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May 31, 2012

◇スペイン映画「私が、生きる肌」を見る。

▼今朝は取材に出かけるので手短に書く。朝日1面は「首相、大飯原発再稼働決断」の文字が躍っている。思わず冗談かと思ってしまう。わたしが言うまでもなく、福島第1原発4号機はとても危険な状態にある。もし竜巻や地震で燃料棒が露出して爆発したら、それこそ250km以内は強制避難区域になる。もちろん東京も…。北朝鮮の原爆実験を心配するよりも、こっちを真剣に心配した方が良い。わたしは最悪の場合に備えて一応心の準備はしている。このことは25日の「愛川欽也パックイン・ニュース」でもかなり時間を割いていた。
▼新藤兼人監督の死亡記事。昨年「一枚のハガキ」が最後の作品になった。これはブログでもご紹介したが、わたしとしてはその前の「陸に上がった軍艦」の方が好きな映画だった。黒澤もそうだったが、名監督はその名前が金融機関には重要なのだ。黒澤はモノクロで撮った作品は好きだが、その後の作品ははっきり言って駄作だと思う。先日ご紹介した「裸の島」は傑作だと思う。当時のお金で350万円という低予算で撮られたという。後に新藤の妻となった音羽信子の遺骨は撮影の舞台となったこの島の海域に散骨された、という事を知った。
◇「私が、生きる肌」(La piel que habito)
 密室のような研究所で人工皮膚の開発を進める整形外科医ロベル(アントニオ・バンデラス)。彼は自宅にベラという美しい女を監禁して彼女の肌に何やら手を加えている。彼が留守のある日、監視役を兼ねている看護師を騙して研究室に押し入ったチンピラ(実は看護師の息子)はベラをレイプするが、怒ったロベルはチンピラを射殺する。
▼実はロベルは昔妻は交通事故で大やけどを負い、それを悲観して自殺してしまう。そして最愛の娘は、パーティに来ていた青年に暴行されそうになる。娘はそれが原因で精神科で治療を受けるが一進一退である。怒ったロベルは青年を誘拐して、娘の苦しみを与えてやろうと性転換手術を試みる。その結果出来上がったのは、妻とうり二つの美女だった。
▼ロベルの憎しみは時間がたつに従ってますます深くなる。さらに亡くなった妻と、廃人のようになった娘をどうしたら救うことができるか?ロベルはそのことだけを考える毎日だ。娘をレイプしようとした青年を殺すだけでは物足りない。青年を永遠に恐怖と苦痛を与えてやりたい。その結果思いついたのが性転換手術だった。ロベルの怨念は医師としての彼の探究心にも火を付ける。そして仲間の医師を巻き込んで倫理の壁に阻まれて実現不可能だった実験に手を染めてゆくことになる。ちょっと正視に耐えない場面もあって、どなたにもオススメできる作品ではない。日比谷シャンテシネ。

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