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February 02, 2012

◇「J・エドガー」を見る。

▼フィールドワークは無事に予定した時間で終わった。寒さが予想されたのでいつもより厚着をして行ったが、最後には汗をかくほどだった。
◇「J・エドガー」クリント・イーストウッドの最新作。主人公の名前はJ・エドガー・フーバーという。彼は48年間に渡ってFBIに君臨し、歴代8人の大統領もフーバーには口出しすることができなかった。フーバーはFBIは創設されものの何も権限が与えられていない次期、捜査権もままならず苦労する。
▼映画は人生の終盤にさしかかったJ・エドガー・フーバーが、ライターに命じて回顧録を書き取らせるところから始まる。ライターは細大もらさず聞き取り、原稿化することが仕事だがその下書きもFBIからは持ち出せず、フーバーのオフィスに置いて帰らなければならない。フーバーの記憶はFBI誕生以前へとさかのぼる。例えば事件が起きた現場に駆けつけても地元警察は証拠保全などという考えはなく、現場を踏み荒らしかつ落ちていた容疑者の手がかりも素手で触る始末だ。フーバーはこの現状を見て、「CSI(科学捜査)」をしなければと考える。
▼ある時は労働争議の場面に駆けつけてスト破りを指揮する。そして政敵はすべて共産主義者だと決めつけ、「容疑者」を追放する。これらの手法は戦後まもなく、アメリカ占領軍がレッドパージとして官公庁にいるとされた「共産主義者」を「摘発」して追放したやり方とそっくりである。フーバーの経歴が語られていくと、その裏側にある自らの出世への野心のために様々な陰謀や企みがすべて、一つのところに集約されていくことが分かる。
▼しかし一方美しい女性(ナオミ・ワッツ)がFBIに応募してくる。すぐさまプロポーズするが「仕事以外に興味はない」と連れない返事をされる。しかしフーバーに気に入られて生涯秘書をすることになる。またフーバーはマザコンでもあった。洋服をつくるにも母(ジョディ・デンチ)がつきっきり、社交界に行ってもダンス一つ踊れないので、中年になってから母に手ほどきを受ける。
▼あるとき法律家を目指している青年クライドがFBIに応募してくる。気に入って彼を採用し、やがてFBI副長官の椅子を与える。その後彼とは二人三脚で相談して様々な政敵を葬る作戦と立てる。そしてマザコンで女性を愛せないという葛藤、右腕のクライドに好意を抱くという苦悩が次第に明らかなっていく。しかしフーバーの考える「国家を守る」という考え方は、自分の理想を守るためならば法を曲げてかまわないというほど狂信的なものとなってゆく。それゆえにエドガーは自分の考え方が正義にもなり、悪にもなってしまう。身体が衰えて来たときニクソンが台頭する。彼こそもっとも危険な人物だとフーバーは考える。そして秘書に自分に万が一の事があったら「手記:フーバーノート」はどんな事をしても外に出さないで守りきる様に命じる。そして物事はその通りに進み秘密ファイルは陽の目を見る事はなかった。フーバーにとって「正義」の中心軸はつねに自分の側にあったのだ。

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