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November 23, 2011

日本もアメリカもアカデミズムやメディアは権力にすり寄る。

▼今朝東の空を見ると、女性の眉毛のような細い上弦の月が見えた。休日だが昨日はMさんと一緒に取材に出かけていたため、原稿執筆などやることが山ほどある。前ならば1日出かけていても疲れなかった。しかし昼食をとって一休みする習慣があるので、これをしないと夕食後眠くてたまらない。
▼昨日の読売の1面トップ(このブログの下に読売のpdf記事がある)、そして21日の朝のNHKラジオで甲斐中辰元東京地検次席検事で元現在最高裁判事のとんでもない発言があった。彼は両方で同じ事を言っていた。内容はオウム真理教は当時サリンを70トン生産して、東京上空から散布しようとしていた。さらに小銃を1000丁もってクーデターで東京を制圧しようとしていた、というのだ。こんな話は初めて聞いた。少量のサリンはたしかに作っていた。上空から散布というのはロシアの中古ヘリを解体して輸入していたことは当時報道された。さらに小銃に至っては設計図は手に入れていた。しかし設計図は誰でもその気になれば手に入れられるし、図面があっても作れるものではない。さらに1000人もの民間人を軍隊としての組織的な訓練など国内では出来ない。
▼これは甲斐氏のご都合で自画自賛しただけの話。現実に暴力団が密輸している拳銃すらまともに水際で摘発できないのは何故か?甲斐氏はだから彼らを監視するための治安警察(公安調査庁)をと彼らを規制する法律が必要だと言いたいのだ。
TBSラジオ「Dig」に森達也氏が出演し、オウム裁判について発言している。森達也が言っているのは「民意に従属した、ポピュリズムだ」。
▼今朝の朝日新聞で「欧州の財政危機、マルクスが出番」という記事があってギョッとした。つまり今時の矛盾がマルクスを持ち出せばすべて解決すると結論付けていることにだ。「週刊金曜日」最新号「餓鬼道に墜ちた強欲資本主義の末路」というテーマで本山美彦京都大学名誉教授が発言している。新自由主義的な経済政策は転換し、「市場は間違うのだから、その前に是正すべき」というケインズ、あるいは資本主義の矛盾を指摘したマルクスが復活すると思っていた。しかしいまだにハイエクフリードマンに代表される市場原理主義信奉のシカゴ学派の影響力は圧倒的で、それ以外の学派の影響力は異端視されケイズすら見向きもされない。
▼オバマを大統領にのし上げたのもゴールドマン・サックス。そうした大統領が、金融資本の困ることをやるはずがない。のみならずアカデミズムやメディアも、結局は権力とその背後にいる勢力にすり寄っている。現在の強欲資本主義の当事者たちは、歴史も人間も、社会も知らない単なる拝金主義者でしょう。一時期「アングロサクソン経営」を賛美する傾向があった。なぜ私たちがその真似をしなければならないのか。第一これだけ高齢化が進むと、人々が互いに支え合うコミュニティをもう一度復活するしかない。

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