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February 21, 2012

◇「汽車はふたたび故郷へ」を見る。

Josituki
(我が家で使っている気化熱を利用する卓上加湿器)
▼一日かかった仕事が夕方一段落したので、薬があと4日分になっていたのでクリニックに出かける。天気も良かったこともあって、お年よりがかなり来ていた。お陰で待ち時間に1冊読み終える事が出来た。待っている老人の中には、「長い間座っていたんので、立ち上がれなくなった」と医師にこぼしている人もいた。
▼その「下北核半島」の後半に昨日ご紹介した核投下訓練の話が出ている。「操縦席には特殊なGメーターがついていて、核爆弾を投下するときには、正確に4Gの重力、104・5度の角度で宙返りしなければならない。そして、投下後の45秒から60秒のあいだにアフターバーナーで急加速し、音速で離脱することになっていた」。米軍は三沢で半年間に1000発くらいの原発の模擬弾の投下訓練を続けていたという。
◇「汽車はふたたび故郷へ」アル中のオタール・イオセリアーニ監督の最新作。旧ソ連の一部だった頃のグルジア共和国の話。学校の帰り道に友だちと列車にぶら下がって無賃乗車をして教会に忍び込む。そしてイコンを盗み出して高く売ろうと考えているが、牧師や大人に捕まって中々うまくいかない。こんな伸びやかな少年時代を送っていた主人公ニコは大人になって映画監督を目指す。完成した映画とは畑か地面に花が咲いている。そこに道を作ろうという事で花が引き抜かれて、最後はロードローラーがやってきて舗装された道になる、という極めて単純な内容の映画だった。ところがその試写会にやってきた政府の役人は、「公開禁止フィルムは処分せよ」、とだけ言い放って帰ってしまう。苦労をして完成させた映画を完成させた映画が「上映禁止」ではどうしようもない。
▼ある日のこと、グルジアにフランスから大使がやって来る。ニコは友人に頼んで、フランス大使の滞在先のホテルを訪れる。公安当局に盗聴されないように密かに大使と会談するニコたち。だた気をつけていた会談だったがその一部始終は何者かによって監視され盗聴されていた。ニコは公安警察によって投獄され、暴行を受ける。一時釈放されたニコは祖父母が用意してくれたワイン(つまりワイロ)を片手に、政府高官のもとへ出頭する。すると、高官は婉曲にフランスへの出国を勧める。このままグルジアにいても、自分がほんとうに作りたい映画を作ることは出来ない、と出国を決意する。
▼そしてニコは伝書鳩を籠に入れて、生まれ育ったグルジアを離れ、フランスへと旅立つ。今度こそ自分の好きな作品を作る事ができるとパリで喜ぶニコ。プロデューサーにも作品を気に入られ、彼らの出資をもとに映画制作に取り掛かる。「お爺ちゃんぼくはやっと映画が撮れる」と伝書鳩に手紙を託す。祖父母はそれを受け取って喜ぶ。第一回作品は歴史物だったが、撮影が終わると再びプロデューサーとのバトルが始まる。映画は難解だったために商業性を求めるプロデューサーにフィルムを次々カットされる。それは「独創性が強すぎる」「映画は90分を越えてはならん」という理由だった。
▼ニコの才能はパリでも芽がでなかった。そして再び故郷へと向かう。だらだらと退屈な画面が続くだけで、体制批判にも何にもなっていない。わたしなら2時間余の長さでなく30分に編集できる内容だ。岩波ホール。

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