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July 03, 2012

ストーリーが単純でないと映画の客も来ない。

▼30日土曜日の「久米宏のラジオなんですけど」では番組の最初に毎回12分のフリートークがある。その中で久米は「毎週金曜日の国会包囲デモは人が増える一方で、もしかすると何か変化があるかも知れない」と2分ほど喋っていた。デモには元過激派が入っている、政党が主導しないデモはダメとかいろいろおっしゃる方がいる。まぁそういう方には一度でよいからデモに参加してみる事をお勧めする。政党や労組のデモとは参加している顔ぶれが違う。わたしは、機関紙の購読部数を増やすことだけが目的化している今の政党にそれほど期待していない。官僚に対抗できるだけの頭脳を用意しないと、政権を執っても結局中身は何も変わらない。明治維新から連綿と続いている日本の歴史がそれを証明している。
▼もっと良い例では南アフリカとか、ケニアで、ANCというアフリカの「革命政党」は政権を奪取した途端、幹部が官僚に取りこまれ腐敗してしまった。そして予算の裏づけがないのにばらまき政策をやっている。その良い例がケニアが舞台の映画「おじいさんの小学校」だ。南アフリカも同様でアパルトヘイトはなくなったが、逆差別のようになりマンデラを神格化して、それをネタに金もうけする構造を作ってしまった。
▼今朝早くの検索用語で映画の衰退というのがあった。新聞をお読みになっている方は気づくと思うが、まず映画広告の量が減っている。一マス3cmくらいのそれすら減っている。かつては新聞紙面の2分の1は占めていたが、いまは2段くらいになっている。日本映画はつまらない。つまり元ネタがマンガだったりアニメだったりする。想像するにまともな脚本を書く人がいないというより、単純な話を好むのだ。芝居の演出をしている鴻上尚史が何かに書いていたが、「最近はシロかクロかわかりやすい脚本を書いてくれと言われる」そうでないと「分からない」と言われるという。
▼近くの映画館の上映作品を見てもアニメ原作が多い。過分所得が多い若年層を狙っているのかも知れないが現実にそうなっている。さらにシネコンというアメリカ資本の映画館が大量に出来ているが、どこも殆ど同じ映画しか上映していない。シネコンとは要するに観客数を素早く把握して無駄のない席を用意して利益を確保しようという発想から生まれている。だからはっきり言って内容などどうでも良い。
▼日本の映画は例えば昨年のロマン・ポランスキーの「ザ・ゴーストライター」のようにイラク戦争でアメリカに加担したイギリスのブレア闇(仮説だが)のような骨太で政治の不正に真正面からぶつかっていく映画は、日本ではもう期待できそうにない。映画の輸入会社も売れなければ仕方ないので、わかり安い娯楽映画しか輸入しなくなってしまう。「死刑弁護人」のプロデューサーは挨拶で「これだけ東京で観客のみなさんが来ていただいて嬉しい。映画の制作費はひねり出せないが、宣伝費くらいは取れるかも知れない」と語っていたのが印象に残っている。

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