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August 29, 2012

◇「テイク・ディス・ワルツ」を見る(2)

▼外回りの仕事は午前中にすませた。昨日ブログのアクセス数が25万番となった。キリ番になるのは週末になるかと思っていたが、3日ほど早めにきた。いまはキリ番のプレゼントはしていないので、番号をゲットしても残念ながら何も差し上げられない。
▼昨晩のNHKは千葉県旭市の海水浴場の「賑わいがまだまだ回復しないが、来年に期待したい」という海の家経営者の声を紹介していた。先週は福島第一原発沖20kmで獲れたアイナメから、これまでで最も高い2万5800ベクレルの放射性セシウム検出したと報道された。漁師さんや海の家の経営者のはやる気持ちは分かるが、原発事故から1年半たっても食品の基準の258倍の濃度だ。TOKIOによる福島の桃は安全というCMもあるが、チェルノブイリの基準よりは高い。「肝試し」をしている訳ではないので、もっと冷静に考えた方が良い。「週刊金曜日」8月24日号では「台所で減らす放射能」という食品別に調理方法の特集が組まれているので参考にされるとよい。
◇「テイク・ディス・ワルツ」(2)サラ・ポーリー監督演出する俳優たちの一挙一動には詳細な意味があるように思える。この作品でも冒頭の昼下がりのキッチンでグリルの中を見つめるマーゴの表情だ。彼女はグリルの中で料理に熱を加える場面がある。そのときマーゴは焦点の定まらないうつろな目をしている。グリルを見ているがが虚脱感が漂いその場にしゃがみ込んでしまう。
▼このシーンを見ている観客はマーゴの体の具合でも悪いのか、何か嫌なことでも思い出したのかと首を傾げる。わたしがその解説をしてしまっては意味がない。だがおそらく何不自由なく5年も連れ添ってきた夫婦の生活とは、こんなワクワクしないものだろうかと感じているに違いない。夫に「子どもが欲しい」というと「もうちょっと時間が必要だ。犬なら飼ってもいい」という。
▼何も不自由はないが、物足りなさの原因はどこにあるのだろうと考えるマーゴ。だが飛行機の中で一緒になった隣人の存在がふと頭をかすめてくる。外出するたびに何かと声を掛けてくる隣人に、それほどいやな感情は持たない。朝散歩をしていると彼がリキシャをひっぱってくる。彼の仕事はこのリキシャで客を目的地に運ぶことらしい。マーゴの家でパーティがあったとき、親戚や友人たちが集まる。マーゴの夫は淋しそうにしている隣人をパーティに誘う。しかし顔見知りだけのパーティはそれほど居心地の良いスペースではない。
▼マーゴは、平凡な日常の中に潜む空虚な空間に落ちてしまった。マーゴは夫にはない新鮮なものを隣人の中に発見する。それは大人びた夫にはない、たわいのない遊園地の乗り物に乗って喜ぶ姿、夜のプールで泳いでいるマーゴに近寄って話しかける隣人だ。監督はヒロインと隣人の青年との不倫劇を通して、満たされない人間の心に潜む憂鬱を掘り下げ、る。ヒューマントラスト有楽町で。

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