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July 01, 2011

「労使癒着」によってチェック機能を失った東電労組

▼昨日のブログの最後にご紹介した朝日に掲載された作家「高橋源一郎」の事はSNSとツイッターにも書いた。ツイッターには投稿して5分したら見知らぬ人からRTが入って、次のようにフォローしてくれた。「電力総連は原発がなくなると大打撃だという資本側だ」と。高橋があの中で書いているが彼は季節工として大手自動車会社に入社して働いた経験があった。ところが正社員なのに誰にも口をきいてもらえない男が一人いたというのだ。彼はかつて「左派」の組合の生き残りで,会社との共存を目指す今の労組から徹底して疎んじられいる事を、高橋は知る。高橋は「なんかこの職場暗いですね」「労働運動がなくなったからね」「…労働運動って、何ですか?」と高橋。数秒して彼はこう答えた「みんなで上を向くことかな」。高橋は9ヶ月働いたが,その間彼に話しかける社員は一人もいなかった。
▼原発事故の当事者である、「電力総連」から今回の事故に対するメッセージはでていない。その原因を映画評論家でもある木下武男(木下の著書を紹介したブログ)は(「東電の暴走と企業主義的統合」<posse11月号>)この雑誌で「原発事故の原因の一つが労組であり、「労使癒着」によって「チェック機能の完全喪失」が生じたと指摘する。
▼本来労働組合というのは働く人たちの権利を守るための組織であるはずだ。ところが電力総連系の労働組合にあっては、職員のなかの異質な分子を摘発することが目的化し、あろうことか東電のある社員の「ラドウェイ(廃棄物処理)は、被ばく量が多いので請負化してほしい」という言葉に木下は、「企業的統合」の行き着く先を見ている。
▼アメリカのTV映画で「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」という番組がある。番組の内容はタイトルから類推されるほどあざとい内容ではない。28日深夜のケーブルTVのFOX系で放送された「6」シリーズ「23」の「もみ消された真実」は中々良かった。これはアフガン帰還兵で警察官をしている男が妻を暴行したり殺害するという事件を起こす。さいしょは帰還兵特有のPTSDではないかと判断される。しかしその事件に疑問を持つノバック検事補(ダイアン・ニールはいつ見てもとても美しい女性である)は同じ事件を追っているジャーナリストがいることに気づく。記者は被害者宅のゴミ箱などを漁っている、詰問すると1個のUSBメモリーを渡される。
▼そこにはアフガンに派遣された兵士全員に抗マラリア薬を投薬されている事実が記録されていた。この薬(ドラマでは薬の名前が出る)は製薬会社がきちんと治験をせずに兵士に投与をしていたので副作用として精神に異常を来していたのだ。彼女は陸軍やペンタゴンと戦う決意を固める。軍や軍医は検事補に協力するのは拒否し、マラリアに罹って死ぬ兵士の数よりも、PTSDで死ぬ兵士の数が少なければ良いのではないかと開き直る。検事補は上司から「陸軍やペンタゴンと戦っても勝てる筈はない」と止めるが、彼女は敢然と戦う決意を固めるのだった。アメリカの法廷ドラマにもこういう硬派な番組が存在するのです。再放送は日曜日朝5時からFOX系のケーブルテレビで再放送されるのでご覧頂きたい。
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