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August 16, 2012

NHK「黒い雨/活かされなかった被爆者調査」を見る。

▼猛暑の一日だったが、一応盆休み中にすませるべき事をやる。まず朝は渋谷ルシネマで「屋根裏部屋のマリアたち」を見る。わたしは同じ時期に複数の映画から選択をしなければならないことがある。その時は知人である某映画評論家のサイトを見る。ここで確認して行けば、まず期待を裏切られる事はない。60年代のフランス、スペインから出稼ぎに来ている女性たちの話。午後から暑い最中に無理をして髪をカットにでかける。カットしてもらっている最中、Yahoo!ニュースの画面を見ていると「オリンピック凱旋祝賀パレード」をするという。こういう事を考えるのは広告代理店だろう。
▼午前5時代にある検索用語でアクセスが集中していた。こういう事は図書館に行って調べた方が良い。雑誌のバックナンバーを探せば見つかる。もしくは出版社に電話してバックナンバーを売って貰う。タダで入手できる情報は限られている。それに公表されている情報にはたいして重要な事は書いてない。
◇「黒い雨/活かされなかった被爆者調査」8月6日のNHKSPL、タイトルは井伏鱒二の小説で知られている。原爆被害者の日本政府による補償は、原爆が投下された爆心地から同心円を書いたおおむね2km以内の地域に限られている。いわゆる放射線による影響なのだが、実はその同心円から外れている西側の地域で黒い雨は降っている事が分かった。したがってその雨に打たれた人も、実際に放射線被害に遭っている筈である。
▼ところがその被害の実態が今までは明らかになっていなかった。研究している人がふと目をつけたのはABCC(《Atomic Bomb Casualty Commission》⇒原爆傷害調査委員会)ならばその聴き取り調査があるのではないかと目をつけた。ABCCに実際聴き取りを受けたという女性もいたことが分かった。ABCCはいま原爆影響調査研究所(原影研)という、日本の組織に改編されている。そこに情報の公開を申し入れると「個人情報だから」と拒否される。そこで当事者に情報公開請求をしてもらう。そして本人の許可を得た上で個人情報の部分を黒く塗りつぶして、情報の検討調査を進めていく。
▼すると現場に残っていたガラスの黒い雨などからも放射線が検出される。当然日本政府の原爆手帳(被爆者健康手帳)が発行されてしかるべきである。地道な調査で黒い雨が降った地域をグラフでしめす作業がコツコツと続けられる。なぜABCCによって集められた記録データ(聴き取りは紙と映像があった)はなぜ67年間も秘匿されてきたのか?おそらくアメリカは原爆投下を正当化するためと、データを自国の核開発に利用して来たのだろう。映画「ニッポンの嘘」にもABCCは被災者の治療は殆どせずにデータだけ集めていたと言われている。
▼同心円という考え方は福島第一原発の被災地を決める線引きと同じ思考回路だ。そして政府や地元観光地のPRにだまされて海水浴に行って、将来「被害」が出ても「認定」されるまでには「証拠を出せ」などと70年もかかるのだ。決して政府の「太平洋沿岸の海水浴場はすべて安全」などという口車に乗ってはならない。

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