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March 02, 2012

ETV「花を奉る 石牟礼道子の世界」を見る。

▼先週2月26日のNHKで気になった番組が二つあった。一つ目は朝8時25分からの「サキどり」という番組で大阪から来た内科医の荒金和美さんが紹介された。荒金さんは大阪の大きな病院で管理業務を担当していた。しかし岩手県で医師を募集している事を知り、去年7月に岩手県立山田病院の仮設診療所に赴任した。人のために役に立ちたいと思っていたが、一定の年齢になると管理業務に回される。自分の年齢が46歳という事もあり、今なら無理もできるとして現場で働く決意をしてやってきた。
▼分からない方言による体調の表現を勉強しなければと、自宅のパソコンには「方言いいかえ一覧表」のようなものを作っていた。そして病院ではたらく人のためのストレスを解消するべく、自分が会得しているヨガを職員に指導していた。これを見てわたしは岩手県の医療を考えて見た。それは小沢一郎の元秘書が岩手県知事である。彼は県立病院のベッド数を減らすことに躍起となって議会で、各党各派の議員にたいして土下座をした人物である。県民の命よりも「効率優先」を考えている人だから、医師も岩手県には居着かない。もちろん荒金さんの決意とやっている事は素晴らしい。しかしその医療が犠牲にされている実態を明らかにしないで、医療関係者の献身的な行為だけを評価するのは、どう見ても方手落ちのような気がする。それにゲストの片山善博(慶応義塾大学教授、元自治官僚、 鳥取県知事)の上から目線の発言は気色が悪かった。
▼もう一つNHK夜10時からのETV「花を奉る 石牟礼道子の世界」を見た。わたしは過去の石牟礼さんの著書は読んだことがある。がはっきり言って書いている内容はあまり理解できなかった。今回の番組を見て石牟礼さんは、作家やジャーナリストとしてではなく、水俣で暮らす一人の人間としての視点から自分にとっての水俣を、見つめ続けていたという事が分かった。小学校の代用教員から出発した石牟礼さんは天草に生まれ、水俣市で育つ。いま石牟礼さんは、84歳を越えパーキンソン病に苦しみながらも水俣病を書き続けている。いま日本という国は今年の7月までに「水俣病の認定を受けなかったものは、今後補償の対象にしない」と言っている。それで一時金として200万円支払われるようだが、これでは1年くらいしか生活できない。
▼わたしは補償の打ち切りの話を見ていて、この場合相手はチッソであり、今原発の災害の相手は東電である。国というのは国策を進めてきた企業を守るのが第一の優先課題であり、国民の命など何とも思っていないという部分で一致していると思った。
▼最後の方で母親の胎内で水銀中毒となって生まれた青年たちを入院している病院に訪ねる。幼い頃から彼らを知っているが、ちゃんと「○○○ちゃん」というと覚えてくれている。石村さんは次の様に締めくくる。お互いの事を覚えている。誰かが自分の事を想っていてくれる人がいる。人間社会は元気を分け合って孤独ではないという事を共有しなければならない。

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