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November 07, 2012

◇「菖蒲」を見る(その1)

▼今朝のニュースはアメリカの大統領選挙で民主党のオバマか共和党のロムニーが、焦点になっている。しかし両候補とも依拠しているのは財界だから、方針にそれほど大きな違いはない。しかしどちらがバ○といえば、演説の内容を聞いているかぎり後者のように感じる。というのはロムニーは「日本のようにアメリカは沈下しない」と発言しているからだ。どっちが早く沈むか分からない。それは両国が虎とキツネという持ちつ持たれつ関係だからだ。
▼今朝の「リベラル21」で龍谷大学名誉教授の酒井定雄さんが「米大統領選挙で、オバマ、ロムニーどちらが勝っても、イランへのイスラエル、米国の攻撃の危機が高まる。」と書いていた。要するに2人の大統領候補はイスラエルロビーからカネを貰っているのだ。昨日の朝日国際面の写真を見ていたら、イスラエルの攻撃に備えて警備するイラク兵という写真があった。だが良く見るとイラク兵が構えているのはイスラエルのウージ・サブマシンガンだ。ライセンス生産なのか不思議な現象だと思った。
◇「菖蒲」公開2日目の岩波ホールに行ったがかなり空いていた。監督はあのアンジェイワイダだ。前作の「カティン」と違ってポーランドの風物詩と、老夫婦、亡くした子どもについて描いている。だから今までのアンジェイワイダの映画を期待してはいけない。
▼ポーラランドの地方都市に住む老夫婦。夫は小さな診療所の医師で、妻は舞台俳優だ。妻役を演じるのはアンジェイワイダのカメラ監督をずっとしてきた人の妻である。ところがこの映画を作る直前亡くなってしまう。その撮影監督へのオマージュも多分に込められていると思う。場面は最初暗い寝室で悩んでいる様子の妻が一人でずっと何やら悲しんでいる演技をしている。それが何なのかはしばらく分からない。しばらくすると生前の夫婦の生活に戻る。夫は他人の健康状態を診察しているが、具合が悪いから他の医者に診察してもらった方が良いという事になる。レントゲン検査をしてもらうが、自分は結果を中々聞きに行かないので妻が聞きに行く。すると担当医は最初口を割らないが、妻にうながされ「余命いくばくもない」と診断結果を伝えられる。
▼妻は夫にこのことを伝えようかどうかと悩んでいるうちに亡くなってしまう。それから後は妻とその友人達の話になる。夫が生きているとき寝室に数枚の我が子の写真が貼ってある。若い青年たちを見るたびに「この子が生きていたら同じ年頃になっていたはず」とため息が出る。二人の男の子はワルシャワ蜂起で立ち上がって帰らぬ人となってしまった。ワルシャワ蜂起はご存知のようにソ連の裏切りによって、蜂起した人たちは見殺しにされてしまった。アンジェイワイダの名作「地下水道」もそれがテーマとなっている。(続く)

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