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March 28, 2012

◇「ピアノ・マニア」を見る。

▼27日衆院財務金融委員会に年金消失問題で強制調査を受けたAIJ投資顧問の浅川和彦社長は参考人として出席した。夕刊によれば運用実績の改ざんを認めつつ「損失を取り戻せると思った」と終始傲慢な姿勢を見せている。今朝の新聞によれば「セールスに来た時の饒舌さはまったくない」と証言している人もいる。そもそも検察とか特捜部というのは「強制捜査」が入ったという事を一般の人々に知らしめて、「犯罪を抑制する意味もある」と、どこかのヤメ検が言っていた。
▼日本人は何が起きても暴動をおこさず勤勉に働いている意味には、そういう人々の期待もあるはずだ。人を騙して7千万円の給料を貰う事が正当化されたら、みんなやる気を無くしてしまう。経産省だったかの官僚が、自分が知りえたインサイダー情報で株を買った話も「妻が買った」と誤魔化しているが、世間でそういう話が通用するはずがない。
◇「ピアノ・マニア」多くの場合わたしは予告を見て、「面白そうだ」と思って小さな映画館に通う。これもその一つだ。ウィーンでシュタンウェイピアノ調律師をしているシュテファンが主人公である。ピアノは微妙が楽器で時に一曲ごとに調律をしなければならない。最初に出てくるのはピアニストのピエール=ロラン・エマールで、1年後にJ・S・バッハの「フーガの技法」を演奏することになっている。シュテファンに「高音が柔らかい音を」とか具体的に指示を出す。シュテファンはいやな顔ひとつせず、ピアノ線の強弱をつけるために締める道具で調整していく。
▼もちろん調律師も、ある程度ピアノを弾けなければその微妙さは表現できない。今回ピアニストのエマールによる注文では、1台のピアノでオルガンやクラヴィコードのニュアンスが欲しいと注文されている。調整しているうちにハンマーがのフェルトの部分がダメになっている事がわかる。慌てて工場に電話するが休みだ。自分で取りあえず治せるところまで補修して、注文だけは出しておく。そういう端からみていると、「無理難題」としが思えないリクエストが突きつけられる。エマールの場合1年後にある場所で録音をする事になっている。お気に入りのピアノ選びから始まり、ウィーンの業者は乱暴だからと、自分の気に入ったピアノ専門業者に運搬を依頼する。最後は二人が人力で担いで大きなグランドピアノをホールに運び上げる。
▼それから調律へと進むが、ピアニストの言葉による指示で調整された音は、わたしの耳ではその微妙なところは分からない。正直に言えば、分かる人にしかわからないという調整だ。そして録音テストで一曲弾いて録音再生し、さらに調整に挑む。そのときシュテファンはホールと録音室の階段上がったり駆け下りたりの繰り返しだ。この調律師では神経を病む人も多いという話が出てくるが、むべなるかなと思う。ドキュメンタリーでは、わたしも好きなピアニストであるアルフレッド・ブレンデルも出てくる。完璧な録音を求め、最後の最後まで努力を惜しまないシュテファンの姿に思わず拍手をしたくなる。だからこれぞ真の「マニア【mania】 ある物事に熱中している人」と言える。新宿シネマアートであと1週間くらい上映。

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