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August 06, 2011

賞味期限が切れたタバコとA牧場のこと。

▼昨日お送りしたメルマガでご案内した、暑気払いの場所です。あのままでは繋がりません。恐れ入りますが「html」までの部分で切り取って、ウェブに張り付けて下さい。
▼2日前の事件だが東京江東区の77歳の煙草屋さんの事件が報道された。それによれば大震災以降たばこの入荷が大幅に遅れてしまった。それで自宅に保管したあった賞味期限切れのたばこを修正ペンで日時を直して、自販機に入れて再び売ったというのだ。そもそもたばこは嗜好品で、賞味期限が切れても腹痛を起こすわけではない。しかもその「手口」というのが、かなり手工業的で、例えば数字の「3」を修正ペンで「8」に直すと言ったもので、一目でわかる。食品や医薬品の産地偽造や日付偽造にくらべると遥かに罪は軽いと思う。微笑ましいくらいの事件だが、そのためかTVや新聞に実名は書かれていなかった。テレビで流されたのは「犯行に使用された」とする1本の100円ホワイト修正ペンだった。タバコの箱も写ったが、指が震えているのか、たどたどしい数字をなぞった跡だった。これならとぼけて修正しないまま自販機に入れてしまえば分からなかったに違いない。滑稽というか、もうこんな事件をわざわざ報道するメディアがバカバカしくなる。
▼数日前からTVで派手にCMを流していた「A牧場」が倒産するらしいという報道がある。わたしはTVのCMを見ていていつも和牛肉さんのCMかと思っていた。しかしこの報道で分かったことは仔牛に投資する会社だったのだ。それに出資させてカネを払うという方式だ。しかしこの数ヶ月出資者に「配当金」が支払われなくなった。それも福島原発の風評被害を口実にしている、という。
▼ある専門家のブログによれば、日本の黒毛和牛はすでに過剰状態なのだそうだ。それなのにそれほど儲かる筈はない。もし倒産すれば業界で最大負債が生じるという。そしていま会社で飼育している牛は一体どうなってしまうのだろう、ブログでは書いていた。銀行利率がマイナスなので、ついうまい話に乗ってしまうのだろう。しかし一種のネズミ講とも言える、いやウシ講か、そんなウマイ話がある筈がない。新聞報道によれば一人で老後のために貯めた1億円を投資した人もいるという。タバコの日付書きかえよりも、こちらよりも「A牧場」の方が遥かに罪は重い。
▼月曜日のテレビ東京で「大人気海外リゾートで月10万円!」という番組があった。お金さえあればリタイアした夫婦がリゾートに滞在するのは楽しいかも知れない。元警察官という夫妻はスペインのリゾートに滞在していた。だが日本の出来事が心配だとしてネットで日本の情報を収集していた。それにどこに登場する人たちも、ろくに現地の言葉をしゃべれない。まるでお客様だ。現地の人にとってみればお金さえ払ってくれれば、上客だという感じがした。
▼その中でニュージーランドの3700mの山の麓にあるホテルで働く、若いご夫婦がいた。夫はネイチャーガイドをやっていて今はホテルで働く。奥さんはここに旅して出会い結婚にこぎ着けた。カメラが行くと夫の散髪をしており、「散髪をしてくれる街まで車で200kmある」という。娘さんは2歳で、すぐ近くに子どもはいない。一番近い家もモンゴル人夫妻で車でいく。もう一人もNY人で車で行く距離だった。日本のおばあちゃんとはスカイプで会話しており、まだトイレがダメだと言っていた。夫妻にとって一番心配は現在の場所で娘を日本人として誇りを高く持ち続けて教育・成長させることができるか考えている最中だと言っていた。たしかに大自然に囲まれた環境は素晴らしいが、人間が成長するためには、現地の人ともコミュニケーションができなければ、誰も生きていく事はできないと思った。

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