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July 20, 2011

◇「大鹿村騒動記」を見る。追悼原田芳雄。

▼昨晩ドアチャイムが鳴ってでると「読売です、部数が激減しているので困っています。ぜひ購読して下さい」という。「今時原発を推進している新聞が延びる筈はない」と言おうとしたが、面倒なので「読売とは考え方が違う」と言って断った。わたしの身の回りでも2紙取っていた新聞を一紙に減らしたり、一紙だけにしたり、「週刊金曜日」を契約解除したりする人が増えている。おそらく収入が増えない今日にあって、減らしても構わない物、役に立たない新聞などはテレビやラジオで足りると思って、読まなくなるのだろう。
▼昨日のネットでも餃子のチェーン店が震災後2、3割減収になって売上げが戻らないというニュースがあった。さらにお酒も注文しなくなってしまったという。子どもの夏休みの宿題のように「福島原発の収束」は先延ばし、被害は増える一方なので、早く家に帰って自宅で飲み食いした方が良いと考える人が増えているのだろう、と推測される。
▼久米宏の番組で後半日経のライターをしている人物が毎回登場する。自宅は北区のマンションでそこで原稿を書いていると言っていた。久米がエアコンどうしていますか?と聞くと「風邪気味なので止めている」という。わたしもきのう起床すると喉が痛かったので止めて水分を大量に補給したら治った。彼は久米に「エアコン止めてもそれほど影響ないのですよね。実は野村総合研究所のHPに、節電はテレビを消した方が効果がある」とでているんです、という。たしかに液晶TVに触って見るとかなり熱を持っている。
▼昨日蓮舫のツイッターが炎上したという。ドイツから帰国した「なでしこジャパン優勝すごいです」とエールを送ったら、スポーツ関連予算を削ったのは誰だという抗議が殺到した。それは昨日の朝日に選手たちが別に仕事をもちながら、いかに苦労して練習しているか書かれたいたからだと思う。蓮舫の7月18日のつぶやきをクリックすると関連するつぶやきがごらんになれます。
◇「大鹿村騒動記」もう少し後で書こうと思っていたら昨日、この映画に主演した原田芳雄の死亡が報道された。数年前からガンを患っており、腸閉塞から誤嚥で肺炎を併発したらしい。数年前にNHK関西で制作されたTVドラマで室尾犀星原作の「火の魚」を見終わったとき、わたしは涙が止まらなかった。彼は偏屈な作家を演じ、その編集担当の女性が癌になる話だった。NHKハイビジョンで昨年放送されたのを初めてみた。録画はしたがコピーガードのロックを解除して録画しなかったので、HDDに入っているものを見るしかない。先日再放送された「新参者」でも偏屈な時計修理屋のオヤジを演じていたが、この録画は既に消してしまった。
▼長野県南部の大鹿村にバスから3人の客が降りる。運転手(佐藤浩一)が「あれはるちゃんとたかちゃんでないの?」と聞くと彼らは首をヨコに振って降りていく。3人が着いた先は「ディア・イーター」(鹿肉を食わせる)店で、風祭善(原田)はそこで一人で切り盛りしている。人手が足りないのでタウン誌で求人したところ、一人の青年が応募して来たのだ。バスに乗っていたのは14年前に風祭の妻の貴子(大楠道代)と駆け落ちした能村治(岸辺一徳)だった。駆け落ちしたはいいが貴子が認知症になってもう自分の手には負えないと連れ戻ったのだ。そして虫のいい言いぐさで「善ちゃん、どうしようもなくて。返す。」という言葉に、善は激怒する。だが善は、結局、2人を自宅へ泊めることになる。
▼大鹿村には300年前から継承されている村歌舞伎がある。もう村人はそれを上演したり見物するのが唯一の愉しみとしている。村人の諍いや気分的な行き違いによるトラブルを抱えながら、みんなの協力によって乗り切ろうとする。演目は「一ノ谷戦記」の「熊谷陣屋」かと思って見ていたがどうも違う。調べて見ると村歌舞伎には独特のストーリーがあるようで、この大鹿村も同様だった。この歌舞伎は「六千両後日文章/重忠館の段」という外題である。
▼善はこの歌舞伎で敗者である平家のヒーローである悪七兵衛景清を演じている。作品中では、景清の台詞である「仇も恨みも、是まで、是まで」と語り、駆け落ちしたが戻って来た妻を許すという場面と相俟って効果的に使われている。そして本番の前日運転手の佐藤浩一は折からの台風で大けがをして診療所に入院してしまう。自分の役はむかし貴子ちゃんが演じたのでできる筈だと代役を頼む。しかし記憶喪失に陥った貴子にそんな事ができるのだろうか?そう思っている間に村歌舞伎の舞台の幕は上がっていく。♪「恋のからくり 夢芝居 台詞ひとつ 忘れもしない」。

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