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May 14, 2012

NHKBSで「懺悔」を見る。

▼録画した映画はたくさん見ているのだが、文章にする時間がない。見るだけで時間をとられる。書くにはそれと同じくらいの時間がかかる。本当は本を読みたいので、そちらを優先するとますます書くための時間はなくなる。昨日の夕方もN県のMacを使って毎日読んでくださっている方が100回くらい同じページを行き戻り読んでくださってアクセス数が急増した。昨日は手抜きのブログだったが、何にご興味をお持ちなのだったかは不明だ。
◇「懺悔」(NHKBSプレミアム木曜日深夜放送)これは一度岩波ホールで上映したときに見ているが、検索しても過去データから出て来ない。ある女性の元に市長が死んだという知らせが入る。生前は偉人として慕われた市長(アフタンディル・マハラゼ)なのだが、みんな集まって葬儀をして市長の遺体を埋葬する。実はみんな一様に「厄介者がようやく死んだか」とホッとしている。しかし墓は掘り起こされ、市長の遺体が家族が住む庭に立てかけられている。
▼墓に埋めても埋めても戻されるので、墓を鳥かごの様に密閉して鍵をかけるが翌朝にはまた掘り出されるが、見張りを大勢潜ませておいたため犯人は捕まる。一見浮浪者かと思った犯人は実は女性のケテヴァンだった。そして法廷で「遺体を掘り出したのは認めるが、罪ではない」。また「私が生きている限り、墓で眠らせない。300回でも遺体を掘り起こす」と主張する。
▼それによると市長はむかし、町の由緒ある礼拝堂を取り壊して近代的な建物を建築しようとした。しかし彼女の父親は「教会は町の人の心の拠り所であり、取り壊すことは人間のアイデンティティを失うことになる」と反対意見のべた。ケテヴァンの父はそのため「無政府主義者」の烙印を押され、市長に逮捕されてしまう。そして後日、市長の秘書がこっそりケテヴァンの母のところにやってきて、「あなたも逮捕されるから娘さんと一緒にすぐ逃げろ」と伝えに来て列車のチケットも渡すがもう手遅れだった。
▼ケテヴァンの父親はその後行方不明になってしまう。どうやらシベリヤに送られたようで、そこで伐採された切り株に自分の名前を書いた事が、生きていた証である。身内が連行されて行方不明になった妻や母たちは、木材の積載場にやってきて、切り口に自分の名前が掘ってないか調べる。
▼法廷でケチヴァンから真実の証言を聞いた市長の孫トルニケは、事実を知りパニックにおちいる。1984年に製作され、ソ連崩壊の象徴的作品としてソビエトで大ヒットを記録した。架空の地方都市を舞台に独裁政権下で粛清され、苦難を味わった一家の姿を描く。かつてのスターリン政権下の大粛清を思わせる内容になっている。人間としての当たり前の自由と、政治的な苦難の間にあって人間の尊厳とは何かを描いた作品。「懺悔」とは市長の孫が最後にとった行動をいう。

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