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October 29, 2011

NHKEテレ「マット・レイザーが見た被災地」を見る。

▼昨日届いた「週刊金曜日」10月28日号の短いコラムで「北朝鮮ではIT機能付きの携帯電話が急速普及しているので、社会変革の『武器』になる可能性も」と書いていた。執筆していたのは石丸次郎氏である。わたしはそれはあり得ないと思う。マルクスはアメリカで最初に革命が起きるというようなことを期待していたが、大ハズレ。石丸の論理で言えばITが一番進んでいるアメリカで「社会変革」が起きても可笑しくはない。翻って我が日本国で多機能携帯電話が普及しても、社会変革の兆しなどまったくない。SNSなど自分の自慢話や家族の様子、仲間同士のヨイショばかり。SNSにそういうこと期待する方が間違っている。読んでいてストレスが溜まる一方なので、わたしはすべてのSNSをしばらくお休みすることにした。
▼ところが昨日午後3時過ぎにパソコン相談の電話が舞い込んできた。声からするとかなり年配の方の声で「フェイスブック(FB)の使い方を教えて欲しい」とおっしゃる。何のためにFBを使うのかははっきりしない。しかし使い方だけならお教えできるので来週ご自宅まで伺う事にした。
▼昨日正午NHKEテレ(旧教育TV)「きらっといきる」で「マット・レイザーが見た被災地」という30分番組が放送された。マットさんは(49歳)イギリス人で、自らサリドマイドの障害を持つ被害者である。マットさんはイギリス・BBCの障害者番組のキャスターでもある。彼は東日本大震災の被災地の障害者の声をきくため、東北を巡り歩く。字幕や通訳も出るが、キングイングリッシュなのでわりと聞きやすかった。被災地に行くと震災から7ヶ月もたっているので、住宅地の跡は草が茫々なので思わず絶句してしまう。またある被災者の自宅跡にも案内してもらうが、土台があるだけで玄関らしき場所には草が生えている。「これがあなたの家だったの?」としか言えない。
▼それでもビラまきを手伝ったりする。ある施設に行くと、建物の前に数台の車が停めてある。「何故?」と聞くと、施設長は「緊急避難所に指定されているので、緊急事態が発生したらすぐ車に飛び乗ってみんなを連れて逃げるため」と聞かされる。その直後サイレンが吹鳴するので顔色を変えるマットさん。施設長は「あれは正午の合図です」と聞かされ柱に捕まってガックリと苦笑いする。
▼各地の被災者を訪れたマットさんが「不便なところはありませんか?」と聞く。仮設住宅の玄関には段差があったり、風呂も障がい者が一人で入れるものではない。しかしみなさん一様に「助かって仮設住宅に入れただけで良い。とてもそれ以上要求することなど出来ない」と答える。
▼さらに原発の爆発で放射能の数値が高い所に住む障がい者は、一度は新潟に避難した。しかし自分たちを今まで助けてくれた大勢の人達を見すてることになる、として再び放射能レベルの高い施設に戻っていく。昨日午後のNHKラジオでは関西電力が、大飯原発3号機を再稼働する前提条件となるストレステストを原子力保安院に提出したと報道していた。大震災も原発もみな弱者にしわ寄せが来ている事を、記者たちは知らない筈はないのだが…。相も変わらず独自取材を投げ捨てて「警察の発表によれば」「○○○の発表によれば」とお役所のスポークスマンを買って出ているばかりだ。自分の足を使って、当事者を直接取材せよ。むのたけじさんも「ビンラディンに直接会って話を聞いた記者は一人もいなかった」と嘆いているではないか。

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