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April 24, 2012

◇「偽りのサーカス」を見る。

▼山口県の三井化学に劣化ウランが保管されていた話。同じような事が昨年311で大火災を起こした千葉県市原市のコスモ石油にも保管されていて問題になった。昨日も三井化学が「放射線を検出していない」と発表したことを書いた。しかし実際にはα線を測定していなければ検出できないのだ。これは、家庭用の線量計では検出しづらいことになる。
◇「裏切りのサーカス」昨日までにあちこちのブログに書かれているあらすじは、大体映画会社が売っているパンフレットの引用である、と思う。わたしは家が狭いのでパンフレット類は一切買わない。だが文体がいずれもプロの書き手が書いた内容で、自分流にこなれていない。
▼主演は諜報機関を引退したジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)である。オールドマンの出演した最高傑作は「蜘蛛女」であると、わたしは思う。「レオン」のFBI捜査官も良かった。スマイリーは一線を引退しているが、元上司から引っ張り出される。それはハンガリー海軍(ハンガリーに海はないと思うが…)の高官がイギリスに亡命を求めている。その取引交換条件とはMI5内部に巣くう、スパイの名前を明かすことだという。場面は過去1973年のハンガリー、ブタペストに移る。イギリスの情報部員がレストランで高官の部下との連絡を待っている。周囲にいる人物はみな怪しく見える。
▼会うために動こうと道路に出た瞬間、レストランのボーイに扮したハンガリーの情報部員に撃たれてしまう。当時この作戦の責任者をやっていたのが、スマイリーである。イギリス情報部の別名をサーカスという。ふたたび引っ張り出されたスマイリーは、モグラとよばれる二重スパイを、元部下のピーターに頼み込み、もぐらたちのある日の動向を出勤簿等をチェックしてゆく。ただし元部下には「何があってもボクは君を救い出すことはできない。捕まってもボクの名前をだしてはならない」とクギをさす。5人の容疑者に一人ひとりのアリバイを検証して、消去法で消してゆく。
▼過去を振り返る場面では、サーカスのスタッフがクリスマス・パーティをしている場面がでてくる。そこではサンタを扮するのがレーニンの仮面を被っている。そして全員が口を揃えてうたうのは旧ソ連国歌であるのが薄気味悪い。つまりアメリカや当時のソ連の軍産共同体というのはお互い「敵」が存在することによって生きのびていたのだ。つまり「冷戦構造」とは、敵が自分の存在意義となっている。
▼オールドマンは二回ほどプールとは言えない、とても汚い濁った沼で泳ぐシーンがでてくる。おそらく監督の意図としてスパイというのは、見えないところで手足を動かし続けていないと溺れてしまう、という事を言いたかったのだろう。小道具としてジョージ・スマイリーが持っている旧型ダンヒルライターがでてくる。そこにはソ連のスパイであるカーラの名前が彫られていた。「cala from joge with love」とこれが全てを示している。結末?ちょっと書く訳にはいかない。映画館へどうぞ。

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