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November 02, 2011

◇「上海ー支那事変後方記録」を見る。

▼日中の気温は穏やかだが、朝晩はかなり冷え込んでいる。遅くなってしまったが先週土曜日のわだつみ会で上映された映画、1938年に亀井文夫監督の「上海ー支那事変後方記録」の話。いわゆる上海上陸作戦がテーマとなっている。当時の上海はイギリスとドイツ、それにフランスの大きな租界地があり、そのごく僅かな一角に日本の租借地も存在した。
▼その一角で日本軍に対峙していたのは蒋介石の国民党軍だった。国民党軍はロシアから学んだ頑丈なトーチカを4万個も作り抵抗します。陣地は作戦に有利な縦深陣地で、しかもクリークを利用して日本軍を翻弄します。そのため日本軍は1万人もの死者が出ます。しかしその事実はずっと伏せられていました。あのノルマンディ上陸作戦のアメリカ軍の死者は千人と言われていますから、そのものすごさがお分かりになるでしょう。
▼その様な侵略のための戦闘を日本軍は、敵がイギリスなどの支援を受けて抵抗して卑怯だとします。さらに捕虜にした国民党軍の兵士に、日本軍将校がインタビューし、食料は足りている。着る物も暖かく、部屋も暖かいと言わせます。そして子どもたちには菓子類を与え、頭を撫でている場面が出てきます。
▼それに対して八路軍(毛沢東らが率いる軍隊)にはかなり敵意を持った表現し、彼らの学校は徹底的に破壊しています。あの「肉弾三勇士」の逸話が誕生したのもこの作戦でした。新聞は彼らを最大限利用して戦意高揚を計ります。また実際には中国軍はチェコの水冷式の優秀な機関銃をたくさん持っていました。しかし日本軍は加熱すると、すぐ銃身が焼けて使えなくなってしまう。ヤワな国産機関銃しか持っていませんでした。それにも関わらず武器の展示にやってきた子どもたちが機関銃の銃口を覗く場面が出てきます。ところがわだつみの会場に来ていた「観客」はそれを見て笑うのです。わたしにはちょっと「笑う」という神経がどこから出てくるのか理解できません。銃口を覗くなど絶対やってはならないことです。
▼捕虜にした兵士や手なずけた子どもたちとは違って、上海市内を戦勝パレードをしている姿を見つめる中国の人々の目は冷ややかです。パレードでは市民の演出まではできません。戦争に死体はつきものですがそれは一切写されず、戦死した日本軍兵士のためには即席の卒塔婆が沢山建てられ、生き残った兵士がそれに参拝する姿のみが映ります。
▼エンディングタイトルを見れば分かりますが、この映画作製には陸軍と海軍の全面協力によって作られています。そこで言おうとしているのは、この侵略戦争を戦う日本軍がいかに正当であるか。卑怯な国民党軍、八路軍によって日本兵は苦しめられて死んでいったか。それでもなおかつ死を恐れず「勇猛果敢」に戦っている。という事を銃後にある国民にPRしようというスタンスで作られた映画でした。そして最後は実際には「白木の骨箱」が多かったのでしょうか、下関港にに上陸する「元気な姿」の兵士たちが写ります。
▼学生が「動くか?」 原発事故をめぐる2つの動き。  玄海原発 再稼動にGOサインここに登場して原発擁護学者を追求する京都大学生はすばらしいぞ。

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