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September 07, 2011

NHK「おじいちゃんと鉄砲玉」(その2)

▼夜は本を読むか、録画ビデオを見るか2社択一である。わたしも時間は皆さんと同じ1日24時かしかない。昨晩は月一回放送の金子勝「ニュースにだまされるな!」を見る。今回のゲストは2人と少なく、金子は作家の中村うさぎと東日本大震災の被災地を取材して行政担当者や農漁業関係者に、「いま何が必要なのか?」聞いていた。番組は2時間だが、7日朝NHKラジオの「経済展望」にも金子は出演して同じ内容を5分でしゃべっていた。興味のある方は1週間後にNHKのサイトで録音を聞く事ができる。
▼ゲストは農林水産政策研究所の武本俊彦と東京海洋大の濱田武士だった。とくに濱田の専門家としての話はなるほどと思わせた。山から流れたミネラルや養分は田んぼを潤す。田んぼから流れ出した養分は海に流れて海藻を育てる。海藻のあるところに魚は集まってくるので漁業が成り立つという関連である。金子と中村は取材が終わって近くの食堂に行って何か美味しいものを食べようと入ったが地元の食材は何もなかった。
▼つまりこれは地元の漁港と水産関連施設が破壊されてしまっているからだ。地元を復興しようと思ったら、釜石、宮古などの漁港の再建に特例を作っても早急に資本を投入すべきだ。港が沈んでしまっている所もあるので、そのかさ上げをしないと、年配の漁師なの水揚げができない。漁港を復活させれば、保冷庫、市場、製氷会社、加工会社は人を再び採用して景気が良くなる。それがいまは瓦礫の片付けをしても、1日1万円で月間最高でも15万円ていどの収入しか得られない。もしくはレイオフで実質的に解雇された人もそれほど長い間貯金を食いつぶしては行けないから、他の食える地域に労働者は流出してしまう。という主旨だった。再放送はケーブルTVの朝日ニュースターの水曜日午後2時からです。
▼「おじいちゃんと鉄砲玉」(その2)作戦に参加して負傷してから北島源太の考え方はガラリと変わっていく。それは海軍上層部があまりにもデタラメだから、「あいつらのために死ねるか」(1人の戦友の証言)だった。鹿児島の基地から飛び立った戦闘日誌は1機ごとの搭乗員とその任務、爆弾の投下状況までキチンと防衛研修所の保管されている。それによれば北島以外の特攻機は全弾投下で再びかえって来る事はなかった。しかし北島が搭乗した一式陸上攻撃機だけは「整備不良」で爆弾を積んだまま戻って来た。
▼北島の本心を明かしたのはたった1人の戦友だけで、他の2人は「お祖父さん(源六)は立派な人だった」と口を閉ざした。これはご承知のように、いつも搭乗する戦陣訓が戦後66年たっても彼らを呪縛しているのだ。葬式の後に鉛筆書きで源六が書いたメモが見つかる。それはマレー作戦の絵もあるのでその後書かれたものだと推測される。そこには「戦友たちへのせめてもの慰みだ」という一文があった。久保田瞳ディレクターの疑問はそこから始まったのだ。取材の過程でそれは「犬死にさせられた戦友たちの仇を取った」という意味だったのだろう。
▼そして祖父が大事にしていた海軍の懐中時計(計測員だった搭乗員の必需品だった)を町の時計屋さんに祖母と2人で持ちこむ。蓋をあけると祖母が結婚した当時の写真が張り付けてあり。祖父源六の祖母に対する深い愛情を感じる。そして祖母の目から一筋の涙がこぼれ落ちる。

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