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August 30, 2012

◇WOWOWで黒沢明の「野良犬」を見る。

▼7月27日の反原連主催ではない国会包囲デモに行ったとき、ドイツから来た映画監督が挨拶で「このデモは世界を勇気づけている」と話していた。多少お世辞も混じっているのかなと聞いていた。ところが昨日ネットにドイツ、デュッセルドルフの小規模な抗議活動が地元のTV局で放送された映像として流れていた。http://youtu.be/BPcm8DYWU3U このようにして国会包囲デモは世界中に広がっていくのかな、と思って力づけられた。(すべてドイツ語です)
▼その点今朝の新聞広告に出ている週刊文春」の記事は「野田官邸に乗り込んだ11人の正体」過去などという下劣な特集をしている。包囲デモ集まっている人たちは、マスメディアの報道を信じられないから自ら発信してデモに来ているのであって、そういうマスメディアの報道はますます墓穴を掘ることになる。国会包囲デモに行くと毎週のように「テレビは見ないで、新聞の購読を止めよう」というビラを巻いている個人がいる。PCで作ったと思われる手作りのビラで「大手新聞は購読を中止し、東京新聞か日刊ゲンダイにしよう」と訴えている。
▼週刊誌で言えば「週刊金曜日」をそのままプラカードに張り付けて参加している人すらいる。残念ながら「週刊文春」の読者はこういう場所には来ないようだ。
◇「野良犬」WOWOWでは8月と9月黒沢明の映画特集をしている。残念だが、本を読む事を優先していて時間がない。HDDに録画して1週間見る事が出来なかったものは、そのまま消去してしまう。東大法学院教授の藤原帰一が数年前に「落ち込んだ時はこの映画を見る」とAERAに書いていた事を思い出した。
▼終戦直後のまだ闇市が並んでいる町。混雑したバスに乗っていた刑事(三船敏郎」は降りる瞬間ポケットに入れて置いた拳銃がすられていることに気づく。怪しい人物を追いかけるが見失ってしまう。署に戻って辞表を書くが、上司から拳銃を取り戻して責任を取れと慰留される。三船はそれらしき所を聞き込みする。しかし彼は一本気で容疑者の居場所を吐けと締め上げるだけだ。
▼ところが上司の志村喬刑事はまず、相手と対話して心を開かせて証言を引き出す。三船は志村の取り調べに目からウロコになる。レビュー小屋に行って踊り子の一人に容疑者の写真を見せるが協力するどころか口をチャック状態にしてしまう。容疑者の姉らしき住まいを訪ねるがバラックで人が住むような家ではない。志村刑事はこの家を見て「あれは酷い。それに比べれば我々の住む家はまだマシだ」という。取り調べの帰り道三船を自宅さそう。もてなすのはカボチャとビールだ。帰り際に襖を開けて子どもたちの寝顔を三船に見せてやる。
▼辛い事もあるが「この子どもたちの安心仕切った寝顔を見るために仕事をしているのだ」とでも言いたげなシーン。これが映画で一番印象に残った。野球場に容疑者を追っていくが、そこではジャイアンツとどこかが試合をしており、背番号16番で出てくる。国民を熱狂させる日本のプロ野球は永遠に不滅だと思った。黒沢作品のベスト3に入ると思う。

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