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August 04, 2011

◇「おじいさんと草原の小学校」(2)

Teishoku2
(3日別の某市役所の食堂で食べた「定食」名称不明)
▼前日の天気予報では昼間は雨が降らないと言っていたが、移動中3度も降られてかなり濡れてしまった。夏だからいいようなもの、冬だったら風邪を引いていたかも知れない。
▼今朝の朝日1面に「軍律保持に宗教動員」という記事が出ている。2日連続して書いた「白熱授業イン広島」ではないが、戦争をする側は自国の兵士に「自分がやっていることは、常に正義である」と信じ込ませないと、敵は殺せない。紹介されているのは米空軍の将校用テキストだ。アメリカの行う戦争は宗教的にも、核使用も正当化されることを軍人に印象づけようとしている。つまり「社会的正義の倫理観」だけでは、アメリカの行う戦争を正当化できないので、宗教まで持ち出していたという恐ろしい話だ。
▼もうかれこれ30年ほど前にテレビで観た「まぼろしの第四帝国」というモノクロ映画があったた。ネットで探しても見つからないが、アメリカが独裁国家になってしまう。情報部にいる主人公が、それに抵抗を試みるが仲間は次々殺害される。最後は情報部にいる女性と恋人同士をよそおって反撃しようとするが上手くいかない。最後にジーン・ハックマン演じる牧師が銃を持って立ち上がる、という話だった。ハックマンの経歴を見てもlこの映画は出て来ないが、とても良い映画だった。独裁国家にたいして正義に目覚める宗教者もいれば、上記のテキストに協力する従軍牧師も存在する。昨日取材でお目にかかったのは宗教者として反原発運動のたつルーテル教会の牧師さんだった。
さて◇「おじいさんと草原の小学校」の続きだ。マルケは若い頃マウマウ団に入って抵抗運動をしていたことは書いた通りである。団を抜けろ、仲間の名前を吐けとイギリス軍は彼らを逮捕して強制収容所で逆さ釣りにして殴る蹴る。刃物で背中を傷をつけるなど、もう小林多喜二の小説の世界と同じだ。CNNで放送されたころから、小さな村の小学校には世界中の特派員が押し寄せる。
▼また政府も自立したケニアをアピールする好機だととらえて、役人たちが大勢視察にやってくる。その随員の一人が校長に「記者にカネを貰っているのだろう。分け前を寄こせ」と脅す。さらに校長は夫が中央政府に単身赴任しているので「夜は一人だろう」と彼女の携帯に脅しのメッセージを送る。さらに首都にいる夫には「妻は夜な夜な遊び歩いて、浮気をしている」と卑劣なデマを吹き込む。村人もまたそのデマに扇動され、「カネを貰っている」と学校に押し寄せる。ついに教育委員会は校長を遠隔地に転勤させる辞令を出す。そしてマルケには成人学校に行くように勧告されるが、学校は有料で教える内容はさっぱり理解できない。
▼子どもたちに別れを告げ200kmも離れた場所に転任していく。新しい女性教師がやってくるが、彼女は古い三菱コルトに乗っていた。しかし新任教師が学校に近づくと、生徒達は学校にあった道具や食器を投げつけてる。その抵抗が余りにも激しいので逃げ去っていく。そして再び元校長は生徒の歓呼の声に迎えられて帰って来る。マルケは校長の助手ということで授業を受けることが認められる。ある日「難しくて読めない文書」がマルケの自宅に届き、校長に読んで欲しいと持参する。そこにはマルケが過去に独立運動に参加していたため、強制収容所に入っていた事実を認め、それを謝罪する。さらに政府が賠償金を払う」と書かれていた。こうしてマルケの長年の労苦は認められることになる。
▼しかしなぜアフリカで英語を学ばなければならないのだ、という疑問は「週刊金曜日」の映画評にも出ていた。良く考えてみるとケニアは多数の民族が住んでおり、どの言語をを採用するにしても、再び諍いが起きてしまう。そこで英語を共通語にするのが一番公平だと考えられたのだろう。岩波ホールで公開中。

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