能検査にパスすれば儲け物といった事になる。しかしこれは農民に責任があるわけではない。爆発直後に迅速な調査をしてこなかった東電にあることは明らかである。セシウム汚染に関する小出裕章さんの意見。
▼昨日のブログは12日夕方にリンクや画像を追加してあります。

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July 12, 2011

国内観光は日本を元気にするかも知れない

Softcream
(ラベンダー味のソフトクリーム、後ろはラベンダー畑)
▼富良野はどんなところかと言えば、「暑い」ところだ。標高は200~300m暗いで、盆地だからかなり暑い、長野県の観光地の方が遥かにすごしやすいと思う。富良野で有名なのはラベンダーの畑だ。大きいのはTファームというのがあるが、これは千葉で言えば「マザー牧場」のような会社が経営するものだ。昨日はそこにいったがいたるところにラベンダー関係のモノ売り場にあふれている。それにラベンダーのソフトクリーム。社員の着ているシャツは全部ラベンダー色で、ファームの中を走り回るスクーターも同様の色だった。
▼行かなかったがもう一つ町営のファームがある。列車の中から見たところ規模はこちらより小さいようだ。昨日はホテルから巡回バスにのって移動したが、バスストップはワイン工場とか、北海道で有名なチョコレートの売店の前で留まるようになっているが、誰も下車しない。つまり観光地としてシステム化されているが、お金の入るのはこのシステムに組み込まれた人たちだけだ。ラベンダーも今年の場合もうあと2週間ほど先がいいだろう。これは今年の場合で、来年はどうなるか判らない。
▼数年前の新聞に「北の国から」の続編を作ってくれないかな?という地元の人の声が載っていた。新Pホテルは様々なテレビドラマに使われて、その時の写真が貼ってあり、動画も流されているが、ドラマからは「北の国から」のような強烈なメッセージや風景も出てこなかった。それに富良野のどこに行っても相変わらず、さだまだしの「ハミング」が聞こえてくるのも辟易とすることは事実だ。
▼最近鎌田実のブログを読んでいたら、「資本主義の原則に従って、東北を元気にするために東北を観光して、そこで泊まって、食べ、お土産を買おう」と書いていた。なにやら鎌田と一緒にツアーに行こうという話で、身体が不自由の人もちゃんとサポートするという。わたしは及ばずながら日本を元気にするため、北海道観光にやってきた。鎌田さんはたしか宮城県のツアーだったが、今年の夏はみなさんも元気に東北地方を旅していただきたい。
▼昨日夕方のNHK「クローズアップ現代」を見た。災害時に使えない携帯電話の話だった。電話というのは通常使用できる回線はかなり限られている。それは秘密になっているが100回線の電話があれば、使えるのは住宅地にあっては5%以下であると思う。それが100人が100回線に向かって話したらパンクするので規制するのは当たり前である。自分の携帯だけが使えると思ったら大きな勘違いだ。
▼昨日の報道で食用牛の放射能汚染が報道されていた。事故の直後エサば全部輸入だから問題ないと言い切っていたのにこれだ。100%輸入だとしても保管場所はどうするのだ。放牧だってするだろうし、そのエサは牧場に生えている牧草だから汚染するのは当たり前だ。3ヵ月前にいい加減な事を言って「輸入エサを食べさせているから安全」だといった責任はいったいだれがとるのだろう?東電か?次はおそらく牛乳の汚染が俎上に登るだろう。
▼トップページの写真を取り替えました。クリックすると大きくなります。

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July 11, 2011

富良野に来ています。

Norokogo
(美瑛のノロッコ号)
▼昨日朝8時半の飛行機に乗って新千歳空港で降りました。札幌で途中下車をして昼飯を食べましたが、駅ビルの中にあった寿司屋は外れでした。札幌には映画好きの友人がいるので近況を電話で報告しました。そもそも富良野に来てみようと思ったきっかけは昨年12月に友人に会ったとき、1年前に家族で富良野に出かけたがとても良かったという話を聞いたからだ。その方ば赴任先の札幌からバスでいったという。その方法だとわたしは時間がかかりすぎるので、札幌から旭川まで出て、さらにそこから2回乗り換えた。最後は美瑛からノロッコ号という観光列車にのった。
▼ホテルまでは5kmほどあった。観光案内所で歩いていけるか聞いたところ「最後は坂があってかなりきついですよ」といわれる。本当かと思って再確認すると、それは「新」がと言う名称が付く新しい別のホテルだった。今朝のNHKニュースで北海道版を見ているとあの大震災以降、北海道の鉱工業生産は最盛期の17%ほど落ち込んでいるという。富良野を歩いて見ても結構閉まっている店が多いように思える。
▼昨晩NHKで「液状化現象」についての特集があった。浦安だけでなく、現地では鉄筋コンクリートの建物がひっくり返ってしまっている。2号ほど前のメルマガでご紹介したが、そもそも関東地方は沖積紀に作られたものだ。だから基本的に地盤は軟らかい。ところが人口の増加とともにそこに家が建てられ、海の近くまで埋め立てられた。今の日本、いや世界の考え方は天変地異など起こらないという、人間の勝手な思いこみで成り立っている。
▼ところが「朝日ジャーナル」特集号で辺見庸が指摘し、予言したとおりになってしまったのはご存知の通り。番組の後半してきしていた、川崎の工業地帯では液状化から、燃タンクがある場所の土塁に亀裂が入ってしまっている。もし大きな震災が来たら、東京湾は火の海になってしまい、3ヵ月は消火不能だという。そうなると上記北海道の経済の停滞どころか、火力発電所が破壊されるので、被害は計り知れないという。それにも関わらず、東電も企業も目先の事だけで何の対策もとろうとしていない。

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July 10, 2011

◇「水曜日のエミリア」を見る。

▼昨日わたしがこのブログで、福島原発の収束まであと10年かかるか20年かかるか分からないと書いた。まさか菅首相がこのブログを見た訳ではないだろうが、この様な発言をしている。チェルノブイリだって昨日NHKで午後4時半からNHKスペシャル「放射能汚染首都圏最新調査」再放送をしていたが、30年たっても収束などしていない。福島はチェルノブイリが爆発した時よりも汚染は激しいわけだから普通の人は大体30年で収束までの時間は、少なくとも100年はかかると思っている筈だ。NHKの再放送ではホットスポットの原因は15日から16日にかけてプルームと呼ばれる霧状の雲が「高い」とされている地域に雨とと共に地表に落ちたと考えているようだ。
▼今回の調査は栃木県のホットスポットに焦点を当て、ヘリを網の目のようにグルグル回転させて上空と畠の土を採取して調査していた。この番組では爆発事故が起きた直後学習院大学の植物の放射能汚染に強いという村松康行教授が「汚染されたほうれん草はおひたしにして食べれば良い」と発言していた驚愕した。しかし今回の番組ではちゃんとまともな発言をしていたのでニセ物ではなかろうと思った。
◇「水曜日のエミリア」ナタリー・ポートマンが初監督した作品だというので、別の映画を観たかったが行ってきた。ナタリーはデビュー作が「レオン」でこの映画同様NYのセントラルパークが舞台となっている。それだけ彼女の思い入れが激しかったのか?
▼大きな弁護士事務所に勤務するエミリア(ポートマン)は、新人でスカウトされる。それは父親が元判事だったということだ。出張を命じられるとボスはビジネスクラスで、彼女はエコノミーと行った具合である。ところがふとした弾みでボスと深い関係になってしまい、結婚する。だが生後6日くらいで赤ちゃんを死なせてしまう。そのことがずっと最後までトラウマになる。
▼そして現実の悩みとは自分は継母(字幕でそうなっている)としてボスの家に入る。ところが小学生の一人息子の養育を巡って、前妻とうまくいかなくなってしまう。当然のころながら前妻はエミリアの存在が気に入らない。息子の学校の送り迎えや食べものアレルギーがあることなど全てがシャクの種である。生後まもなくエミリアの腕に抱かれて死んだ娘と、新しい息子の育て方など全てかプレッシャーとなって押し寄せて来る。
▼ポートマンは現実にまだ結婚していないし出産とか、子どもに対するスタンスなどの描き方がかなり上っ面をなぜている。そこにさらに自分の父親が離婚した原因なども絡んできて、彼女の演技力と相俟って消化不良になってしまった。それにポートマンが愛した中年男にしてもそれほどセクシーではなく、疲れが顔と皮膚にでている。せめてもうすこし活力がある男にして欲しかった。正直いって別の映画にすれば良かった。
▼みなさんがこのブログをお読みになるころ、わたしは北の空港に降りたっている時間です。♪「次のー北国行きが、来たら行くわー、スーツケースをひとつ下げて乗るの」古すぎたかな朱里エイコでは…。トップページに写真をアップしますのでご期待下さい。もちろん仕事の連絡がある時対応できるようにパソコンは持参して来ています。ホテルにはパソコンの常備がなくて回線がフロントに一個だというのです。今どき遅れているんですね。

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July 09, 2011

◇「蜂蜜」(トルコ映画、その2)

▼昨日、今朝と検索用語のトップは中村安希さんだった。これはTBSラジオに登場した事を紹介したら、数日前の朝日夕刊でも紹介されたいたためだと思われる。ネットよりも、中村さんが書いた最初の本「インパラの朝」をお読みいただければ、彼女の事が理解できると思う。ネットで分かることなどたかが知れているから…。
▼夕方一通のメールがあった。それはメルマガをお読みの方にはご紹介したが、映画「月と太陽と」の記事だ。メルマガは新聞記事として掲載したものだ。ブログはあくまでも下書き。わたしは2000字くらいの記事ならば全部記憶で書いてしまう。だから取材したときポイントを書き残しておかないと分からなくなってしまう。というのはわたしは文字が汚いのでメモをとっても自分の書いた字が読めなくなってしまうことがある。
▼昨日の防空壕も同様でS編集長にブログに書いたメモを送ったら「後半だけでいい」という返事があった。昨日のメールとは映画の上映運動をしようとしているIさんとおっしゃる方で「妻に映画の内容を説明したが、いくら言っても分かってもらえなかった。ところが新聞記事を見せたらすぐ分かった」と感謝された。大体そんなものだと思う。パソコンの練習でも語学でも肉親に教わっても決して上達しない。教わる方は肉親だから「もっっと親切に教えてくれてもいいのに」と思う。教える方は「何回言ったらわかるのだ」という事で大体長続きしない。PCレッスンをご用の節は、どうかわたしめにお申し付けただきたい。
▼「蜂蜜」(その2)父親は「黒崖」に行けばミツバチはまだいるかも知れない。しかし危険な場所なので命は危険に曝される可能性がある。しかし一家の長として家族を食わせていかねばならない責任はある。新しく編んでもらった綱をもってでかける夫。妻は村人と共に茶葉を摘み、作業に明け暮れる。しかし何日たっても夫の消息はつかめない。一人息子を実家の母に預けて警察に「行方不明」の届け出に行こうかしら。実家に戻るとちょうど村祭りの最中でみんな集まっている。夫の行方を知っている人がいるかも知れない。そう思って聞くが誰も首を横に振るだけだ。
▼もうダメかも知れないと息子を自宅に連れて帰る。息子が学校に行って教師に朗読を指名される。今回もいつものようにつっかえて読み終えることはできなかった。だが何故か教師は彼に「優秀朗読」の目印である赤いプレートを付けてくれて、「きょうは早退していいよ」と優しく言ってくれる。何故だろう。家に帰ると近所の叔母さん達が大勢集まっていた。これは父さんの行方不明と何か関連があるのだろうか?そうかも知れないな。「父さん、父さあーん。父さあーーん」どこへ行ってしまったの。ふと気づくと苔生す太い木の根っこに鋏まれて眠っていた。ま、こういう映画です。トルコの山村の風景と親子三人でつましく暮らしている風景はどこか30年代の良き日本を思い起こさせてくれるのです。
▼1月にブエノスアイレスで買って来たマテ茶はあと数日で終わる。終わる頃になったら味の良さが分かって来た。ネットで探すと通販で手に入ることが分かった。日本の茶葉だけでなく、麦茶も日本のビールで使っている四割は栃木の二条大麦も汚染されていると指摘する人もいる。しばらくの間マテ茶の方が安全だと思う。しかし「しばらく」が10年なのか20年なのかまったく分からない。ビール好きな人はこれから夏に向かってどうしますか?ビールは一切止めてミネラルウォーターだけ飲むか?それとも鹿児島の芋焼酎だけにした方が安全かも知れませんよー。

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July 08, 2011

三里塚防空壕を取材する。

Shelter
(三里塚シェルター内部)
▼昨日MINさんの車に載せてもらって成田御料牧場の中にある天皇の待避壕の見学に行った。しかーーしデータが何もないのである。この場所は今年の4月から公開されたとあり、成田市教育委員会が管轄しているようだ。MINさんの話では「昔から噂は聞いていた」とおっしゃる。地下壕は危険がないようにカギがかかっており、三里塚記念公園の管理人にお願いすると、カギと懐中電灯を持って案内して下さる方が来てくれる。ここのメインになるのが貴賓館であり、内部に入って見る事は出来ないが、木造茅葺きの接待所で、築100年になるという。
▼ここは天皇が貴賓を接待する場所してい使われたようだ。御料牧場とは天皇家直轄の牧場で、昭和天皇が閲兵するときに乗っていた馬「シラユキ」もここで育てられた。遡るとこの地は明治8年に下総牧羊場として明治政府に雇われたアメリカ人アップ・ジョーンズの官舎として建てられたものだ。当時は十倉村両国(現・富里市)によって馬を育成する目的で建てられた。ジョーンズは明治12年退職し、官舎は下総牧場の事務所として使われていた。その後下総牧羊場が香取種畜場として合併した後、「宮内省下総御料牧場」と改称された。
▼日清、日露戦争を遂行するためには力のある軍馬を大量に育成する必要があり、馬の養殖や研究が熱心に行われた。その牽引者となったのは新山荘輔で彼の銅像の敷地入り口に立てられている。彼は馬を育成する事と、馬の解剖を積極的に行って病気の対策や品種改良を行った。また馬だけでなくソーセージを作る技術を普及したり、羊の畜養を推奨する。想像だがこれは寒冷地の戦闘で必要になる軍服を作るため、暖かい羊毛が必要だと考えられたのではないだろうか?
▼記念館の中には牧畜作業で使う様々な農具が展示されている。さらに房総地方独特の、高い土塁で囲って牛馬を育成する方法など昔の図画も展示されている。また天皇の使った「お召し馬車」もあり、ロンドンを闊歩するシャーロックホームズもこのような馬車に乗ったのではないかと想像できる。
▼さて何の説明もない防空壕である。それほど大勢の人が入れる大きさではない。米軍は九十九里から上陸すると噂されたのに、ここに天皇専用の防空壕を作る必要もない。おそらく天皇がこの地を散策したり貴賓の接待をしていた時、空襲に遭ったら入る防空壕ではなかったかと推測される。それにしても地下5mくらいの場所に分厚いコンクリートで作られた待避壕は、当時の民間の土だけの防空壕とは大違いだ。直撃爆弾の攻撃を受けない限り破壊する事はないだろうと思われる強固な作りとなっている。
▼現場に掲示されている説明書によればこの防空壕の名称は「御文庫」でこの防空壕の存在自体は歴史書にすら公にされていない。現在も研究中で詳しいことはわかっていない。
太平洋戦争開戦に伴い、1ヶ月という突貫工事で完成させたらしい。もともとは皇室全員の退避用に作られたが、皇居吹上御所にも防空壕が出来たため、こちらは皇室用に使われなかった。現在における30階の建物用の「スーパーコンクリート」と同じ強度を持っている。という事であった。

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July 07, 2011

◇「蜂蜜」(トルコ映画)を見る(1)

▼朝のNHKはどう考えても分からないニュースがでてくる。その一つが経産省による原発の安全性に関するストレステスト(再評価)である。これはEUが福島原発が起きたのをきっかけに、安全基準をつくりそれに適合しているかどうか検査をするという物である。しかも日本の経産省は昨日それを決めて、「全国の原発を1週間以内にチェックして報告せよ」という。ところがこれに佐賀県の古川知事やもう一人の知事が猛反発している。この二人の知事の目線はどちらを向いているのだろう?知事とは県民の命を守る義務がある筈だ。所が補助金が欲しくて目が眩んでしまったのか、「今更そんな調査をすなど、国のやることは分からない」と息巻いている。
▼もう一つは玄海原発の公聴会が開かれたとき、九電は社員や協力会社に対して「原発賛成のメールを一斉に送るよう」指示していた。しかも会社のPCを使うとIPで身元が知れるから自宅のPCを使うようにと念を押している。「九電の発した依頼メールの原文」このスクープは2日に「しんぶん赤旗」が行った。ところがNHKは昨晩から急に騒ぎ出し、遅まきながら朝日の朝刊にも掲載され、海江田をして「会社が原発賛成メールを組織した事が事実なら由々しき事態だ」と言わしめている。方や公聴会を開いた翌日にスクープしているのに、それから1週間もして風向きを見ながら重い腰を上げるマスメディア。それは松本龍の辞任に関しても新聞報道から、昼のTVがバラエティ番組のネタになるまで結構時間がかかっていた。これも横並びの様子見である。
◇「蜂蜜」トルコの山間地に住んでいる親子3人の家族。父親は蜂蜜を採取するため高い木に巣箱を仕掛ける。その作業というのも命がけである。めぼしい木の下に来るとロープの先端に引っかかる棒きれをつけて、10mはあろうかと思う高さまで放る。それがうまく引っかかると、男はロッククライミングの垂直登坂のように腕一本の力でまっすぐに登って行く。まあそれは見ているとレインジャーの訓練と言ったほうが正確だ。しかも箱を仕掛けて下るときもまた地面を直角に交わる様に下る。もし抑えている枝が折れると、地面に叩きつけられ命を失ってしまう。
▼そんな家庭を守っているのは茶葉の採取で生計を支える妻である。妻はある日食事の支度をしている最中「これからどうするの?」とつぶやく。今住んでいる場所で蜂蜜を採取する箱を仕掛けてもハチが入らなくなってしまったからだ。「うん」と夫は考えている様子で。「別の所に仕掛けてみようと思う」という様な事をいう。
▼そんな夫婦の一粒種の息子は吃音と内向気味な性格であまり喋らない。だが回りの生徒たちは教師から名指しで「朗読」させて貰えるので羨ましくて仕方ない。自分も挙手して指名して貰うのだが、「ラ、ライイオンと、ネ、ネネネズミ」と言った調子で先に進めない。読み終えると教師から赤いバッジをシャツに付けて貰えるので、自分もそうなりたいと考えているが果たせない。
▼息子は父親の存在が誇らしくて仕方ない。そして近所の蜂蜜採取にはいつも一緒についていく。そして父の身体を張った仕事ぶりの様子を母親に話をする。この村の生活は自給自足であり、木登りに使うロープも友人に作ってもらい買う。ある時作ってもらったロープを受け取りに行くとき、お礼とは別にその友人に息子が好きだった模型の小舟をプレゼントしてしまう。それを知った息子は大いにがっかりしてしまう。(これから取材に行くのでタイム・オーバー、明日に続く)

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July 06, 2011

国の補助金と引き替えに自治体の思考能力を奪う。

▼女子サッカーの「なでしこジャパン」という名称は世界で通用するのだろうか?辞書をひくと「なでしこ」=「pink」とある。その色からそういわれているようだ。「サムライジャパン」は意味はすぐわかって貰えるとおもうが、「ピンク・ジャパン」では何か誤解されそうな気がする。
▼今朝の朝日の「CM天気図」というコラムで天野祐吉は「ソフトバンクの節電CMに触れ、その後TVは深夜の放送を止めたらどうか?」と提言していたが、その通りだと思う。昔の事を言うと笑われそうだが、NHKはそのむかし、午前零時に日の丸掲揚した風景で君が代を演奏し、その後画面は真っ暗になっていた。歌も日の丸もいらないが午前零時ですべての放送を中止すれば余計な電力は使わなくても済む。もっとも電力は深夜に不足している訳ではないようだ。電気予報では使用電力のピークは午後2時から4時頃とされている。ならばこの時間帯のTV放送を止める。ついでに普段の番組もニュースとドキュメンタリーだけにする。バラエティや食べものをネタにする番組も見たくない。
▼少し前まで夏の節電対策で計画停電があると発表されていた。パソコンで仕事をしているわたしとしてはノートパソコンの予備電池を2個くらい買わなければならないかと思っていた。普段使っているデスクトップも冷却ファンが付いていない静音、節電型だからそれほど電力は使わない。だがどうやらこの調子でいくと、電池パックは買わずに済みそうだ。
▼しかし現実には辺見庸が「朝日ジャーナル」別冊で指摘していたように、大震災から2ヶ月ほど過ぎた頃から一斉にバ○番組は復活した。番組は復活したが、マスメディアの原発べったりの報道姿勢には変化がみられない。ルイ15世の寵姫(愛妾)のポンパドール夫人は「我が亡き後は洪水よ、来たれ」といった頃と何も変わっていない。
▼玄海原発も建設から36年も経過していて圧力隔壁はひびが随分入っているようです。それなのに佐賀県知事は海江田経産相の再起動要請にOKを出してしまう。昨日の時点で佐賀県庁には2500通を超える抗議メールが来ていると報道されている。主旨に賛同される方はぜひ御意見メールを送っていただきたい。同じく原発再開に賛成している玄海町はこちら。
▼昨晩お送りしたメルマガでご紹介したが釜石日赤病院の事は本日深夜零時15分からNHKで再放送されるのでご覧頂きたい。7万人が餓死寸前だと医師2人は宮城県庁を訪れるが、対策室では「国からの指示がない」と知らん顔している。日赤側の責任者である石井医師は「餓死する人が7万人もいるので県はそれを把握していないのですか?」と顔色を変えて話す。しかしその後NHKのカメラは「内部の話ですから」と県庁職員に追い出されてしまう。
▼たしかに松本龍があのような態度で、あたかも自分の懐からカネを出すような顔をして相手を見下すのは間違いである。昨日夕方ある友人がメールを送って下さった。それによれば「被災地の自治体(行政用語では地公体)の声を聞いていると、「まず国が決めてくれないと・・・」と、「国が国が」で、いかに国が補助金と引き替えに自治体の思考能力を奪い、国に依存するシステムを作り上げてきたかがよくわかると思っていました。という内容だった。このシステムを変えない限り「国の顔色を伺う姿勢は変わらないだろうと思う。結局、佐賀県知事の発言にしてもそこから何一つ脱却していなのだから…。

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July 05, 2011

「フ(ふ)号作戦に携わった人の話を聞く。

Fusenbakudan
(風船爆弾の3分の1模型:江戸東京博物館)
▼松本龍復興相が松本治一郎の孫とは知らなかった。それに自分が喋ったことがまずいと認識しているから、記者に「書いた社はつぶれる」ともクギを刺したのだろう。差別をさせない運動をしていたのが祖父で、差別を助長する発言をくり返しているのが松本龍だ。発言の内容はネットで見ていただくとして、お里が知れるというレベルだ。しかし孫というだけで祖先が大切にして来たものを継承できないというのは、与謝野薫の例を待つまでもない事は明らかである。
▼昨日の日本はスルメになりそうな暑さだった。気温はまだ40度まで行っていないので単に身体が暑さになれていないだけのことかも知れない。前に書いた風船爆弾を女学生の頃に勤労動員で作らされたという人を格納倉庫までご案内した。いま82歳のお年よりなので、MINさんにお願いして車を出して送迎していただいた。しかし矍鑠としていてスイスイ歩き回る。初対面なので待ち合わせの駅の改札口でA4の紙にお名前を書いて立っていたら、紙を指さしニコニコしてやってきた。
▼風船爆弾は当時「フ号作戦」という名称で秘匿されていた。この方は北区にある造幣局でその作業に当たっていた。風船の大きさは膨らませると直径が10mにおよぶ巨大なものである。軍部や学者が研究した結果、和紙にこんにゃくを塗ったものが一番軽いと言うことになった。紙風船をご存知だろうか?勤労動員された彼女たちは細長い半月形の紙をさらにヨコに切ったパーツを作って一斉に張り付ける作業をしていた。
▼指導する軍人からは「この作業のことは親といえども一切喋ってはならない」と命令されていた。たまたま空襲があって防空壕に潜ると、同期生たちと「どうやら風船らしい」と話していた。彼女たちは昼間の勤務で、この間授業はまったくなかった。しかしそれでも工場の食事としては恵まれていて、僅かな米に大根や芋が混ざっていた。中でも蕪を煮たものは大嫌いになり、今でも蕪を煮付けたものは食べられない。
▼しかし家に帰るとこんにゃくの作業をするときに来ていた着物は傷みが早く、母親から「一体何をしているんだい」と聞かれたが一切答えられなかった。(以下省略)それでそのKさんは体調が悪く50歳前に教職を辞して、平和活動をするようになる。その一環として海外の戦跡を回る事を始めた。国内も海外も観光旅行には一切興味がなく、沖縄などの戦跡を回る。海外では中国東北部(いわゆる満州)、韓国、グアム、サイパンなどでテニアンは10回ほど行っている。ジャングルまで小型トラックで案内して貰って、さらに現地のガイドは刀の様な大型ナイフで雑草を切りひらいて遺骨が眠る場所まで行った。自分たちが遺骨を勝手に持ちかえることは出来ないので、荼毘に付してから必要な手続きをして持ち帰った。そこで感じることは、日本国内の平和運動とは、「被害者」という面だけが強調されているが、実際には海外では「加害者」であった事を忘れてはならないという事だった。これからも海外に謝罪と慰霊の旅に行きたいが、もうテニアンは無理だと思う、と語っていた。これは8月末に新聞原稿となります。
▼暑さで疲れ切って帰宅するとS編集長から「成田の御料牧場の中にに戦前作られた天皇の待避防空壕があるから取材に行ってくれ」と電話がある。別の取材がダメになりそうなので、こちらに切り替えるという。天皇の待避所は松代だけかと思っていたが、こちらにもあって近年公開されているという。
▼昨日NHKの「クローズアップ現代」では、国民がいかにマスメディアの言いなりになって「節電」しているかその一部を垣間見た。ある80代お年よりは、60代の娘が「被災地の事を考えたら電気を無駄に出来ない」とエアコンを切ってしまい、母が脱水症状で重症になってしまったという話を紹介していた。人間の命を守る事がまず優先されなければならないのに、これでは本末転倒である。昼間は多少我慢しても夜は遠慮なくエアコンをつけるように。水分の補給は一日2リットル摂る。という様はことだった。マンションでは屋上や外壁に近い部屋は温度が他と較べて高くなる。エアコンの設定はみんなで調整してその部分に住んでいる人は内側の人より高く設定した方が良いというような話だった。

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July 04, 2011

行動に参加することが民主主義/山口二郎談

▼この数日中尊寺が世界遺産になった、と朝日新聞などは「指定されたから人が押し寄せている」などと写真入りで持ち上げている。わたしも中尊寺には一度行った事があるが、なぜ中尊寺なのか選ばれた理由がまったく分からない。外国人は金ぴかが好きだから選ばれたのかと思ってしまう。金ぴかの金色堂を除けば、山形の山寺とかあの程度の寺は全国各地にある。それよりも、青森の恐山を世界遺産にして欲しかった。もっともあちらはテーマパークぽかったのかも知れない。
▼この間沢山のTVを見たが、今朝はこれから取材を控えているので手短にしか書く時間がない。まず「愛川欣也パックイン・ジャーナル」では約半分である50分ほどの時間をとって潮流発電を取り上げていた。これはレギュラーの田岡がヨットが好きなので発言したことに端を発する。この日は製品化をかんがえているノバ・エネルギーという会社の社長である、鈴木清美氏をゲストに迎えていた。鈴木氏は元もと船乗りであった。世界の海を回っているとフロリダ湾をでる時、必要以上のエンジンを回転させなければならなかった。調べるとそこには巨大な潮流が存在した。これを発電に使えないかと考えたのが出発である。世界で強い潮流の流れがあるのは、フロリダ沖とイギリス、それに日本の和歌山から房総沖である。世界の流れはこの3つだ。
▼イギリスとアメリカは国策としてこれをエネルギー化しようとしているが、日本は通産省が未だに原発から舵を切っていないので、開発するにも資金が足りない。現在はマグロ型のエンジンを兵庫沖に鎮めて実験を繰り返している状態だ。これが成功すればクリーンな無限エネルギーになる。風や太陽と違って止まることもないし、地球が存在するかぎり潮流はなくならない。潮流エネルギーを制するものが次世代の世界を制する。残念ながら日本政府からはお呼びがかからないが、アメリカ政府からは声をかけられているので、近く行く事になっている。出席者からは「城南信用金庫に頼んだらどうか?」という声もあったが面白かった。
▼次に面白かったのは朝日ニュースターの月一回番組(第一土曜日午後10時)「金子勝のニュースにだまされるな」だった。金子の番組は出席者は愛川と較べて、どちらかというとアカデミック系である。この日は「東電/電力会社」の在り方が中心だった。東電は民間会社なのに、政府は税金を注ぎ込む事をやろうとしている。これだと日本はもう資本主義国ではなく、社会主義国になってしまう。メルトダウンを関係者はみんな知っているのに2ヶ月も隠してきた。しかも原発の情報をひた隠しているので、この部分は北朝鮮と見まごうまかりの情報統制国家である。原発を今世界で推進しようとしているのは、ベトナム、中国など独裁的傾向が強い国だけになってしまっている。現在の原発事故の半分以上の責任は過去に経団連からカネをもらって推進して来た自民党・公明党である。彼らの責任が第一であり、ついで責任の3分の1くらいが民主党にある。そして民主党は電力労連の支持をえて政権に付いているのでむげに「脱原発」と言い切ることができない。この続きは後日書く。
▼最後に北大の山口二郎は選挙もそうだが徹底して民主主義を進めて行くことだと語った。わたしは山口の書いている本をいくつか読んでいるが全面的に彼の意見と同じではない。しかし2日の発言は以下の点で良かった。つまり国民が反原発でいうならば、街のデモに参加したり東電の株主総会に出る。原発差し止め裁判の原告に加わる。選挙の投票だけでなくこうしたことが民主主義に繋がる。東電で云えば経理を公開させ、領収書を一枚一枚チェックするなどすれば、電気のコストが明らかになっていくはずである。講演会を聞いたり、本を読んでいるだけでは,民主主義は実現しないのですよ。ささやかな自分にできる行動を考えてみましょう。都庁に紳士的に電話するのも民主主義なのです。
▼NHKの土曜日石巻赤十字病院の奮闘と、日曜日の続放射能測定も全部見たがいずれご紹介する。
▼昨日午後京橋「テアトル銀座」にトルコ映画「蜂蜜」を見に行った。♪「ミツバチブンブンブン、ブンブンブンブンとっくり下げて」ではないよ。「蜂蜜」だ。ベルリン国際映画祭で高く評価されたという曰く付きの作品だ。映画が終わった時後ろの座席に座っていた女性が「ザ・エンド」マークがでて、「これで終わりと言われても困る」と言っていたが、わたしも同感だった。
▼朝日もNHKもなぜ今朝のトップニュースが「レアメタル」なのだ。福島第一原発の排水ホースが切れてしまっているというのに。またまた原発事故隠しの情報操作に邁進するマスメディアたちだ。

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July 03, 2011

節電15%の根拠はまったく不明である。

▼ここ数日増えている検索用語は「検見川東大実験園大賀蓮」だ。みなさんここは昨年、住民や自治体の反対運動にも関わらず売却されて、大賀蓮はおろか実験場そのものが存在しません。国立大学でも東大は文科省の評価はトップだから、売れるものは全部売って利益をあげるわけです。もしかしたら稼ぎ頭は関村直人さんかも知れません。
▼昨日オーディア装置が半年以上接続できなくて、音楽を聴くことができないというお宅を訪問した。ラックスのメイン・アンプからチューナー、カセットデッキ、CDプレイヤー、MDプレイヤーなどがゴロゴロして、さらにJBLやBOSEなどのスピーカーが3組あった。音が出ないというが、配線がかなりこんがらかっており、それを一つひとつたどって行った。20分ほどでどうやら音はでるようになった。あとはご自分で配線を整理するということなのでそれでわたしの役目は終わったので昼ご飯をご馳走になって帰って来た。しかしこの巨大なオーディオシステムはかなり電気を消費する。全部売り払って、わたしの様なミニコンポに切り替えた方が将来的には良い。しかしそれは…黙っていた。
▼毎日夕方のNHKでは電力予報というのを始めた。あのインチキな6時50分の放射能測定結果の後だ。例えば「明日はピークが午後4時頃で、使用電力は85%と予測されています」と行った調子だ。そして一斉に15%の節電を、と呼びかける。しかし15%という数字には一切論拠がないのだ。先日書いた保阪世田谷区長が東電に「区内の消費電力を出して欲しい」という要求を出したのに対して、「電力線は区をまたがって配線されているので出せない」。「区の消費電力を出すにはプログラムを組み直す必要があり、それには数億円必要である」と拒否した。
▼上記の東電の論理は出したくないという言い訳であり、それが拒否の論理ならば、最初に区長が東電を訪問した時に言えばいいことだ。「週刊金曜日」7月1日号の最終ページに「あの家、昨日一晩中電気がついていました」と近所からクレームがつくような節電監視社会にならなきゃいいけど」と1人の編集者が書いていた。しかし現実の日本では、東電を擁護する「ヤシマ作戦」に見られるように、福島第一原発爆発事故直後から「節電のお願い」として個人商店を回って歩く、某国立大学生集団がいた様に、そのような方向に発展して行く可能性が充分あると思う。
▼日曜日なのでこれで終わり。

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July 02, 2011

高橋源一郎が書いた「暗い職場」とはニッサン。

▼毎週木曜日の朝は編集企画表を点検する。それによれば今週はもう原稿の締め切りはない、筈だった。ところが朝イチで編集長から電話があって、「事情があって来週締めきりの原稿を1週間早めてほしい」という要請があった。実は◇「大陽と月と/私たちの憲法の人々の情熱」(2)を放りっぱなしになっていた。これを原稿として完成しなければならない。(6月22日のブログの続き)植木枝盛はイギリスの人権宣言の影響を受けて、人権思想を反映した草案を作った。その内容はいま見ても根本に民主主義を大切にする思想が盛り込まれていた。だが明治政府は天皇の地位を高めることを目的として、自由民権運動を弾圧したので、五日市も東洋と2つの「憲法草案」は、太平洋戦争が終結する直前まで人々の目に触れる事はなくなってしまう。占領軍は日本人自身が考えた憲法を作るのが望ましいと考える。その中心になっていたのは民政局の一部の人や、E・H・ノイマンそれにシロタ・ゴードンらの進歩的な考えを持っていた人たちだった。同時に日本側でも森戸辰雄や鈴木安蔵らが中心になって憲法研究会の発足に参加し、自らの憲法史研究をベースとして会による憲法私案「憲法草案要綱」をまとめた。そこには先の植木枝盛らの考えた草案が基礎になっていた。それは拷問の禁止などの項目として入っている。この要綱がGHQに大きな影響力をあたえたことから、それをまとめる中心となった鈴木は、日本国憲法の間接的起草者といわれている。経緯を描いたのが映画「大陽と月と」だ。
▼ここに書いたものは原稿の下書きメモで、ちゃんとしたものは開催日時を間違えないように主催者にメールでお送りした。夜になっても返事がないので電話で「今晩中に見て返事を」と念を押す。追加の日時が入り、「掲載した新聞は100部買い取り」して下さるというメールが返ってきた。
▼昨日ご紹介した高橋源一郎の話の補足をしたい。高橋が季節工として働いていたのは、今はフランス人ゴーンが君臨して8億9千万円もの高給を得ているニッサンである。
▼当時の日産労組は自動車総連の参加にあり、労使一体となって労働者を監視していた。ところが杉並にあったプリンスが日産と合併する。(実質的には吸収合併だと思う)プリンスはグロリアなどの高級車を作っており、一部のマニア人気があった。従業員を組織していたのは当時左翼的であった、総評というナショナルセンターの下にある、全国金属労組に組織されていた。総評全金プリンス支部はその後会社は合併しても、組合の合併はせずに独自の立場を貫いた。そのため高橋が指摘するような、差別と弾圧が続いていたのである。詳しくは下記をご覧頂くと歴史的な流がわかる。

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July 01, 2011

「労使癒着」によってチェック機能を失った東電労組

▼昨日のブログの最後にご紹介した朝日に掲載された作家「高橋源一郎」の事はSNSとツイッターにも書いた。ツイッターには投稿して5分したら見知らぬ人からRTが入って、次のようにフォローしてくれた。「電力総連は原発がなくなると大打撃だという資本側だ」と。高橋があの中で書いているが彼は季節工として大手自動車会社に入社して働いた経験があった。ところが正社員なのに誰にも口をきいてもらえない男が一人いたというのだ。彼はかつて「左派」の組合の生き残りで,会社との共存を目指す今の労組から徹底して疎んじられいる事を、高橋は知る。高橋は「なんかこの職場暗いですね」「労働運動がなくなったからね」「…労働運動って、何ですか?」と高橋。数秒して彼はこう答えた「みんなで上を向くことかな」。高橋は9ヶ月働いたが,その間彼に話しかける社員は一人もいなかった。
▼原発事故の当事者である、「電力総連」から今回の事故に対するメッセージはでていない。その原因を映画評論家でもある木下武男(木下の著書を紹介したブログ)は(「東電の暴走と企業主義的統合」<posse11月号>)この雑誌で「原発事故の原因の一つが労組であり、「労使癒着」によって「チェック機能の完全喪失」が生じたと指摘する。
▼本来労働組合というのは働く人たちの権利を守るための組織であるはずだ。ところが電力総連系の労働組合にあっては、職員のなかの異質な分子を摘発することが目的化し、あろうことか東電のある社員の「ラドウェイ(廃棄物処理)は、被ばく量が多いので請負化してほしい」という言葉に木下は、「企業的統合」の行き着く先を見ている。
▼アメリカのTV映画で「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」という番組がある。番組の内容はタイトルから類推されるほどあざとい内容ではない。28日深夜のケーブルTVのFOX系で放送された「6」シリーズ「23」の「もみ消された真実」は中々良かった。これはアフガン帰還兵で警察官をしている男が妻を暴行したり殺害するという事件を起こす。さいしょは帰還兵特有のPTSDではないかと判断される。しかしその事件に疑問を持つノバック検事補(ダイアン・ニールはいつ見てもとても美しい女性である)は同じ事件を追っているジャーナリストがいることに気づく。記者は被害者宅のゴミ箱などを漁っている、詰問すると1個のUSBメモリーを渡される。
▼そこにはアフガンに派遣された兵士全員に抗マラリア薬を投薬されている事実が記録されていた。この薬(ドラマでは薬の名前が出る)は製薬会社がきちんと治験をせずに兵士に投与をしていたので副作用として精神に異常を来していたのだ。彼女は陸軍やペンタゴンと戦う決意を固める。軍や軍医は検事補に協力するのは拒否し、マラリアに罹って死ぬ兵士の数よりも、PTSDで死ぬ兵士の数が少なければ良いのではないかと開き直る。検事補は上司から「陸軍やペンタゴンと戦っても勝てる筈はない」と止めるが、彼女は敢然と戦う決意を固めるのだった。アメリカの法廷ドラマにもこういう硬派な番組が存在するのです。再放送は日曜日朝5時からFOX系のケーブルテレビで再放送されるのでご覧頂きたい。
▼送電線の国有化の署名にご協力を! http://maketheheaven.com/japandream/

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