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July 08, 2011

三里塚防空壕を取材する。

Shelter
(三里塚シェルター内部)
▼昨日MINさんの車に載せてもらって成田御料牧場の中にある天皇の待避壕の見学に行った。しかーーしデータが何もないのである。この場所は今年の4月から公開されたとあり、成田市教育委員会が管轄しているようだ。MINさんの話では「昔から噂は聞いていた」とおっしゃる。地下壕は危険がないようにカギがかかっており、三里塚記念公園の管理人にお願いすると、カギと懐中電灯を持って案内して下さる方が来てくれる。ここのメインになるのが貴賓館であり、内部に入って見る事は出来ないが、木造茅葺きの接待所で、築100年になるという。
▼ここは天皇が貴賓を接待する場所してい使われたようだ。御料牧場とは天皇家直轄の牧場で、昭和天皇が閲兵するときに乗っていた馬「シラユキ」もここで育てられた。遡るとこの地は明治8年に下総牧羊場として明治政府に雇われたアメリカ人アップ・ジョーンズの官舎として建てられたものだ。当時は十倉村両国(現・富里市)によって馬を育成する目的で建てられた。ジョーンズは明治12年退職し、官舎は下総牧場の事務所として使われていた。その後下総牧羊場が香取種畜場として合併した後、「宮内省下総御料牧場」と改称された。
▼日清、日露戦争を遂行するためには力のある軍馬を大量に育成する必要があり、馬の養殖や研究が熱心に行われた。その牽引者となったのは新山荘輔で彼の銅像の敷地入り口に立てられている。彼は馬を育成する事と、馬の解剖を積極的に行って病気の対策や品種改良を行った。また馬だけでなくソーセージを作る技術を普及したり、羊の畜養を推奨する。想像だがこれは寒冷地の戦闘で必要になる軍服を作るため、暖かい羊毛が必要だと考えられたのではないだろうか?
▼記念館の中には牧畜作業で使う様々な農具が展示されている。さらに房総地方独特の、高い土塁で囲って牛馬を育成する方法など昔の図画も展示されている。また天皇の使った「お召し馬車」もあり、ロンドンを闊歩するシャーロックホームズもこのような馬車に乗ったのではないかと想像できる。
▼さて何の説明もない防空壕である。それほど大勢の人が入れる大きさではない。米軍は九十九里から上陸すると噂されたのに、ここに天皇専用の防空壕を作る必要もない。おそらく天皇がこの地を散策したり貴賓の接待をしていた時、空襲に遭ったら入る防空壕ではなかったかと推測される。それにしても地下5mくらいの場所に分厚いコンクリートで作られた待避壕は、当時の民間の土だけの防空壕とは大違いだ。直撃爆弾の攻撃を受けない限り破壊する事はないだろうと思われる強固な作りとなっている。
▼現場に掲示されている説明書によればこの防空壕の名称は「御文庫」でこの防空壕の存在自体は歴史書にすら公にされていない。現在も研究中で詳しいことはわかっていない。
太平洋戦争開戦に伴い、1ヶ月という突貫工事で完成させたらしい。もともとは皇室全員の退避用に作られたが、皇居吹上御所にも防空壕が出来たため、こちらは皇室用に使われなかった。現在における30階の建物用の「スーパーコンクリート」と同じ強度を持っている。という事であった。

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